世界は経営でできている
大分前に、先輩から勧められて
Kindleでこちらの本を購入しました。
依然としてすべては読み終えて
いないのですが、割と巷で話題に
なっているという噂も聞くので、
そろそろ紹介してみようと思います。
読む前までは、もっと硬い本なのかと
思っていたのですが、読んでみたら
なんとまぁ、シニカルさにあふれた、
その独特の毒づき方加減に思わず
引き込まれました。
章立てが、すべて
「○○は経営でできている」
という形で統一されており、
結局のところ人生そのものが
「経営」である!ということを
帰納的に導こうとしているかの
ような書き方になっています。
事実、下記の通り「おわりに」は
「人生は経営でできている」との
タイトルになっているのですね。
各テーマは、お互いのレベル感が
揃っているとは必ずしも言い難い
ところですが、どの章も読みごたえ
十分ではあります。
詰まるところ、本書の主張は
「はじめに」のところにあるように、
世の中には本格的な「経営」が不足
しており、それが不合理極まりない、
笑えない問題を増やしていて、
本来の経営概念に立ち返ることの
できる人間を増やさないことには
個人も社会も豊かになれないよ、
というものなんですね。
そして、この主張を裏付けるような
事例を、自称「令和冷笑体エッセイ」
なる味付けで書かれているわけです。
大爆笑を誘うというよりも、あくまで
シニカルさを打ち出し、インテリが
サラッと嫌味を言って「冷笑」を誘う
ような体裁といえばよいでしょうか。
基底にある考え方は、至ってまともで
あります。
例えば、8章の「仕事は経営でできている」
の中にある一文を抜き出しましょう。
こんな形で、極めて真っ当な「仕事」の
定義を持ち出しています。
しかし、この「本当の仕事」ではない
無駄な仕事の事例を出してくる際に、
という具合に、非常にスパイスの効いた
表現が、これでもかというほどに、
陸続と出てくるのですね。
その「冷笑」的センスは、正直なところ
かなり好き嫌いが分かれるところでは
ありましょう。
それでも、淡々と正論を述べるような
本を読むよりも、ずっと知的好奇心が
刺激され続けながらの読書体験になる
こと請け合いです。
経営のエッセンスを手軽に学べる、
異色ながらも非常に面白い本でした。
オススメです。
己に磨きをかけるための投資に回させていただき、よりよい記事を創作し続けるべく精進致します。