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私は何者か、番外編 a dozen 短歌 49


ゆっくりと考えてみるその意味を朝から肩で鶯の鳴く

れんげそうたんぽぽ雀の鉄砲うつし世ならん我も雑草

八重桜散りゆく空へ幾年の願ひも望みもとうに忘れた

花散って手品のようにひとがゆくタネも仕掛けも本当にないんだ

約束を違えうたた寝昼の虫退屈するより他はなしとか

その指の指切り以外に使い道ないのに黒いマニキュア怖し

春の雨濡れてもみたい睫毛から落ちる雫に逆さの世界

自転車漕ぐどこもかしこもサヨナラだびゅんびゅんなんのためか私

蓮子の芽の知らぬ間に伸び庭の甕星を眺めて跨いでみよか

小川なら流れてゆけよ春の宵じっとしている我の足濡らし

ソファあなたわたし春宵虫の音葉擦れ小糠雨ひと待ち顔

裏庭のスズメの鉄砲何狙う皆が寝ている早朝喪失


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