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女性の活躍を阻むものは女性の中にもある

30代のとき在外教育施設の派遣教員に応募しました。私はすでに結婚して子どもが2人いました。夫は高校の教師ですが、私が在外派遣に応募することには賛成していました。派遣者は家族同伴で赴任することが原則なので、配偶者は退職するか休職するかのいずれかを選ばなければなりませんでした。夫は休職に何のためらいもなく、私が赴任することになったら喜んで主夫をやると言っていました。

市の書類選考と面接を通過後、県の教育委員会で面接が行われました。面接官は3人おり、1人は女性でした。女性面接官が一番年長らしく、役職も上だったようです。面接官は一人ずつ応募の理由や在外施設についての知識、これまでの経験、現地でやりたいことなどを聞いてきました。その中で女性面接官が「あなたが赴任することになったらご主人はどうされるのですか」と聞いてきました。私は「休職します」と答えました。すると女性面接官は驚いたように「えっ、御主人が休職されるのですか」と言いました。私が「はい。配偶者は退職か休職かをしなければならないということですので」と答えると彼女は「奥さんが休職するというのはありますがご主人が休職するというのは聞きませんね。本当にいいのですか、お子さんだっていらっしゃるのに」と言います。「はい、子どもがいるから夫が休職して面倒を見ます。家事も夫がやると言っています」私がそう言うと女性面接官は怪訝そうな顔をして横にいる男性面接官に「ご主人の休職、どう思われますか?」と聞きました。男性面接官は「いいんじゃないですか? 男女どちらでも」と答えていました。

後日、私に届いたのは「不合格」の通知でした。不合格の理由はもちろんわかりません。私が適任でないと判断されたのでしょうが、「夫の休職」が理由のひとつだったのかなと思ってしまいました。採用されなかったことへの負け惜しみと取られるかもしれませんが、女性面接官の言動には何かすっきりしないものがありました。



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