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ショートショート集

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【超ショートショート】雨

【超ショートショート】雨

夢の中に君が出てきた。

目が覚めた時、涙が一筋頬を伝っていて、

雨がしとしとと降っていた。

空も君を想って泣いているのだろうか。

———僕の記憶に残る君の笑顔は、
太陽みたいに明るくてまぶしいのに。

***

なんとなく、ふわりと浮かんだ物語。
実体験でも元気がない訳でもないのだけれど、ふと降ってきたので形にしてみました。

【ショートショート】満月の夜に

【ショートショート】満月の夜に

時刻は25時過ぎ。
大きな虫取り網を持って、ひとり山の上の公園に向かう僕は、どう考えても頭のおかしな奴だ。

「月が綺麗な日にあの公園の丘に登って、お月様捕まえられたらいいのにね」なんて、君が笑うから。

そんなの無理だよって言いながら、満月の日を調べて、網もふたつ用意して、密かに計画していたのに。

———どうして、君だけ先にそちら側へ行ってしまったの。

【ショートショート】8月の海が引き寄せたもの

【ショートショート】8月の海が引き寄せたもの

「海の向こうはあの世に繋がっているから、お盆に海に近づいてはいけない」と、母親に言われたことがあった。

———今日は8月15日。
僕は母の教えに反して、海辺で一人、膝を抱えて座っている。

本当に死者が海を渡ってこちらに帰って来るのなら、君にも会えるかもしれない、そんな馬鹿げたことを考えながら。

最期に病室で君が託してくれた手紙には、「私以外の誰かと幸せになって」なんて書かれていたけど。
そん

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【ショートショート】7月7日

【ショートショート】7月7日

———笹の葉さらさら、軒端に揺れる。
7月7日、今日は年に一度の七夕の日。

「蒼」

「何?」

「願い事何にした?」

「“大切な人たちが健康でいられますように”。
未桜は?」

「……私は、」

蒼がもう一度戻ってきますように。

「……やっぱり内緒」

「えー、何でだよ!教えてくれたっていいじゃん!」

「だって、天と地がひっくり返ったって叶わない願い事だもん」

「何だよそれ(笑)」

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【ショートショート/#夏の想い出note】儚く、淡く

【ショートショート/#夏の想い出note】儚く、淡く

———ドンッ。
少し離れた場所から、花火が打ち上がる音が聞こえる。

「先輩」

「んー?」

「今日って港の花火大会ですよね?何で私たちこんな時間まで残業してるんですっけ?」

「本来ならやらなくてもいい仕事を押し付けられた挙句断れない、お前のそのお人好しな性格のせいだな」

「そんなこと言いながら、先輩だって手伝ってくれてるじゃないですか」

「俺はまぁ、お前の教育係だし?」

「それ去年の話

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