月島

創作を楽しんでる学生です☀️一次創作の小説やイラスト、たまにメンタルの記事などを書きたい…

月島

創作を楽しんでる学生です☀️一次創作の小説やイラスト、たまにメンタルの記事などを書きたいと思います エブリスタで3年間、小説とイラストを書いてました📖 精神科通院歴あり 自分なりに生きてます 色んな創作と出会いたいです 男女CP大好き 小説→「僕プレ」異能もの 毎日更新中

マガジン

  • 僕らと命のプレリュード 本編

    僕プレの小説の本編はこちら。 現代異能ファンタジー。異形の怪物と戦う少年少女の物語です。 過去にエブリスタで連載していたものの修正版です。エブリスタでは限定公開だったエピソードも含みます。

  • 私のこと

    月島自身のことを書いた記事です。

  • イラスト・漫画置き場

    一次創作のイラストや漫画を置く場所です。

最近の記事

僕らと命のプレリュード 第34話

 ある朝、深也は自室の掃除をしていた。 本棚の整理に取り掛かっていると、ぎゅうぎゅう詰めになった教科書の間から、冊子を1冊発見した。 昔小学校で配られた、不要になったプリントを半分に折って、白い面だけが見えるようにホチキスでとめられている。表紙には、子どもらしい崩れた字で「スーパーヒーロー」と書いてある。手作りの漫画が書かれた冊子だ。 「これ……まだ捨ててなかったんだ」  ひっくり返して背表紙を見ると、「やがわ よう」と平仮名で名前が記されている。 「陽……。こういう

    • 僕らと命のプレリュード 第33話

       中央支部に帰還した後、海奈と深也は花琳を医務室に連れて行き、そして談話室に向かって歩き出した。  2人で廊下を歩いていると、深也が不意に心配そうに、海奈に声をかけた。 「み、海奈、さ……泣いた?」 「え?」 「いや、さっき見た時、少し目が腫れてたから…………って、ご、ごめん。そんな所まで見てる僕、気持ち悪すぎ…………」  1人で肩を落とす深也を見て、海奈は慌てて首を横に振った。 「何言ってんだよ!大丈夫だって。深也は気持ち悪くないよ」 「っ……そ、そう、かな…

      • 僕らと命のプレリュード 第32話

         美鶴市にある噴水公園。本来であれば多くの人が穏やかな時間を過ごしているそこに、黒い肌で大きな体をした化け物がいた。その体の多くは脂肪で、顔には目が1つしかない。そして、敵の周りには、多くの人がぐったりとした様子で倒れている。 『相手のアビリティは『吸収』です!周囲の人の体力を奪って、自分のモノにする力です!体力を奪う攻撃に注意してください!』 「了解!」  体力を奪うとなると、迂闊に近づくのは危険だ。幸い、海奈も花琳も遠距離型だった。 「姉さん、相手に近づきすぎない

        • 僕らと命のプレリュード 第31話

           特部に保護されて以降、海奈と花琳は毎日のように特部の手伝いをして生活していた。 しかし、一度……司令室のモニターで、自分達と歳が変わらない銀髪の男子が、1人で高次元生物の相手をしているのを見た時、海奈の心にある思いが芽生え始めた。 (俺も……戦うことで、ここにいる人達の力になりたい)  海奈には分かっていた。自分達がしてる雑用は誰にでもできることであり 、自分達の肩身が狭くならないように、千秋が気を遣って与えてくれた仕事なのだと。いつまでも、そんな状態でいるの

        僕らと命のプレリュード 第34話

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          僕らと命のプレリュード 第30話

           ある朝、海奈が花琳と一緒に談話室に居ると、扉が開いて琴森がやって来た。 「海奈さん、少しいい?」 「どうかしたんですか?」 「中央支部に電話がかかってきたの。あなたのお母さんからみたいだけど……出られそう?」 「っ……母さん、から…………」  海奈の脳裏に、小さい頃に母から受けた仕打ちが蘇る。女の子らしくしろと怒鳴り散らされたこと。お前はいらないと殴られたこと。……包丁を向けられたこともあった。それこそ、先日の任務で高次元生物に見せられた幻のように。 (あんなこ

          僕らと命のプレリュード 第30話

          僕らと命のプレリュード 第29話

          「白雪君!」 花琳が駆け寄ってくるのを見て、白雪は立ち止まり笑顔を見せる。 「花琳、お花見のお誘いありがとう」 「う、うん!あ、あのね……もし良かったら、なんだけど……」 花琳は頬を赤くして、しばらく視線をさまよわせた後、白雪のことを真っ直ぐに見つめた。 「一緒に世間話しませんか……!」 花琳に勢いよく尋ねられ、白雪は首をこてんと傾げる。 「世間話?」 「うん!……あ、世間話っていうか、お花見しながらお喋りっていうか……」 「ああ……そのつもりだよ」 白雪

          僕らと命のプレリュード 第29話

          心が少し元気になれるノート術【自己流】

          こんばんは。月島です。 今回は、心を落ち着けたり、前向きになれるノートの書き方についてお話していこうと思います。 心の病気と数年間付き合ってきた私による自己流ノート術です。ノートと言うより日記に近いので、もしよろしければ、皆さんも気軽にトライしてみてください。 自分カウンセリングノート今回紹介するのは、「自分カウンセリングノート」です。 このノートを作るのはとても簡単で、 ①自分の感情や不安などをシャーペンなどで思いつくままに書く。 ②少し時間を置いてからノートを見

          心が少し元気になれるノート術【自己流】

          僕らと命のプレリュード 第28話

          西公園の桜の木の下に座りながら、花琳は傍らで美味しそうに団子を頬張る海奈と柊を見ていた。 (海奈、前より明るく笑うようになったな……) 妹の幸せそうな顔を見て、花琳もまた微笑む。 (勇気を出して家を出て、中央支部に来てよかった) 柊には言わなかったものの、花琳が家を出て特部に来た大きな理由は海奈だった。 海奈に対する母親の虐待は長い間続いており、自分達を守ってくれる父親も心を病んで家を出てしまったために、花琳は、ただボロボロの状態で泣いている

          僕らと命のプレリュード 第28話

          僕らと命のプレリュード 第27話

           一方、天ヶ原町郊外にある霊園で、白雪はある墓の前に佇んでいた。 「姉さん、久しぶり」  白雪はそう言って菊の花を飾る。空を見上げると、夕焼け色が辺りに広がり始めていた。近くの桜の木は満開で、花びらが散り始めている。 「……もうすぐ桜も終わりだね」  白雪は墓にむけて話しかけ続けた。 「……姉さん、僕、姉さんが目指した、みんなが笑顔でいられる世界にするために、命を懸けて戦うから。見守っていてね」  白雪は静かに微笑みながら、物言わぬ石に向かって口を開く。  ……

          僕らと命のプレリュード 第27話

          僕らと命のプレリュード 第26話

           聖夜は翔太と共に、住宅街を並んで歩いていた。 「そういえば、翔太って白雪さんと付き合い長いんだな」  聖夜がそう言うと、翔太は頷く。 「ああ。俺も白雪さんも、特部に入ったのは小学生の頃だからな」  翔太の言葉に、聖夜は目を丸くする。  先日、燕の病室へついて行った帰りにも、翔太が特部に入った経緯は聞いたものの、改めて小学生の頃から戦っていたと聞くと、その強さに尊敬せざるを得なかった。 「すごいな……戦ったりしたのか?」 「当然だ。……もちろん、年上に比べれば任

          僕らと命のプレリュード 第26話

          僕らと命のプレリュード 第25話

          天ヶ原町一の豪邸、北原邸。そのリビングに、白雪は訪れていた。 誰もいない、広く整った部屋。白雪が特部に入隊して以降は、特にリビングを使う人もおらず、まるで新築物件のモデルルームのような様子だ。 誰も使わなくても部屋が綺麗なままなのは、雇われている使用人達が一日たりとも掃除を欠かさないからである。 主のいない豪邸を毎日欠かさず整える彼らは、心の底から北原家を大切に思っている。しかし、いつからだろうか。白雪は、そのことに気づく余裕すら無くなっていた。 白雪は、リビ

          僕らと命のプレリュード 第25話

          僕らと命のプレリュード 第24話

           聖夜と翔太は本部に戻ると、談話室に向かった。  扉を開けると、花琳と深也が中央のテーブルの席に着いているのが目に入った。  花琳は聖夜と翔太に気がつくと、優しく目を細める。 「2人ともお帰りなさい」  翔太はそれに会釈して、花琳に向かって短く尋ねた。 「2人だけですか?」 「ええ。海奈と柊ちゃんは任務中みたいね」 「か、神奈川で戦ってるって……」 「そうか……」  少し表情を曇らせる翔太の様子を見て、花琳は小首を傾げる。 「何か用でもあったの?」  す

          僕らと命のプレリュード 第24話

          毎晩「ありがとう」を言い続けて9ヶ月。生きやすくなりました。

          2023年の9月末。人に対する恐怖が爆発して、学校に行くのが怖くてどうしようもなかった時のこと。ひすいこたろうさんという作家さんのYouTube「ひすいこたろうの名言セラピー」と出会い、動画内で「感謝」が意識に及ぼす影響、つまり「自分が見ている現実に及ぼす影響」の大きさについて知る機会がありました。 「意識が自分の世界を作っている。そして、その意識を高いレベルの「感謝している」状態にすることで、感謝したくなる出来事が引き寄せられてくる」 初めは半信半疑でしたが、どうしても

          毎晩「ありがとう」を言い続けて9ヶ月。生きやすくなりました。

          僕らと命のプレリュード 第23話

           影の高次元生物騒動から数日後、聖夜は、翔太と白雪と共に任務に出ていた。  場所は天ヶ原町住宅街。高次元生物は赤い肌をした人のような形をしていたが、体のいたるところに目がついており気味が悪い。 「イイイイ……!」  高次元生物が地面を殴ると、時間差で地面が揺れた。 『相手のアビリティは『地震』です!住宅街に大きな被害が出る前に討伐して下さい!』 「分かりました」  白雪は頷くと、聖夜に目配せする。 「聖夜君、頼むよ」 「はい!」  聖夜は地面に手を触れ集中し

          僕らと命のプレリュード 第23話

          僕らと命のプレリュード 第22話

           深也が目を覚ますと、医務室の時計は午後11時だった。  任務から戻ったのは夕方6時で、結局聖夜の腕の中で眠ってしまったため、実に5時間眠っていたことになる。 (うわ……こんなに寝てたんだ)  ゆっくりと身体を起こし、深也はベッドの上で大きく伸びをした。 (……今日は色々あったな)  目を閉じて今日のことを思い返し始めると、様々なことが頭を過ぎった。 (高次元生物と戦って、昔の自分に殺されかけて……それから……海奈に……)  ずっと好きだった彼女に、告白したこと

          僕らと命のプレリュード 第22話

          僕らと命のプレリュード 第21話

           影の生み出した世界が崩壊し、3人はもと居た天ヶ原駅前に戻ることができた。  海奈が空を見上げると、美しい夕焼けが広がっていた。どこまでも続く夕焼け空。彼女が今まで見た、どんな空よりも清々しく、綺麗だった。 「海奈!」  遠くから、他の任務に出ていた隊員たちが走ってくる。その先頭を走っていた花琳は、海奈に駆け寄るなり抱き締めた。 「海奈……無事で良かった…………」 「姉さん……俺……」 「分かってる。……決めたのね、海奈」 「……うん」  海奈は花琳の腕をほど

          僕らと命のプレリュード 第21話