スイスはデフレ気味だが賃金は上がる

先日の記事に続いて、ABCテレビ『正義のミカタ』の悪質な経済解説を取り上げる。

番組ではディズニーランドの入園料や、100円ショップ、回転ずしの値段が世界でも最も安く、20年間の経済成長率が諸外国の中で唯一マイナスを記録している現状が紹介され、日本の入社1年目の平均年収が約262万円で、スイスと比較すると3分の1以下とのデータも示した。

「20年間の経済成長率が諸外国の中で唯一マイナス」は藤井お得意のデマで、2000年→2019年には15%成長している。マイナスなのはグラフの◯の二点を比較しているからだが、これは「経済成長率」とは言わない。

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元内閣官房参与の藤井聡氏(52)は日本がデフレと指摘し、「デフレで物価が安くてお得と思っているのは大間違い。貧困が進み、経済規模がどんどん収縮しているということ」と説明する。さらに「日本の初任給はスイス、米国、韓国より低い。平均年収は30年前より低い」と付け加えた。
ここでゆうちゃみが質問。「え~、なんかスイスとか結構上がってるじゃないですか。日本は変わらないってことは、上がってる国がお金の刷る量が多くて、お金の価値が下がってるって意味じゃないですか」と口にすると、藤井氏は「めちゃくちゃ合ってる!70点!」と目を丸くする。

スイスは日本よりも「物価が上がらない国」になっている。

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マネーストックの増加ペースもほぼ同じ。

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1人当たり実質GDP成長率もほぼ同じ。

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しかし、政府債務の対GDP比は日本と対称的で抑制されている。

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『正義のミカタ』に出演した「専門家」の論理では、スイスは日本よりも賃金が上がりにくいはずだが、実際には上昇が続いている。

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スイスの賃金上昇は「お金の刷る量が多くて、お金の価値が下がってる」からでもないのだが、反緊縮派にとっては不都合な真実なので無視される。

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