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各採用広報にクオリティギャップが生まれないようにするためのステップ

「採用広報において、なぜインタビューによってクオリティーの差分が発生してしまうのか?」

採用活動をしていらっしゃる方であれば、この問いにたどり着いた方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?

2016年頃から「採用広報」がトレンドとなり、昨今においては、当たり前のように採用広報が採用活動において有効な手段として取り組まれて参りました。ただ、採用広報はインタビュー対象者の力量によって、クオリティーが変動することがよく発生します。

そうならないようにするためには、どのような取り組みが必要なのか?
本ブログで記載していきたいと思います。



0. 採用広報とは

採用広報とは:
採用活動における「広報活動」のこと。最もイメージしやすいのはWantedlyのフィード(社員インタビュー)のこと。

※さらに詳しく知りたい方は次項におけるブログをご参照ください。


1. 採用広報(採用マーケティング)は5W1Hが重要

以前執筆したこちらのブログをご覧いただければと思うのですが、採用広報、採用マーケティングを語る上で、5W1Hは非常に重要だと思っています。

「採用広報に取り組もう!」

となったとしても、どのように進めれば良いかわからないですよね?ほとんどの企業さまが「題材」で悩まれます。つまり「何」についての採用広報にするのか、と言う観点です。

最もオーソドックスなのは「社員インタビュー」です。入社している社員に対して「入社理由」「職務内容」「その企業で働く魅力」などをインタビューしていく手法です。社員インタビュー自体は全く悪いことでは無いのですが、向こう見ずに突然インタビューを実施すると、悲惨なクオリティになることがあります。
なぜならば、インタビュー対象者である社員の方々の「主観」が大きく影響した内容になってしまうからです。誤解がないように申し上げますと、社員インタビューは「主観」をお話しいただく場になるため、それ自体は悪いことでは無いのですが、重要なのはその社員インタビューのユーザーである方々の「具体的なターゲット」と「インサイト」です。


2. 「ターゲット」と「インサイト」とは

ターゲットとは文字通り、その社員インタビューのユーザーのことです。
もう少し具体的に説明をすると、ユーザーの在籍業種/業態、職種、年齢などです。これらが変化すると「インサイト」が変化します。

インサイトとは
心の中に隠れた心理。

インサイトについて詳しくお知りになられたい方は、下記ブログをご覧ください。

ターゲットが異なればインサイトも異なります。
そしてインサイトが異なれば、伝えたい「メッセージング」も異なってきます。前項で「社員の主観でお話しいただく事は悪いことではない」と記載しましたが、インタビュー対象である社員の方が、たまたまターゲットのインサイトに沿ったメッセージングをお話しいただけた場合は、すごく良い内容になるのですが、そうではない場合は、あまり有効的な社員インタビューとは言えなくなります。
では、どのように採用広報の企画を設計すれば良いのか?

説明いたします。


3. ターゲット設定

まずは下記ブログをご覧ください。

ターゲットを明瞭にすべき採用広報の題材と、そこまで明瞭にせずに、御社のメッセージングを前面に出す題材が存在していると思っています。
例えば、Philosophyやproduct、strategy関係において、ターゲットを過度に意識する事は無いと個人的には思っています。なぜならば、ターゲットのインサイトをくすぐるようなPhilosophyを御社が作り上げてるわけではないと思うからです。Philosophyは御社の「心の中の声」を表現したものになりますので、ターゲットのインサイトをくすぐるような表現を念頭に作成しなくても良いのではないか、そういった背景です。

一方で、professionやperson観点においては、ターゲットの設定が非常に重要になると考えています。
なぜならば、この2つの項目は、社員の方に登場いただく可能性が高く、各社員の方々は、自分の「職域」に寄せた仕事をしていただいてるかと思います。つまり、「職域」が絞られれば、その職域を「経験している方」もしくは「希望している方」をターゲットに設定した方が良いからです。

繰り返しになりますが、
Philosophyやproduct、strategyなどは「全職種」の方々が見ていただく採用広報である。

一方で、
professionやpersonは「特定職種」の方々が見ていただく採用広報であるため、ターゲットの設定が非常に重要である。
そういった背景になります。
では、ターゲットをどこまで絞り込んだ方が良いのか?そんな議論がよく発生します。結論としては下記です。

業種/業態
・Webサービス系企業 / Web受託企業 / SaaS系企業

年齢層
・ジュニア / ミドル / シニア

ターゲットを絞り込む尺度は、その企業さま次第かと思います。
仮にものすごく専門性が高いポジションであれば、ターゲットは細かく絞り込む必要があるでしょうし、ただ複数名の採用で、割と柔軟にターゲットを変えられそうなポジションについては、ターゲットはやや甘めで良いかなと思っています。
ただ、1つだけ注意していただきたい点としては、ターゲットをぼんやりさせればさせるほど、インサイトが設計しにくくなり、メッセージングもぼんやりします。「あれ、この採用広報って何を言いたかったんだっけ?」と言う着地になるのは、「採用広報の内容」が悪いのではなく、「ターゲット」や「その採用広報の目的」が不明瞭である故に、起きることがほとんどかなと感じています。


4. インサイトの設定

インサイトを作るのはすごく難しいです。
そして、採用インタビューの対象職種が専門職であればあるほど、採用広報の企画側はインサイトの設計が困難です。なぜならば、その職務経験がないため、必然的にインサイトが思いつかないからです。こういった際は2つのアクションをしてみましょう。

1つ目は、当社のような採用支援企業にその職種における採用支援実績があるかどうかを聞きます。そして、その特定職種におけるインサイトを知っているかどうかを聞いてみましょう。当社は50を超える職種/ターゲットにおけるインサイトを保有しておりますため、ある程度オーソドックスなインサイトは持っているつもりです。

2つ目は、その職種/ターゲットの方に直接ヒアリングをしてみることがオススメです。どのような動機で転職活動したのか?どのようなモヤモヤを感じているのか?などヒアリングしてみると、結構出てきます。


5. メッセージの設定

本ブログでお伝えしたい事はここです。
当社ポテンシャライトが実施している進め方としては、この「メッセージ」まで設計した上で、採用インタビュー対象者と事前のすり合わせをするようにしています。つまり、

「このような質問するので、このような回答をしてください。」

と事前にお伝えしているのです。
わかりやすいように上記のような表現をしたのですが、事前のすり合わせではここまで明瞭にお伝えしておりません。下記のようなイメージです。

「採用インタビュー当日は、このような質問をさせていただく予定です。これらの質問に対して自由に回答いただいて問題ないのですが、採用広報の企画側としては、このような内容(回答例)を入れ込んでいただけると嬉しく思っています。これらの内容(回答例)は、今回の採用広報の目的である●●を前提として、ターゲットが〇〇とした際に、△ △と言うインサイトが存在すると思っています。このインサイトを解消するために、当社が出せるメッセージとしては、これらのメッセージだと思っています。そのため、繰り返しになりますが、この質問に対して自由に回答いただいて問題ないのですが、本採用広報の目的/ターゲット/インサイトを考慮した際に、ここに記載されているメッセージを含んでいただけると、なお良い内容になると思っています」

このようなイメージです。
「この質問をするので、この回答してください。」
と言う話をすると、企業さま側からフィードバックをいただくのが、「いや、この事前に準備していただいたメッセージをそのまま言うとなると、採用インタビュー対象者の個性というか、オリジナルな部分がなくなってしまうのでは?」とおっしゃっていただくことがあるのですが、本当にその通りだと思っています。そのため、回答の自由度は採用インタビュー対象者にお任せすると同時に、事前に設計をしたメッセージも読み込んでいただき、そのメッセージに共感いただいた内容については積極的に入れていただく、そのような手法を取り組んでいます。


6. 採用ブランディングから採用広報のメッセージへの転用について

採用ブランディングとは
採用活動における魅力の「発掘」「言語化」「整理」をすること。

当社では、採用活動における魅力を文言化して、整理をするプロジェクトをよく取り組んでいます。これまで270社さまほどの採用ブランディングに入らさせていただきましたが、多数のメッセージを言語化させていただきました。この採用ブランディングで言語化できた魅力をうまく採用広報と言う手段においてアウトプットすることが、採用活動を前に進めるための1つの手法だと捉え、前述した採用広報の企画段階で、魅力をふんだんに内包するように心がけています。

なぜ、今このような話をしてるかと言うと、もしかしたら本ブログを読んでいただいている方々は、このような感想を持っているかもしれません。

「いやいや、そのメッセージを作るのが難しいのではないか?」

その通りだと思います。自社の魅力(メッセージ)を事前に考える際に、「働きやすい」「カルチャーが良い」「自社サービスに取り組んでいる」と言う、どうしてもありきたりな魅力(メッセージ)に終始してしまう事はあるかと思います。何を申し上げたいかと言うと、
本ブログでは「採用広報において、インタビュー対象者によってクオリティーの差分がなぜ出てしまうのか?」と言う課題に対して、解決策を言及してきました。その課題に対して、ターゲット/インサイト/メッセージ(魅力)と言うブレイクダウンをしながら、事前に企画をして、インタビュー対象者にきちんと正確に、事前すり合わせでニュアンスをお伝えする、と言う話をして参りましたが、やはり重要になるのはメッセージ(魅力)が洗練されていること。これを人事側でブラッシュアップすることによって、採用広報は見事に変革することができます。

これらを取り込むことによって、各採用広報におけるクオリティーの差分はなくなり、むしろ他社さまと比較しても魅力的な採用広報になる事でしょう。


最後に

皆さんいかがでしたでしょうか。
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