見出し画像

私と猫の話。一。

猫のおててはここがたまらんのじゃ。(サムネ)


うちには世代被らず2匹の猫がおりました

一匹目は真っ白な野良猫ちゃんを保護した結果の、マリーちゃん♀。

元が野良ということで警戒心が強く、女の子ということもあってか神経質。
祖母にしか懐かず、餌をくれる母にはまあよしという顔をし、小学生だった私には『だまれこぞう!(くわっ)』という態度だった。

おまえみわさんなの??

実はマリーちゃんがうちにいた期間はかなり昔で、携帯の画像も残っていないので、彼女は私達家族の記憶の中にしかいない。

マイメモリーの中のマリーちゃんはとっても気位が高く、高飛車で、触らせてなるものか、あっちへお行き、邪魔すんな、寄るんじゃない、我慢がならん、ガキはこれだからきらいよ!というような

嵐のような癇癪持ちであった。

でも毛皮はしみひとつなく雪のように真っ白で、おめめはキラキラの金色、庭では上手にヤモリを捕まえ、秋にはベランダでトンボを捕獲し、なかなかのお嬢様でありました。
そんな彼女ですが、乳がんになってしまい手術を重ねても再発、とっても再発、苦しんで苦しんで、さいごは水も自力で飲めなくなって、亡くなってゆきました。

餌をやって毎日可愛がって病院につれて行っていた母の落胆は凄まじく、『もう生き物はいいわ……』と遠くを見つめて呟く始末。
あ、これだめなやつ。ペットロスという言葉はまだ当時なかったのですが、私は絶対これダメなやつだと思いました。

ダメだからってどうしたらええんや、猫買おうよとペットショップに連れて行ったって絶対『いらない』っていうにきまってら。

そして2年後、現われたのが保護子猫のお話。


当時ネットで仲良くしていた犬っ飼いのおねーさまが、『住宅街で捨て猫を押しつけられちゃって』と里親を探していた。

これまた実は酷い話で、ある時犬の散歩をしていたおねーさんは、人だかりと子猫の鳴き声が聞こえてそちらに寄っていった。
近所の人が捨てられた3匹の子猫を見て、病院に連れてってやらないとと話していた。
そこに現われたおねーさんと犬。
犬を飼ってるなら動物病院知ってるだろうと、やーよかった宜しくよろしく、と子猫を押しつけられてしまったと。
え?犬飼ってるから子猫は飼えないし、動物病院はタダではないんだが?

無責任な人達もいるもんだな。
でもそのおかげで捨て子猫は保健所で安楽死などという事もなく、動物病院で獣医の奥さんに毎日ゴールデンなんちゃらミルクとかいうお高いミルクを与えられよちよちと育てられたのだよ。

ちなみに動物病院での保護の間の費用と、一回目のワクチン代は犬っ飼いのおねーさまから出ています!
なんて貧乏くじなのおねーさん!いくらかかってんのおねーさん!

そんなわけでおねーさんの財布が心配だしよかったらうちに1匹もらいたいんだがという話を母にした。
すっごい渋られたけど捨て猫なら仕方ないかと了承を得、うちに二匹目の猫がやってきた!

ワクチン一回目終わったところの生後一ヶ月?ちょいの子猫。

どっはーーーーー!!!!ぎゃわああいぃい!!
そういえば前猫は少し育ってから拾われ猫だったので、こんなちっちゃい子猫はペットショップでしか見た事ない。私はないのだ。衝撃だったのだ。

おねーさんからの受け渡しの渋谷駅からカゴに入れて、ずっと電車内でミャウミャウ鳴かれて困ったりしたけど、そんなんどうでもいいくらい子猫は可愛かった。
元気過ぎてうちについた途端あっちこっち駆けずり回り、テレビの裏も食器棚の下も洗濯機の裏をも駆け抜け、ほこりまるけになっても止まらず、家の中の隙間という隙間を探検し尽したあと、
――こねこは力尽きて寝た。

『ぎゃわいい!』はこの疲れて寝た猫を見ての感想である。

額のしましまがまろ眉に似ていたので、めいめい『まろ』ちゃん。
♂のサバトラ猫。

お腹だけ真っ白なアルマジロ柄です。

前猫のマリーちゃんは女の子で高飛車で神経質だったから、猫ってこういうものなのだろうなと家族みんなが思っていたんだけど。

まろは♂だからという理由だけじゃなく、すべての猫概念を吹っ飛ばす豪胆ネコチャンだった。


つづく。


この記事が参加している募集

猫のいるしあわせ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?