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みんなでつくる面白さ ~ 朗 読 劇 ~

少し前に、講演会で聞いた話がとても印象に残っている。
リモートのコミュニケーションは脳機能を低下させる。
これには科学的根拠があるそうだ。

それに対するのは、アナログの対面的なコミュニケーション。
五感を使う、相手の気持ちを察する、熱意を伝えられるなど
リモートには無いものに溢れている。

その話を聞いた時に、すぐに「演劇」が頭に浮かんだ。

先日、企画開始から2ヶ月、キャスティング発表から1ヶ月
計5回の稽古を経て、朗読劇「夏の夜の夢2023」の発表会を終えた。
この作品は2009年に私が書き下ろした初めてのシェイクスピアの翻案。
当時のメンバーで、はとの家(卸町)で公演した思い出深く
思い入れのある作品。

【2009年の演出ノート】


メインビジュアル

今回は2024年11月の多賀城創建1300年の記念事業となる公演に向けての
準備・助走的な企画の第二弾。担当ディレクター・演出として
奮闘しました。

多賀城市民を中心とした一般の参加者メインでのクリエーション。
舞台経験のある人は数名しかおらず、年齢もバラバラ、但し各々異なる
ピカリと光る個性を持つ、そんなメンバーとの創作の日々でした。

週末の稽古風景

初回の読みの時に、座ったままだと台詞に「命」「エナジー」が
宿らない人が多い事に気づき、立ち上がり脚本を片手に動きながら
演じるスタイルに早々に切り替えました。
結果的に「立って動きまくる朗読劇」あるいは「脚本を持った演劇」
という形になりました。
私自身も「もはや朗読劇ではない。」と何度も口にしていました。

短い制作期間でしたが、最後の最後までこだわり抜いて作りました。
その姿勢は2009年と変わらず。
よくぞ、ついて来てくれました。いや、付き合ってくれました。

発表会の様子

この条件下で、今できるベストのパフォーマンスだったと思います。
改めまして、関わって下さった皆様、お疲れ様でした。

コロナ禍の閉塞感、制約から解き放たれた演者たちの
やり遂げた後の清々しい表情たるや。

ピカリと光る個性的なメンバーズ

やはり、これだな。

自分自身への気づき。
私の持つ稀有な熱量は、やはり演劇や創作の現場で最も純度が高く
活かされることを改めて認識しました。
その熱は人に伝播し、全体の意欲や雰囲気を押し上げる力を持っている。
今回のクリエーションで如実にそれを実感しました。


アナログの極み、そして総合芸術の演劇。
人間の普遍的な魅力や強さ/弱さを描くシェイクスピア作品。

今の私たちに、必要なものが詰まっている。

想像の力。創る、表す、感じる。本当のつながり。


私がプロデューサー/ディレクターとして携わっている
シェイクスピア・カンパニーは2024年11月に多賀城創建1300年の
記念事業の一つでシェイクスピアのロマンス劇『冬物語』の翻案作品を
一般市民の方々と一緒につくり、公演予定です。
一緒に“つくる”仲間との出会い・時間を楽しみにしております。


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