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私の出版体験 2 

前回の続きです。


プロモーションの大切さ

本は出版しても読まれなければ意味がありません。できるだけ多くの人に読んでもらうためにはプロモーションが必要です。プレスリリースや献本、SNSでの発信、さらに個人での「宣伝」も重要であると実感しました。

出版から数週たった頃、地元のタウン誌から連絡がありました。私のことをタウン誌に掲載したいので取材させてほしいというのです。プレスリリースの効果だと思います。取材など受けたことがなかったのでびっくりしましたがお受けしました。そして翌月のタウン誌に写真入りで紹介されました。さらにそれを見た地元の書店が記事をポップでアレンジし、特設コーナーを設けてくれました。大物政治家の本の隣に自分の本が平積みされているのを見たときは思わずニヤリとしてしまいました。

書店のブログより。一部改変。

それから数か月後、今度は首都圏の新聞社から取材依頼がありました。これもプレスリリースの影響のようです。新聞記事として紹介されたときは離れたところに住む親せきや友人も電話をくれました。語学や留学関連の事業を行う会社が発行する雑誌が読者プレゼントの対象にしてくれたこともあります。

ウェブでの発信も大きな宣伝になります。出版社のウェブメディアに書籍の一部が公開され、宣伝効果を感じることがありました。さらにそれがYahooのまとめサイトに取り上げられたことも何度かあります。その直後はアマゾンの販売数が一時的に増えたので関連があるのかなと思いました。でもコメントする人はほんの一部しか読んでいないので誤った解釈をされることもあり「覚悟」が必要です。自身のSNSで紹介したり、知人のSNSで紹介してもらったりするのも効果があると聞いています。ただ私はちょっとした理由からこのnoteでは本の紹介をしていません。

いずれにしてもプロモーションの効果は大きいと感じました。

個人での献本

本を出版したことは多くの人に知らせ、お世話になった方や元同僚、友人など様々な人に献本しました。地元の図書館にも寄贈しました。手元には出版社から100冊送られてきましたが、すべてを捌くことはできません。売れることよりも(売れればもちろんうれしいですが)一人でも多くの人に読んでもらうことが目的ですから、手持ちの本は惜しみなく配りました。結果的にそれがプロモーションの機能を果たし、読者を増やすことに繋がります。友人の一人は勤務先の学習塾で数十冊購入し希望する生徒に販売してくれましたし、大学の授業でテキストや参考文献として扱ってくれた人もいます。勤務校の図書室に所蔵してくれた元同僚もいます。いずれにしても読者を増やすためにはプロモーションがとても大事であると強く感じました。

さらに献本までしなくても本を出版したことを友人や知人に知らせることも大事です。自分の知っている人が本を出版したとなれば、読んでみようかなと思うでしょう。メールを送るついでや年賀状の片隅にさりげなく書くのも効果的です。口コミも大きな効果があると感じでいます。

出版を通して

出版後、知らない方からの問い合わせが何件かありました。海外の教育を研究する大学の先生からは記述内容についてさらに詳しく知りたいと研究会をへの参加を依頼されましたし、海外調査に行く教育委員会の指導主事からは事前の情報収集をさせてほしいという依頼がありました。さらに何年も音信不通だった知り合いや教え子などから連絡を受けたりして思わぬ再会につながったこともあります。

どこの図書館に所蔵されているかをネットで調べることができると知ったのもこの出版を通してです。国内の図書検索サイト「カーリル」です。貸し出し状況までわかるのですごいです。

さらに、World Cat を使えば海外の図書館のことも調べられます。私の本が海外でも所蔵されていることを知った時は正直驚きました。


出版は私にとって大きな出来事で大変ではありましたが、得るものは大きかったです。出版の世界を少しは知ることができましたし、編集者とのやりとりもすごく勉強になりました。これまで何気なく手にしていた本がこのようにして作られているのかということがわかりましたし、書籍の流通に関する知識も得ることができました。出版によって新たな世界が広がったことは確かです。

本を出版する際に知っておいた方がよいと思うこと

素人が自費出版をするにはある程度の学習が必要です。出版を考える人はたくさんいますが、何の知識もなく出版するのはやはり危険だと思います。最低限の知識は必要です。以下は出版を通して私が抱いた疑問や驚き、出版に際して気をつけるべきことや知っておいた方がよいことなどを以下にまとめました。あくまで私個人の体験によるものですし、出版社など個別の情報を含んでおりフルオープンにするのは躊躇われます。あえて有料にしましたのでご了承ください。

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