エレベーター専門コンサルタント 森 匠将

エレベーターの新設、改修、リニューアル、保守管理を専門的にサポートするコンサルタント …

エレベーター専門コンサルタント 森 匠将

エレベーターの新設、改修、リニューアル、保守管理を専門的にサポートするコンサルタント 森 匠将のブログ。エレベーター新設、保守管理、部品供給、経年劣化、老朽化問題を解決する専門性の高いサポートを行っています。 https://www.elevator-management.com

最近の記事

エレベーターの地震感知器(S波)について

地震感知器(S波)は、地震発生時の初期段階であるS波(横波)を検知するための装置です。S波は地震の揺れを引き起こす主要な波であり、P波(初期微動)に続いて到達します。地震感知器(S波)は、このS波を迅速に検知し、エレベーターの安全運用に重要な役割を果たします。 先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。 エレベーター運用への影響と効果地震感知器(S波)は、地震発生時に

    • エレベーターマネージメントは完全に独立した公平な立場でアドバイスしています。

      私はエレベーターの保守管理や改修工事において、これまで自らが経験した知識と、現場でのノウハウを最大限に活用してアドバイスを行っています。 いくつかのエレベーターメーカーや独立系保守会社に勤務していた経験がありますが、その会社の代理店として活動しているわけではありません。 なので、最終的に契約するエレベーター会社が予め決まっていたり、提携先のエレベーター会社があるわけではありません。 すべてのエレベーターメーカーや独立系保守会社から完全に独立した立場で、マンション住民やオーナ

      • エレベーターの調速機(ガバナ装置)について

        調速機(ガバナ装置)は、エレベーターの安全運行において極めて重要な役割を果たします。この装置はエレベーターの速度を監視し、過速度が発生した場合に自動的にエレベーターを停止させる機能を持っています。これにより、乗客の安全を確保し、エレベーターの運用に安定性と信頼性をもたらします。 先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。 調速機の必要性エレベーターは高層ビルや商業施設

        • エレベーターの巻き上げ機について

          エレベーターの巻き上げ機は、かごを持ち上げたり下ろしたりする役割を担っており、エレベーターの安全性や効率性に直接的に影響を与えます。 先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。 巻上機の基本構成 巻上機は主に以下の部品で構成されています: モーター エレベーターを上下に動かすための動力源。 ドラム ワイヤーロープやケーブルを巻き取る部分。 ワイヤーロープ エレ

        エレベーターの地震感知器(S波)について

          エレベーターの制御盤について

          エレベーターの制御盤は、エレベーターの心臓部とも言える非常に重要な部分です。制御盤がエレベーターの動作を管理し、安全かつ効率的な運行を支えています。エレベーターの制御盤には、乗員の安全を守るための機能や、エレベーターの性能を最大限に引き出すための機能が備わっています。 先日投稿した公式サイトのコラム「エレベーター保守・リニューアルの保守部品について」の中でも、エレベーター機械室の制御盤について簡単に紹介しています。 エレベーターの運用への影響と効果制御盤は、エレベーターの

          エレベーターを構成するパーツについて

          マンション住民の方がエレベーターを安全で安心して利用していただくために、様々箇所で非常に細かなパーツを構成して駆動しています。 エレベーターの工事を行う時や、保守・メンテナンスの時に、様々な部品がその対象となってきます。 エレベーター工事の主要パーツエレベーター機械室 制御盤 巻上機 調速機(ガバナ装置) 地震感知器(S波) 昇降路 主ロープ 近接スイッチ(着床スイッチ:インダクター) リミットスイッチ ガイドシュー 制御ケーブル かご室 かご上操

          エレベーターを構成するパーツについて

          マンション エレベーターの改修工事の工程

          エレベーターの改修工事は、安全性の向上や機能のアップグレード、耐震への対応などを目的として行われます。工事の工程は、マンションの規模や設置台数などによって異なりますが、一般的な流れとして以下のステップが含まれます。 事前調査と打ち合わせの期間初期調査と計画(約1年~10ヶ月前) ・現在のエレベーターの詳細な調査。 ・改修に必要な要件の検討。 ・予算の設定とスケジュール策定。 初期調査と計画の段階では、エレベーター改修工事の前提となる極めて重要な作業を行います。現場のエレベー

          マンション エレベーターの改修工事の工程

          エレベーター改修工事で保全管理の負担も軽減される

          エレベーターの改修工事を行う目的は様々です。 安全性をアップさせたり、快適な空間を作ったり、耐震基準に準拠したり、大規模修繕等と合わせて一新するなど、マンションによって様々な理由で行われます。 安全性の向上 快適性の向上 省エネルギー化 耐震基準への対応 機能の向上 大規模修繕 ※それぞれの項目の説明は、エレベーター改修工事のタイミングをご覧ください。 これらは、エレベーターがリニューアルすることで見込めるメリットですが、これ以外に保全管理においても、大きなメ

          エレベーター改修工事で保全管理の負担も軽減される

          エレベーターのリニューアル工事における様々な問題

          マンションのエレベーターが老朽化していたり、耐震対策(関連記事:09耐震と14耐震の違い)ができていなかったり、交換部品が製造されなくなって安全性を保つ上でリニューアル工事が必要となっていたりと、エレベーターの改修工事を行わざるをえなくなるマンションは多いと思います。 そうなった場合、今まで住民の皆さんが少しずつ積み上げてきた修繕金を使って、エレベーターの工事を依頼するのですが、現在はスムーズにそのエレベーターの工事を受けてくれる状況にないケースがあります。 先日に投稿した

          エレベーターのリニューアル工事における様々な問題

          エレベーター工事の納期遅延問題について

          2024年、エレベーター工事の納期遅延は、世界情勢による資材の納品遅れや半導体不足など、様々な要因があり、深刻な問題となっています。 主な要因は、 世界的な半導体不足 資材価格の高騰 世界的な半導体不足エレベーターの制御システムには半導体が多く使用されており、世界的な半導体不足の影響を受けています。 資材価格の高騰鋼材や銅などの資材価格が高騰しており、エレベーターの製造コストが上昇しています。 また、これ以外にも、新型コロナウイルス感染症の影響によって、物流や工場の

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          エレベーターの09耐震と14耐震の違いについて

          エレベーターの09耐震と14耐震は、日本での耐震基準の改訂を指しています。 建物や設備が大きな地震に耐えうるようにするための基準の改訂で、その 基準は エレベーターにも適用されます。 09耐震について2009年に導入された耐震基準です。 この基準は、2005年に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の教訓を踏まえ、以前の基準を見直し、より厳格な耐震性能を求めるものに変更されました。 エレベーターに関しては、建物の損傷が少なくても安全に停止し、乗客が閉じ込められる事態を防

          エレベーターの09耐震と14耐震の違いについて

          昇降機確認申請副本について

          補助金を活用してエレベーター防災対策を行う際に必要とされる要件として、竣工当時の昇降機確認申請副本があります。 エレベーター防災対策工事を行うときに補助金を活用することをご案内したコラムの中にも書かれています。 昇降機確認申請副本とは昇降機確認申請副本は、建物が完成した竣工当時に、その建物内に設置された昇降機が安全基準や規定に則って設計・建設され、適切に機能することを確認し、その承認を得るために提出される書類のコピーです。 この申請副本は、昇降機を設置した際の確認申請書の正

          【主要な支持部分の耐震化】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          これまで、補助金をもらうために必要なエレベーターの改修工事について、ひとつひとつ説明する記事を書いてきました。 ・地震時管制運転装置の設置工事について ・主要機器の耐震補強措置の工事について ・戸開走行保護装置の設置工事について ・釣合い重りの脱落防止措置工事について 以前に公式サイトのコラムで補助金を活用するために必要な要件の記事の中で、5つの工事を紹介しています。 noteで、それぞれの工事についてご紹介してきましたが、今回がその工事についての最後の記事になります。

          【主要な支持部分の耐震化】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          【釣合い重りの脱落防止措置】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          補助金を活用してエレベーター改修工事を行う際に必要な工事についての記事の4回目です。 これまで、 ・地震時管制運転装置の設置工事について ・主要機器の耐震補強措置の工事について ・戸開走行保護装置の設置工事について の記事を公開してきました。 今回は、釣合い重りの脱落防止措置工事についてです。 釣合い重りの脱落防止措置とは釣合い重りの脱落防止措置とは、エレベーターかごと対に昇降している重りを地震によりレール起動上から脱落、落下を防ぐ工事です。 この措置は地震からエレベータ

          【釣合い重りの脱落防止措置】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          【主要機器の耐震補強措置】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          先日から、補助金を活用してエレベーター改修工事を行う際に必要な工事について、紹介記事を投稿してきました。 ・地震時管制運転装置の設置工事について ・戸開走行保護装置の設置工事について 本日は、主要機器の耐震補強措置の工事についてです。 主要機器の耐震補強措置とはエレベーターの耐震補強措置には、昇降路内ガイドレールの補強、機械室の耐震強化、制御盤の耐震対策、かごの振動制御、電源システムの耐震化、ケーブルの耐震対策、およびピット設備の耐震化が含まれます。これらの措置により、

          【主要機器の耐震補強措置】エレベーター改修工事の補助金をもらうため

          エレベーター保守/保全管理コンサルティングについて

          ここまで、エレベーター工事での工事業者選定コンサルティングや工事中の施工監理に関するコンサルティングサービスをご紹介してきました。 今回は、エレベーターの工事が終わり、その後、マンション住民の皆さんが安全で安心してエレベーターを利用していただくための保守保全管理におけるコンサルティングサービスのご紹介になります。 エレベーター保守/保全管理コンサルティングプランエレベーターのリニューアル工事が終わると、一大プロジェクトが終了したので、一段落したいところですが、実はここからエ

          エレベーター保守/保全管理コンサルティングについて