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2023年ベストアルバム



Spotifyプレイリスト

Apple Musicプレイリスト


amaXesha / Bongeziwe Mabandla

南アフリカ拠点SSWの4th。シームレスに繋がれた14曲はエレクトロニクスと生音が幻想的かつ生々しく響く、ソウルやフォークを通過したオルタナティブポップ!コーラスや彼のファルセットボイスには荘厳でありつつ零れ落ちる感情、高揚感がある。


Fountain Baby / Amaarae

ガーナルーツのSSWの2nd。バラエティに富んだ楽曲にも負けない艶のあるシルキーボイスも、アクの強いトラックも乗りこなすラップスキルも兼ね備えててもう無敵!実際Pharrell Williamsが関わってたり、The NeptunesやTimbaland、Missy Elliottの影響を感じさせるトラックやポップパンクみたいな曲もあってやりたい放題。でもこの声ならあり!あり!



I Told Them... / Burna Boy

ナイジェリア拠点SSWの7th。GZAやRZAを招いてのオマージュ、ヒップホップビートとフュージョンしたサウンドがフレッシュ!野太くてセンチメンタルなメロディにも合う声の多彩な魅力と安定感。独自の道を切り拓いているし、やっぱキング感ある。



Timeless / Davido

ナイジェリア拠点SSWの4th。ログドラムが鳴り響き、各所にダンスミュージック的な音を配置しつつハイライフやヒップホップも取り込んだ今作。Afrobeatsを拡張しながらも、同時にタイムレスな作品を作るんだという気概を感じる。アルバムの流れも凄く良い! 


Work Of Art / Asake

ナイジェリア拠点SSWの2nd。前作から9ヶ月と短いスパンでリリースされた本作。1stでの成功に溺れることなくしっかりと着実に、その勢いそのままに最高のアルバムを届けてくれた。理想的なセカンドアルバム。



London Ko / Fatoumata Diawara

マリ出身フランス拠点で俳優としても活動するSSWの3rd。Damon Albarnが共同制作。マリのバンバラ語を使うハスキーなボーカルが素晴らしく、生演奏とエレクトロニクス、トラディショナルとポップスのエッセンスの配合が新たなポップを響かせる。Angie StoneやYemi Alade等ゲストも多彩でBrooklyn Youth Chorusとの"Sete"や、エレクトロニックなレゲエ"Dambe"があったり、捉え所が無い感じが凄く良いです。


Synthetic Hearts / MsakixTubatsi

南アのSSWとUrban Villageのボーカルによるコラボ作。2人のボーカルとハーモニー、Clément Petitのチェロが生み出す呪術的なグルーヴ。エレクトロニクスを交えた洗練されたスピリチュアルとフォークロアが瑞々しく新たなポップを提示してる。



Pan African Rockstar / Lady Donli

ラゴス/ロンドン拠点SSWの2nd。挑発的なタイトルはインディペンデント精神を表し、ロックのダイナミズムを取り込んだ音と力強いボーカルは聴衆を鼓舞する。ギターが印象的で、疑似ライブの様にシームレスに繋いだ演出も高揚感を駆き立てる。



Ifa Lomkhono / Mbuso Khoza

南アフリカ拠点SSWの2nd。ファルセットを多用しソウルフルにブルージーに、楽器のように声を発するボーカルが素晴らしい。複雑なリズムも難解さは無く、洗練されたメロディとパワフルな演奏に感じるのは温かみや零れ落ちる悲哀、そして清々しさ。
Nduduzo Makhathiniプロデュースの本作はウハディやムビラ等の伝統楽器を使い、トラディショナルな南アフリカジャズをエネルギッシュにアップデートしてる。レーベルはChief Adjuah (formerly Christian Scott)の諸作もリリースしてるropeadope。



The Past is Unpredictable, Only the Future is Certain / Vuma Levin

南アフリカ拠点ギタリストの新作。自身のクインテットとアムステルダムの管弦楽団AM.OKによる素晴らしいコラボ。


Flowers In The Dark / Kofi Frexxx

Shabaka Hutchings製作総指揮による即興演奏集は彼のレーベルNative Rebelからリリース。ドープな音楽に久々にピントが合いました。カッコいいです。



Leather Blvd. / B. Cool-Aid

LA拠点ラッパーPink Siifuと同じくLA拠点DJ/プロデューサーAhwleeのデュオ3枚目。多数のプロジェクトで活動してきた2人が多くの客演を招き制作した本作は、ソウルフルでリラックスした雰囲気がドープで過剰さとは違うチルだけど見える人の悲喜を感じられる。


Black Classical Music / Yussef Dayes

サウスロンドン拠点ドラマーのソロデビュー作。UKらしいエネルギーに満ちた演奏と折衷的な雑食性、ジャズの歴史や地域を横断しその時代の空気までも現代に甦らせた独特の熱気がある。子どもの声や馬鹿笑いする会話が挿入されてたり、その歴史には市井の人々の暮らしがあり、そこで繋いできたものであることを感じさせてくれる。Kamaal WilliamsやTom Mischとのコラボ等を経てようやくリリースされた本作は、長尺ながらダレることなくフレッシュなまま聴ける。バランスにも優れた74分。



The Omnichord Real Book / Meshell Ndegeocello

NY拠点ベーシスト/マルチ奏者/SSWの13th。孤高の天才といったイメージだったけど、今作ではJeff Parker, Joel Ross, Brandee Younger等素晴らしい人選のコラボが多く、ソングオリエンテッドでミニマルながら自由で広大な宇宙の広がりを感じるブルーノート移籍第一弾。


Brand New Life / Brandee Younger

NY拠点ハープ奏者の6th。ジャズ/ソウル/ヒップホップ/レゲエを横断しながら、ハープの特徴であるグリッサンドの流れる音階に加えて、メロディを奏でリズミカルに爪弾かれる演奏はメロウかつドープ。クールダウンに最適です。プロデューサーとして参加してるMakaya McCravenのドラムの叩き出す多様なリズム、Joel Rossのヴィブラフォンが添える彩りも印象的。その他ゲストもPete Rock, 9th Wander, Meshell Ndegeocelloなど凄いメンツだけど引っ張られることなく、トータルとしての完成度、そして素晴らしい統一感。



Stings / Kamaal Williams

ロンドン拠点キーボード奏者/プロデューサー/マルチ奏者のKamaal Williams名義での3枚目。現代ジャズとクラブミュージックを繋ぐ重要人物の1人。"Stings"でのゴツゴツした生演奏と次々に変化するリズムの融合はクラブジャズとは異形のものを感じる。自身のルーツである台湾を想う曲には同じく台湾にルーツをもつLA拠点のバイオリニストStephanie Yuが参加してたり、Miguel Atwood-Fergusonがストリングスで参加してたり、Wu Hen名義の前作同様アメリカ西海岸のサイケデリックなムードも感じさせる。後半のピアノソロも素晴らしい。


ANIMALS / Kassa Overall

シアトル出身ドラマー/ラッパー/プロデューサーの3rd。どこか不穏なムードもポップに聴かせる手腕が素晴らしい。



Knower Forever / KNOWER

LA発Louis ColeとGenevieve Artadiによるユニットの5th。捉えどころが無くて突き抜けてて、何をやってもファンキーで最高!キャッチーなメロディにストリングスやブラスやコーラスを配したクラシカルな佇まいはバロック・ファンクとか言いたくなる。Genevieve Artadiのドリーミーな透明感とどこか無機質な声や、Louis Coleのドラムをはじめ、Sam WilkesやJacob Mann、MononeonやSam Gendel等の超絶技巧やそれぞれの音に浸っても良しですね!M2でのPaul Cornish、M5でのRai Thistlethwayteの弾くピアノソロも素晴らしい。



Wind and Sun / Sinikka Langeland

ノルウェー拠点カンテレ奏者/SSWのECM7作目。強く神秘的で土着的な声とスチール弦の澄んだカンテレの響きが美しい。冷たく張り詰めた空気に陽が射すような温もりも感じられる、強度を持ったトラディショナルフォーク/ジャズ。大半の曲をノルウェーの作家 Jon Fosseが作詞、Sinikkaが作曲。バンドはそれぞれがECMからリーダー作を発表しているノルウェーの腕利きのジャズミュージシャンで、彼らが奏でるアンサンブルやエモーショナルかつ抑制の効いたソロも素晴らしく、カンテレにはハープシコードのような神聖な響きを感じた。



All One / Ben Wendel

NY拠点サックス奏者の6th。ゲストによる歌と演奏以外全て彼によるもの。2曲のスタンダードを含み、余白を残した芳醇なハーモニーの上で鳴らされるソロやアンサンブルは自由度が高く、どこか不安定な中のメロウな浮遊感がここではない何処かを想わせる。アルバム1曲目初めからこれは傑作だと感じさせる音の説得力がアルバムを象徴してて素晴らしい統一感。その中で広がる豊かなグラデーション。Cécile McLorin Salvantはじめ、ゲストも素晴らしい仕事をしてる。



KARPEH / Cautious Clay

オハイオ州出身NY拠点マルチ奏者/SSWの2nd。ハイファイさとジャンクなサウンド、ハイハットが印象に残るヒップホップ的なビート、エコーがかったボーカルとコーラス。全てのバランスが不思議な清涼感を齎す。彼の少ししゃがれた声、かっこいいです。



World Music Radio / Jon Batiste

ルイジアナ州メテリー出身SSWの7th。ニューオリンズで触れて育った豊潤な音楽体験を基に自身のバックグラウンドと現代のポップミュージックを掛け合わせ創造した新しいポップ。ライブ感溢れる本編とパーソナルなラスト3曲にグッとくる。


Tempo de Vendaval / Nara Pinheiro

ミナス・ジェライス拠点フルート奏者/SSWのデビュー作。ブラジル音楽はあまり聴いてなかったけど、これは聴いた瞬間から心奪われた作品。バンドアンサンブル、ドラムやシンセなどの演奏も担当したAntônio Loureiroのプロデュースとアレンジ、そして彼女のボーカルが一体となった素晴らしさがあった。


CHARKA / Hempress Sativa

ジャマイカ拠点SSWの2nd。ルーツを基調としながらダンスホールやR&B、アフロビーツまで取り込んだ今作。多くの曲でダビーな音処理が施され、彼女のリズムに乗った節回しが独特の陶酔感を誘う。ソウルフルな歌の力強さがあり、歌ものダブとして最高。


はじまりの夜 / 江崎文武

WONKやmillennium paradeでも活動する鍵盤奏者のソロ1st。映画のように情景が浮かび上がらせ、とても静かだけど様々な感情を呼び起こす。日没から朝日が昇るまで、日々の喧騒を癒し整理し朝を迎える為のサウンドトラック。松丸契のサックスも素晴らしい。



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That! Feels Good! / Jessie Ware

ロンドン出身SSWの5th。前作での成功と自信。コミュニティから受けた恩恵、それを還しそのメッセージはそこにとどまらずに増幅し外側にいる聴衆をも巻き込み鼓舞し躍動させ個人を解放させる。与えられたあらゆるステレオタイプへの反抗。


falling or flying / Jorja Smith

ウォルソール出身SSWの2nd。あまりに大人びていた前作から故郷に戻り同郷のDAMEDAME*と作り上げた今作にはナチュラルに自身の音楽的バックグラウンドを表現した清々しさがある。特に冒頭3曲が掻き立てるゾクゾクするような週末の夜感が最高!


Voice Notes / Yazmin Lacey

ノッティンガム拠点SSWのデビュー作。ジャムセッションによって作られたという本作は、客演なし、キャッチーなフックがあるわけじゃなし、Erykah Baduを想わせる力を抜いたボーカルコントロールとグルーヴが続く、ひたすらにクールな1時間。最高!"Late Night People"の歌詞にナイトライフという言葉が使われている様に、UKらしいクラブミュージックを通過したソウル/ジャズ/レゲエ/ファンク、ラストのスピリチュアルなアンビエント、ジャケットデザインに至るまで、一貫した美意識を感じさせる素晴らしいデビューアルバムです。


Red Moon In Venus / Kali Uchis

コロンビア出身SSWの3rd。ドリーミーな音像にドープなビートと妖艶なボーカルが交わるサイケデリックR&B。3月リリースだけど絶対夏の夜に合うと思ってたら案の定良くてリピートしてた。チルしてるつもりが異世界に紛れ込んでしまう危険性があります。


Gold / Cleo Sol

ロンドン拠点SSWの4th。同時期にリリースされた"Heaven"も素晴らしかったけど、よりソングオリエンテッドなこちらを選びました。愛について、それを諦めないことについてとても広大で大切なメッセージを歌い続けている芯のブレない人だと思う。


The Age of Pleasure / Janelle Monáe

カンザスシティ出身SSWの4th。レゲエ色が濃くアフリカのミュージシャンも多数参加した本作が最高なのは、その歴史や批評を踏まえつつもサグくて自由にファンキーにダンスしてて責任や期待みたいな窮屈なこと微塵も感じさせないってこと。 コンセプチュアルにイメージを変化させる作風、そしてその完成度の高さはやはり素晴らしく、様々な境界線を飛び越えた存在の彼女に期待があるとしたらその作品のクオリティであり、PrinceやDavid Bowieの系譜。


JAGUAR II / Victoria Monét

サクラメント出身SSWのデビューフルにして2020年リリースEP「JAGUAR」に続きD'Mileメインの制作。活況だったR&B界隈で選ぶならオーセンティックかつ曲のカッコ良さで本作を推したい。Buju Banton参加のレゲエも強力でKaytranada制作のM4も最高だ。 


Wait Til I Get Over / Durand Jones

Durand Jones & The Indicationsのフロントマンのデビューソロ。南部音楽をベースにロック/ヒップホップ/ジャズを取り込み、ざらっとしたローファイな音と時折見せるアンビエントな音空間に独特の風通しの良さを感じるレトロモダンソウル。Donny Hathawayの"Someday We'll All Be Free"カバーがあったり、パーソナルな部分と人々に訴求する力のどちらもをしっかりと感じられるボーカルも素晴らしい。レーベルはDead Oceans。


Gravy / BJ The Chicago Kid

シカゴ拠点SSWの4th。メンフィスのロイヤルスタジオでの録音、ツボを押さえたThe Indicationsの演奏に南部フィーリングを感じつつ、憧れの地でのリラックスしたBJのボーカルはカジュアルさもあって、洗練された管弦アレンジも、とにかく全曲良い。客演のPhilip Baileyを始めFreddie GibbsやRobert Glasper等もいい具合にこのプロジェクトに染まってて、全員がこのアルバムを楽しみ祝福してるのが伝わってきます。冬の時期に重宝しそうなハートウォーミングな作品。


Free Myself/ Theo Parrish, Maurissa Rose

デトロイトの重鎮DJ/プロデューサーが同じくデトロイトのシンガーを全編フィーチャーしたコラボ作。2023年はソウルが熱かったけど、このデトロイトから出たマシーンソウルミュージックも間違いなく激アツ。イレギュラーなビートも不思議と心地良い。


NEVER ENOUGH / Daniel Caesar

カナダ出身SSWの3rd。夏の夜にこのアルバムを聴いてると、日中の茹だるような暑さをクールダウンしつつ、チルアウトとは違う、エモーショナルな、心に暖かさが灯るような気持ちになる。レイドバックし過ぎないエクスペリメンタルな雰囲気も良い。


Des de la cuina / Magalí Datzira

バルセロナ拠点ベーシスト/SSWのデビューAL。あどけなさの残る、スキャットを交えた歌声やコーラスに感じる素朴な瑞々しさ、メロディの良さを引き立たせる極限にシンプルな構成の演奏とアレンジ。メロディを支える様なベースも素晴らしい。


I've Got Me / Joanna Sternberg

NY拠点SSWの2nd。1stでの弾き語りスタイルにMatt Sweeneyのプロデュースとバンドでの録音が加わることで、曲の普遍的な美しさがより立体的になった印象。エモーショナルかつ内省的に、様々な感情の揺れを一曲の中に感じさせるタイムレスな名品。演奏するギターやピアノが、言葉にできない内包する彼女の激しさを表しているように感じる。自身の抱える葛藤や悲痛こそ私だと言える強さと繊細さに見る、あくまでも個であるという、オルタナティブな存在感に惹かれる。


Multitudes / Feist

カナダ出身SSWの6th。冒頭の"In Lightning"のコーラス、そしてシンプルな弾き語りも良い。"Borrow Trouble"のウォールオブサウンドを想わせる重厚なアレンジとシンプルな弾き語りの対比。強さを内包しつつ歌いシャウトするボーカル、間奏に吹き荒れるサックスもあまりにも素晴らしい。


PARANOÏA, ANGELS, TRUE LOVE / Christine and the Queens

フランスのナント出身SSWの4th。スローダウンしたエレクトロニクスのミニマルなビート、クリスのクールながらエモーショナルな表現力を持ったボーカルは素晴らしく、エクスペリメンタルなストーリーを持った96分。


In Embudo / Mary Elizabeth Remington

マサチューセッツ州ハードウィック出身SSWのデビューAL。低音域のふくよかなボーカルが素晴らしく、Big ThiefのAdrianne LenkerやJames Krivchenia、TwainことMat Davidsonが全面参加した4トラックのライブ録音。これは大好きな音です。


Calico / Ryan Beatty

LA拠点のSSWが共同プロデューサーにEthan Gruskaを迎えた3rd。祈りのような歌が太陽のように降り注ぎ、アコースティックギターの響きが西海岸の乾いた風を感じさせる。澄み切った青空の下にいるような開放感とパーソナルな内省性が心地良い。 前作のぼやけたアルバムジャケが象徴していた打ち込みやヴォコーダーをベースにしたベッドルームポップから一転、髪もすこし伸びて白いTシャツでストレッチをしている様を写したジャケが今作に対する自信を窺わせる、アコースティックギターをベースにしたソングライティング。アレンジも素晴らしい。


False Lankum / Lankum

ダブリンのバンドの4th。トラッドに潜む残酷さや悲哀をエクスペリメンタル/ノイズによって甦らせる。バンドとエンジニアJohn Murphyがイメージする音の一致が作り出す強力なダイナミズム。ラストの67年サマーオブラブを想わせるサイケデリア、好きです。


Rat Saw God / Wednesday

ノースカロライナ州アシュヴィル拠点バンドの5th。スカッとしないし、トリップもできない。だがそこが良い。諦念する陰鬱とした気分をそのまま叩きつけることのカタルシス。一筋縄じゃない構成やコード感をキャッチーに聴かせるメロディセンスも良い ! 


Monkeyman / Kurious & Cut Beetlez

NYのラッパーとフィンランドのビートメイカーによるコラボ作。50年代ジャズのサンプリングを多用した楽しくドープな作品。Cut Beetlezのスクラッチもかっちょい〜です。


大吉 / Summer Eye

夏目知幸のソロ名義デビュー作。ドメスティックな生活感が滲む金言だらけの歌詞をファンク/ブラジル音楽/ダブ/サイケで溶かした無国籍感漂うダンスミュージック。言葉のチョイスやニュアンスの使い方が最高で、閉塞感を反転させ人々を祝福する芯を持った音。


魚 _ 魚 / 細井徳太郎

群馬県伊勢崎市出身ギタリスト/SSWの1st。キャッチーなメロディに乗せて吐き捨てるようにため息のように甘くパーソナルに歌う、アンビバレントな音楽性とそれを可能にするギターが素晴らしい。七尾旅人の参加や大友良英とのフリーキーなインプロも最高。アルバムぎゅうぎゅうに詰め込んでも収まりきらない溢れ出た余白のような魅力まで感じさせる、自由でDIYな雰囲気に満ち溢れた傑作。


New Neighbors / Homecomings

メジャー2枚目。トータルでは5枚目。まず思ったのはギターサウンドが戻ってきたってこと。前作で増えた打ち込みや管弦のアレンジも今作の糧になり厚みを増したバンドの開放感と普遍的なメロディが持つ大衆性の調和がとても良い。勿論歌詞も良い。


JAPANESE AMAPIANO / audiot909

遂に出たファーストフルアルバム。湿気を含んだ風のような上モノは少し濁った清涼感があり、ビートも多彩で客演陣の歌もラップもハマってるし、アマピアノに詳しくない自分のような人間でもすんなり聴けるストーリーがあり、アマピアノ愛、音楽愛、パーティ愛に溢れ、開けたエネルギーに満ちた始まりの音楽。


the record / boygenius

アメリカのSSW、Julien Baker, Phoebe Bridgers, Lucy Dacusによるグループのデビューフル。三者三様それぞれの曲の良さ、そしてハーモニーと爆発力。Not Strong Enough"というアンセムまで生み出した、花火のように美しいレコード。様々なパロディやオマージュ、ライブ動画やMVは痛快で最高だったし、一緒にこのプロジェクトを楽しんでるような感覚があった1年。美しい時間は儚くも脆く、オルタナティブな個が何かスローガンの下ではなく自然発生的に集いうねりを作る。そんな一瞬を捉えて永遠を刻む2023年の記録(the record) 

#音楽 #2023年ベストアルバム #ポップ
#アフロビーツ #ジャズ #インディーロック

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