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ICF認定資格試験サンプル問題2 - SolutionsAcademy動画解説

こんにちは。ライフコーチのタクです。

あっという間に2024年も4月に入ってしまいましたね…! 北海道も春らしい晴れの日が続いていて、まだ桜が咲いたりはしていませんが、雪で真っ白だった景色にだんだん色がついてきております。

前回に引き続き、SolutionsAcademyの動画をまとめていきますね。
あくまで英語で発信されている内容をそのまま日本語で読めるようにしていくというコンセプトで、わかりやすさのための最低限の手直しだけをして、公平に、透明に、お届けしていきます。

題材にするのは、MCC, PCCコーチからなり、 2018年より累計1000人以上のICF資格申請のサポートを行ってきた実績のあるSolutionsAcademyという団体による動画です。こちらの動画シリーズです。

試験やサンプル問題について詳しくは、前回の記事をご覧ください。
それでは、早速いってみましょう。

こんな人に向けて書いていきます
・CEの受験準備中で、CEの対策がしたい。
・ICFコア・コンピテンシーや倫理規定について学びたい。
・ICFの規定するコーチの望ましい振る舞いについて具体的な知見を得たい。


サンプル問題Q2

ここから早速サンプル問題の2問目について、動画の内容をもとに考え方、解き方を解説していきます。

ICFのサンプル問題8個ありますが、動画では、それぞれがコンピテンシーの8項目にそれぞれ対応していると述べています。というわけで、以下にサンプル問題の拙訳と、一つ目のコンピテンシーを提示します。

サンプル問題2

クライアントは、職場のタスクを他のチームメンバーに委任することに苦労しています。前回のセッションで、クライアントは、自分たちが主導している重要なプロジェクトが予定より遅れていることを明かしました。コーチは、クライアントが他のチームメンバーにタスクを委任するための戦略を特定するのをサポートしました。次のセッションで、クライアントは次のように報告しました。「結局、すべてのタスクを自分で完了することにしました。それが時間通りに終わらせる唯一の方法でした。」コーチは、クライアントが委任する計画を実行しなかったことに失望しています。コーチは何をすべきでしょうか?

選択肢
1. 前回のセッションをその場でクライアントと一緒に振り返り、クライアントが計画を実行できるようサポートするためにどうすればよかったのかを特定する。
2. 一呼吸ついて、設定した計画を実行するかどうかの選択の責任はクライアント自身にあることを認識する。
3. コーチの失望はひとまず横に置いて、クライアントとの現在のセッションに集中する。今後のメンターコーチとのセッションでこの状況について考えることに決める。
4. クライアントがプロジェクトの期限を守ったことを褒めた上で、なぜクライアントがチームメンバーの成長をサポートできなかったのかを尋ねる。

ICFより引用(筆者訳)

コンピテンシー2

8つあるICFコア・コンピテンシーの2つ目をみてみましょう。動画では、サンプル問題2を解くためにはコンピテンシー2を確認するのが良いと述べられています。

コンピテンシー2.コーチングマインドを体現している
定義:開放的で、好奇心を持ち、柔軟性があり、クライアントを中心に据えた、思考態度を開発し、維持している

1. クライアント自身に選択の責任があることを認識している
2. コーチとして継続的な学習と能力開発を行なっている
3. 実践中のコーチングの振り返り能力を高めることで、自身のコーチングの質を高めている
4. 常に自身と他者の状況や文化の影響を意識しつつも、それに捉われないでいる
5. 自身の気づきとその場での直観を使ってクライアントに利益をもたらしている
6. 感情を整える能力を開発し、維持している
7. セッションに備え、精神的及び感情的な準備をしている
8. 必要に応じて外部情報のサポートを求めている

ICF Japanより引用

解き方と解答

動画では、PACTという考え方の方針を紹介しています。コーチとしての行動をこの方針にそって検討することで、試験では選択肢を選びやすくなると主張しています。

PACT
P:Partner with the client(パートナー関係)
A:Always act ethical(倫理規定の遵守)
C:Coach / Center the client(クライアントを中心としたコーチの役割)
T:Be transparent(透明性)

今回の問題2では、コンピテンシー2の定義にあるように、「クライアントを中心に据えた行動」ができているかが重要になります。

問題の解き方としては前回同様、選択肢の中から、良さそうな選択肢と悪そうな選択肢を二つずつに分け、その上で最善と最悪を決めていく解き方を推奨しています。

では、それぞれの選択肢を検討していきましょう。

この先を読むと解答がわかるので、まずは自分で解いてみたい場合は、以下を読み進める前に、ご自身で最善の選択肢、最悪の選択肢を選んでみてください。


まず動画では、選択肢2,3を良いほうの選択肢、選択肢1と4を悪い方の選択肢としています。それぞれの選択肢を見てみましょう。

1番は、前回のセッションを振り返るという行動をコーチが勝手に決めてしまっているので、コーチがクライアントの責任を奪っているように見えます。コーチがクライアントの代わりに意思決定をしてしまうのはコーチングではありません。

2番は、「クライアント自身に選択の責任がある」という部分に、コンピテンシーと全く同じ言葉遣いがされています。これがまさにコーチの仕事で、コンサルやベビーシッターではないので、セッションで何が起きるのかを決めるのは、コーチの仕事ではありません。このように考えると、2番が最善の行動といえます。

3番は、クライアントにとって何が良いのかの選択をコーチがしていないので、良い方の選択肢です。

4番は、「褒める」という行動は、クライアントを評価することになってしまいます。また、「なぜできなかったかを聞く」というのは欠点に立脚した行動であり、やはりコーチングとは呼べません。1番も良くありませんが、評価し、クライアントの責任も奪うという意味で、こちらが最悪の行動です。


みなさんは正解できましたか?腑に落ちない部分などは、ぜひ周りのコーチ仲間と話し合ってみてください。
というわけで、今回のnoteでは、サンプル問題2についてSolutionsAcademyの動画の内容をまとめました。

おわりに

ここからはまとめてみた感想や個人的な考えを述べていきます。

今回の動画では、2,3を良い方の選択肢として絞って、採取的には2を最善としていましたが、3についてはあまり解説が聞けませんでしたので、ちょっと私の考えも書いてみたいと思います。みなさんの意見と比べて、ぜひコメントなどいただければ嬉しいです。

2も3も、コーチの感情やコーチの意思決定を手放して今ここでセッションに臨んでいる行動に見えるのですが、違いは、3ではコーチがはっきりと失望を感じていて、それを「横に置いておく」という態度で扱っていることかなと思います。もちろんコーチも人間なので、残念に思ってしまうこともあると思いますし、それは全然悪いことではないと思います。しかし、3はその失望を抱えたまま意識しないようにしてセッションに臨むように見えるのに対し、2ではそれを深呼吸してうまく手放して、フラットな状態でクライアントに関わっている姿勢が見える気がします。

というわけで、2よりも3の方が、少し透明性に欠けるのかな?というふうに解釈しました。みなさんはどうでしょう?

ここまで読んでくださりありがとうございます!
私は無事に動画試験に受かり、CEを2024年5月の頭に受験予定です!無事合格できますように…

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*あくまで個人的な活動のため、お気づきの点、ご指摘などありましたらお知らせください。

それでは、また次の投稿でお会いしましょう~!🙌


今回登場したコア・コンピテンシーの解説noteはこちら:

💡ICF資格取得(ACC, PCCなど)のための翻訳サービスをやってます
https://ssttstt.notion.site/ICF-f58fb4f864894151a62aaf9ce51fe23d?pvs=4

💡ライフコーチングもクライアント募集中です!
https://www.notion.so/ssttstt/Taku-2ab9883440f843229818f16fa93a40dd


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