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無駄印のきびだんご

「桃太郎印のきびだんご」。おとぎ話の桃太郎のようにその団子を食べると、どんな動物でも瞬く間に人に懐いてしまう。ドラえもんのひみつ道具である。

作品中あまりにも動物たちの食いつきが異常だったり、人間にも有効な場合があるというのは、少しダークな設定に加えると急におそろしいブツだと気づく。

それに道具というよりは”食品(薬品?)”だし、未来の(ロボットテクノロジー)科学というよりは"化学”の進歩の賜物だろう。こいつを使うための法律は未来ではどうなってるんだろうか。

さて、そんな怪しいひみつに溢れた未来はやって来るのかはだれもわからないけど、もし類似商品が出るとすれば「無駄印のきびだんご」がほしい。

何かを懐かせるというより、桃太郎が犬猿雉を仲間として引き連れ鬼ヶ島へと向かったように、波長の合う人を引き寄せ、ゆるやかな盃を交わすためのきびだんご。で、ゴールのないままに「無駄とは」をうだうだ考えていけるようなグルーヴを生めたらいい。

未来に向かってどんどん無駄が省かれていく。感覚がともわない、競争を出し抜くための情報ばかりを摂取しながら、人間が人間の皮をかぶったAIへと進化を迎えている。そんな錯覚に戸惑う現代で、無駄印のきびだんごを配りまわりたい。

そうだそうだ、「むだ時間とりもどしポンプ」は犬猿の仲のひみつ道具になりそうだよなあ。あ、雉だけノケモノにしちゃってごめんなさいね。


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