見出し画像

2023年12月の本棚

12月に読んだマンガをまとめました。今年ももう終わり。


【完】隣のお姉さんが好き 4 / 藤近小梅(秋田書店)

隣に住むお姉さんは高校を卒業したら東京へ行ってしまう。離れたくない。でも心愛さんには夢を追いかけていてほしい。最後の映画鑑賞会。佑は初心に立ちかえり、自分の気持ちを伝える。一途な姿勢を貫き通した末に、少年の淡い初恋は終わり、始まる。

文句なしの締め方でした。やっぱり付き合って終わるのが一番ええですね。中学生男子が隣に住む女子高校生のお姉さんを好きになる。ただそれだけの話なのにこんなにも満足度高いまま終わるとは。描き下ろしの初デート回は必見です。望月ちゃんと雫姉などの脇役女子ズも好きでした。

ただ柏(千葉)と東京の距離感で遠距離恋愛になる!?とは思った。お互い忙しくもなるから隣に住んでるくらいじゃないとなかなか会えなくなる、ってのは分かるけどね。


ダンジョン飯 13 / 九井諒子(KADOKAWA)

人の欲望を喰らう悪魔・翼獅子と対峙したライオスが望んだ願い、それは「俺の考えた最強のモンスター」になることだった。

欲望のまま満たされ続ける悪魔と、欲望を持つが故に飢えや死を経験していく人間。翼獅子の始まりが「フラスコの中の小人」っぽくて良かった。

この巻には毎巻付いてたアンケートハガキがなくてショックだった。(誤って捨ててしまっただけかも)書い直すか〜…


【完】ダンジョン飯 14 / 九井諒子(KADOKAWA)

翼獅子に勝利し、迷宮は崩落。復活していく地上にて、ファリン蘇生のためにみんなでファリンのレッドドラゴン部分を食べまくることに。

パーティメンバーの今後についてやミスルン、シスルたちについても描かれながら、ライオスは「悪食王あくじきおう」として名乗りを上げる。ファリンの蘇生も成功し、ライオスは復活した大陸の王として、翼獅子の呪いを甘んじて受け入れながら幸せに暮らしましたとさ。

文句なしの大団円。死に際に翼獅子がライオスにかけた「一番の願いは叶わない」という呪いの結末がエピローグの中で明かされて大笑いした。

終始「食」をテーマに、シリアスとユーモアを織り交ぜながら、緻密に練り上げられたダンジョン攻略マンガ。大大大傑作です。

食は生の特権なり。あゝダンジョン飯。

1月からのTVアニメも劇場先行公開で3話まで?観て来ました。とても良い出来。マルシルのおかげでだいぶ場が持っているというか、ダンジョンコメディーとして仕上がっている感じでした。


【新】ファミレス行こ。 上 / 和山やま(KADOKAWA)

『カラオケ行こ。』の続編が満を持してコミックス化。

東京の大学に進学した聡実くんがアルバイトとして働く深夜のファミレスを舞台に、導かれし者たちの運命が絡み合う。その中にはあの夏を共に過ごしたヤクザもいて…。

聡実と狂児の関係が地味ながらも進展していてかなり尊い。絶対に他人が介入できないほどにはガッチリと信頼し合っている。これもう一生連むやろ。

『カラオケ行こ!』の映画も楽しみです。


【新】一二三四イーアルサンスーキョンシーちゃん 1 / つのさめ(世界文化社)

11歳の誕生日に上海の父親からクール便で送られてきた蟹…とキョンシー。物静かな小学生・おさなとハイテク(?)キョンシー・山田の奇妙な同居生活が始まる。

ジャンル的にはシュールギャグコメディって感じ。山田がポンコツ可愛いし、おさなちゃんの髪型が良すぎる。(電子版のみの販売です)


【新・完】雨がしないこと 上・下 / オカヤイズミ(KADOKAWA)

恋を”しない”女性・花山雨と恋に振り回される人たちの群像劇。

「恋をしない」と決めてその通りに行動できるかと言われたらそんな自信はないけど、自分の人生に不要なもの、やりたくないものを選別することはとても有意義だと思った。「何が嫌か」を自覚すると人生結構ハッキリしたりするんだろうな。

上下巻を通して花山雨の人物像がほとんど何も掴めないまま終わるのも個人的には良い読後感でした。

「あいつ、どんな人で何してる人かもよく知らんけど、なんか会いたくなるんだよね」くらいの立ち位置で交友関係を築いていきたい。


【新】ようこそ!FACT(東京S区第2支部)へ 1 / 魚豊(小学館)

『ひゃくえむ。』『チ。』の魚豊先生最新作。

お金も学もなければ、思考も言動も何もかも痛い、底辺陰キャフリーターの主人公が、偶然自分を助けてくれた女性に恋をしたと思ったら、陰謀論者と接触して人生が始まっていく(?)物語。

なんかヤバいのが始まってしまった予感ッ!!


【新】じゃあ、あんたが作ってみろよ 1 / 谷口菜津子(ぶんか社)

大学時代から付き合い始め、6年目を迎える社会人カップルの勝男と鮎美。料理上手でいつも尽くしてくれる鮎美と結婚し、人生の次なるステージへ!とプロポーズをする勝男だったが、あっけなく玉砕。

一体自分の何がダメだったのか、頑固で価値観が昭和な勝男が「じゃあまず自分で自分が食べるご飯を作ってみるか、」という話。

何かと「食」をテーマに持って来がちな谷口菜津子先生の新作は、料理から始まる「自分アップデート」物語。一冊完結かと思って読んでいたら続き物で嬉しかった。人生、少しずつでも価値観を更新していくのはやはり大切です。


はぐちさん 10 / くらっぺ(祥伝社)

八千代の知り合いたちとグランピングに行ったり、フリマに出てみたり、宝物のような普通の毎日が今日も平和に続いていくことが何よりの喜びなのです。

もう10巻か〜、という気持ち。1巻が2016年11月だそうなので7年ですか。思えばこんなに毎年ちゃんと新刊が出てくれるような長寿作品になるとは思ってもいなかった(失礼)ので感慨深い。

これからも気がつけばそこにいてくれるはぐちさんでいてほしいです。


放課後ブルーモーメント 2 / 旗谷澄生(講談社)

夏休みの補習で出会った人たちとのかけがえのない時間。そんな日々を締めくくる夏休み最終日のお祭りで清登への気持ちをそれとなく伝える鈴だったが、彼の返事は想像していたものとは違っていて…。

男側の家庭環境に難ありのパターン。キラキラだった1巻から一気に少女漫画っぽくなってきた印象でした。悩む清登くんが鈴の方をもう一度向いてくれますように。


双影双書 3 / 舟本絵理歌(小学館)

皇太子暗殺を企てたのは冠星の実父、現皇帝だと判明。亡くなった皇后を蘇生させるために実の息子に手をかけた皇帝の思惑に勘付いた冠星は、宵と共に今一度強大な敵との戦いに臨む覚悟を決めるのだった。

皇帝の策略として結ぶことになった隣国の姫君との婚姻。このお姫様・翠燕すいえんがクールで、でも乙女なシーンもあってハチャメチャに可愛い。クーデレ(もはや死語かも)っぽい可愛さを表現するのって結構至難の業だと思うんですよ。

このマンガに(そういえば)圧倒的に不足していた「ヒロイン要素」がここに来て追加されたのも嬉しい誤算。廓で育った宵の徹底的な「尽くし体質」が思わぬ形で発揮されたのも良い感じだった。

ただ、3巻の売り上げに次第では4巻が紙で出ないかもしれない、とのこと。厳しいけどなんとか紙でも無事出てくれるよう祈っております。(紙電子両方購入マン)


【新】思春期姉弟 1 / みそくろ(ワニブックス)

双子の姉・みかげに軽く虐げられながら日々を過ごす内気な中学生の陽介は、変わりたいけど周囲の目も気になる、という思春期真っ盛り。

そんなある日、不可抗力で触ってしまったクラスのぽっちゃり女子・望月さんのお尻の感触が脳裏に焼き付いてしまい…。一方の姉のみかげは、クラスの担任教師に密かに憧れを抱く。思春期姉弟のフェチに目覚め始める生々初々しい成長物語

授業にタブレットが導入されていたり、女子にスラックスの選択肢があったり、現代チックな描写も多く時代を感じた。弟より姉の方がだいぶ拗れそうで楽しみ。


【完】ココロのプログラム 4 / 中村ひなた(集英社)

高校生になり、いちこと過ごす残りの時間は日に日に少なくなっていく。ロボットのホームステイ期間は決まっていて、それが終わると記憶も削除される。辛い現実を突きつけられてもなおいちこへの想いを拭い去れない九は。

九がもう少し動くキャラだったら読後感も違ったかな、という印象でした。全体的に無情感というか、もちろん登場人物たちはあれこれ考えて葛藤するんだけど、どうにもならないまま時間が流れて行ってしまう虚しさが作品の魅力の一つになっていたかも。

兎にも角にも連載お疲れ様でした。


【完】サクラ、サク。 9 / 咲坂伊緒(集英社)

『ストロボエッジ(全10巻)』、『アオハライド(全13巻)』『思い、思われ、ふり、ふられ(全12巻)』に続く咲坂伊緒長編4作目が完結。

一番サクッと終わった感はありますが、終わりよければ全て良し、です。咲が井竜くんに全然なびくことなく終わってくれ本当によかった。


【完】ごくちゅう! 4 / こんぱる&ふじしまペポ・草下シンヤ・雨宮(講談社)

全員出所して完結!お勤めご苦労様でした!描かれていないだけで全員また捕まったりしていても全然おかしくない雰囲気なのがまた面白い。

捕まらないのが一番だけど、万が一捕まることがあったら参考にしようと思える獄中あるあるマンガでした。


【完】るるひかる-Vampire Memories- 3 / 今村翠(新潮社)

かつて吸血鬼と呼ばれた特異体質「摂血種」と宣告された小川るるは、血で伝統工芸を受け継ぐ「記憶伝承士」のエドと出会う。

彼の助手として働くことになったるるは、命を懸けて伝統を繋ぐ人たちの想いと向き合っていくが……ある日、エドが抱えた壮絶な過去を知ることになり――!? 血で想いを繋ぐクラフト・ファンタジー最終巻。


ラーメン赤猫 6 / アンギャマン(集英社)

ジャンプアニメ化決定作品その1。今月はジャンプフェスタが開催された関係で、ジャンプ系作品のアニメ化発表が相次ぎました。その中でも一番驚いた&嬉しかったのがこれです。

インディーズ連載から始まり、今でもはもう確固たる人気を獲得している出世作。6巻はジャンプラ掲載当初から好きだったサブちゃんとジュエルがガチ喧嘩する回が収録されています。


アオのハコ 13 / 三浦糀(集英社)

ジャンプアニメ化決定作品その2。千夏先輩がCV:上田麗奈さんで震えています。

一部友人たちを除き、周りには秘密で付き合い始めた大喜と千夏先輩。千夏先輩の何とも言えない距離感の「デレ」が最高。そしていよいよ雛ちゃんが滑り台になってしまい、満面の笑顔が逆に辛かった…


株式会社マジルミエ 10 / 岩田雪花・青木裕(集英社)

ジャンプアニメ化決定作品その3。巻数は十分あるけど、アニメ化されるほど人気だったとは…!(失礼)

規制緩和派に嵌められる形で解体となってしまった株式会社マジルミエ。重本社長は罪を被る形で身柄を拘束され、カナたち社員も散り散りに。

そんな中、水面下で新魔法少女会社設立のために動いていたカナを中心に再び皆が集結。社長は無事なのか、裏切り者は誰なのか、巻き返しの第2章開幕!


ダンダダン 12 / 龍幸伸(集英社)

ジャンプアニメ化決定作品その4(告知自体は少し前にあったかも)。もはや遅すぎるくらいですが、サイエンスSARU制作で豪華アニメ化。ぐわんぐわん動く迫力あるやつ期待してます。

ここ数巻脳が物語について行けていないけど、バモラの過去は壮絶だった。


氷の城壁 7 / 阿賀沢紅茶(集英社)

ミナトへの気持ちを自覚しつつあるこゆん。それをヨータには言っちゃうあたり狡い展開。美姫は美姫でヨータからの矢印に気づいてしまい…。今の関係を「壊したくない」と「進展させたい」が4人の中でそれぞれにせめぎ合っていく。


一ノ瀬家の大罪 5 / タイザン5(集英社)

颯太の疑似家族編的なパート。唐突に出てきた女子供は誰や… 一ノ瀬家の大罪に関わってくるんか… 3月に出る最終6巻で手のひら返させてくれ…


ウィッチウォッチ 14 / 篠原健太(集英社)

告白日和が一転して災いの日に。4人の黒魔女ウォーロックとそれぞれ対峙するミハル、カンシ、ケイゴ、モリヒト。ニコを護る使い魔たちの激しいバトルが繰り広げられる。

ジャンプ式の各所で一対一で戦うやつで楽しい。シリアスながら上手くバランスを取って一冊丸々バトルシーンでまとめられているのは流石でした。ケイゴ回が最高。


あかね噺 9 / 末永裕樹・馬上鷹将(集英社)

四人会参加者選考会の結果発表と、二ツ目へのスピード昇進を目指す次なる展開。

あかね視点だと、とにかく頼みの人たちにアタックして道をこじ開けていく感じはジャンプ的で良いけど、どんどん増えていくキャラクターの扱いが今後難しくなっていきそう。ぐりこ兄さんの話とかで本筋がストップしたりでもしたら読む気失せる自信がある。


チェンソーマン 16 / 藤本タツキ(集英社)

アサが赤いチェンソーマンを助けることでヨルが黒いチェンソーマンと戦うことができると言う。

普通の生活を送りたいけどチヤホヤもされたいデンジを他所に、世間の支持を得ていくアサだったが…!?教会と公安に板挟みにされるデンジの運命や如何に。

なんかもう、デンジが「めんどくせ〜!!!」ってなって暴れ回ってくれないかなと思いながら読んでます。


ショーハショーテン! 6 / 浅倉秋成・小畑健(集英社)

笑-1グランプリ本選が遂に開始。普通なら最悪と言える「トップバッター」を掴んでしまった「ガラスの靴が割れた」の二人に、学生ならではのバックグラウンドがあるのは読み応えあって面白かった。トップバッターが優勝する展開だと熱すぎる。

「ぶるーたす」の泥谷が何やらよからぬ悪事を働きそうな嫌な展開だけど、笑いで全部吹き飛ばしてほしい。


光が死んだ夏 4 / モクモクれん(KADOKAWA)

ヒカルの正体を探る中で、徐々に浮き彫りになるクビタチ村の不気味な歴史。それと同時に、明らかに異質な存在たちがヒカルとよしきたちの周りに現れ始める。依然不穏な空気しか漂っていない怪作。ストレートに怖いやつが出てきだして怖い。


だれでも抱けるキミが好き 2 / 武田スーパー(講談社)

昨日セックスしたアガワさんは、今日は犬飼先輩とセックスすると言う。ヤリチンの先輩の元には行ってほしくない。でも自分にアガワさんを引き止める権利もなければ、結局自分もやっていることは犬飼先輩たちと同じで、何が正解かわからない。わからないまま進んでいく物語。

あくまで「身体ではなく心が通じ合う付き合い方」を望むゴトーにとって、自分自身の理想と劣情の狭間で揺れる言動は、アガワさんとの心の乖離を生み出していく。

犬飼先輩の独特すぎる行動原理と電車内で出てきた「バキバキ童貞」ことぐんぴぃさん似のモブには笑った。


ババンババンバンバンパイア 6 / 奥嶋ひろまさ(秋田書店)

蘭丸と長可はの吸血鬼兄弟対決は、長可の自滅で決着し、長可は李仁くん家の銭湯裏のアパートに引っ越してきた。どうやらヤマンバに恋したらしい。

蘭丸はと言うと、元々向いている葵ちゃんからの矢印を自分に向けさせることで李仁くんの貞操を死守しようと動き出す。

全ての矢印が良からぬ方向に入り乱れる変態バンパイアカオスラブコメ。面白いけど最高にくだらない。


ブレス 4 / 園山ゆきの(講談社)

アイアが自分の言葉で「メイクアップアーティスト」への夢を語る。ストーリーの幕間的な部分で、改めて読者にキャラクターたちの立ち位置を示してくれたような内容だった。巻末の炭崎さんの両親の話で泣いた。


戦車椅子 -TANK CHAIR- 5 / やしろ学(講談社)

脳内の無意識領域”超心的空間”で先生と一つになり、眠るナギを復活させるべく動くシズカとユウリ。そのためには先生とナギの精神を分離させる必要があるが、上手くいくかは未知数。おまけに「先生だけを復活させたい」派や「先生を復活させるくらいならナギ共々封印されたままでいい」派の登場で島内は混沌を極める。


最果てのソルテ 3 / 水上悟志(マッグガーデン)

死んだ両親と再会するため「死者の国」を目指す冒険者ソルテ、2周目の旅をする妖精セレン、不死身の王子フィロ、モグラの姿をしたソルテの叔父ブラック。霊宝宮殿で待ち受ける、トラップや追っ手の数々を潜り抜け、魔界を突き進む異世界(?)冒険ファンタジー。


愛してるゲームを終わらせたい 5 / 堂本裕貴(小学館)

3日間の疑似恋人とかいう意味不明な勝負をする二人。ゆきやの願望がバカキショかった。早く付き合えばいいんじゃないですかねぇ…


ギャルがシルバニアファミリーを溺愛したら。#ギャルバニア 2 / 岡野く仔(講談社)

シルバニアを溺愛する女子高生たちを中心に描かれる推しへの惜しみない愛の物語。家族のいざこざも不器用な先生たちの恋路も全部シルバニアを愛する気持ちが解決してくれるのが面白い。いやそうはならんやろがい。


ゆびさきと恋々 10 / 森下suu(講談社)

ようやく同棲スタート。桜志のことはマジでどうでいいから早くフェードアウトしてほしいけど、同棲先のマンションで逸臣さんの関係者が現れ新展開に。


クジャクのダンス、誰が見た? 4 / 浅見理都(講談社)

亡くなった父やラーメン屋のおっちゃんが掴んでいた情報、東賀山事件の真相、何かわかりそうで何もわからないまま進む話は面白いんだけど大変もどかしい。あと何巻くらい出るのかな。


ハマる男に蹴りたい女 5 / 天沢アキ(講談社)

お互い惹かれ合いつつも、それぞれの生活にも目を向かなければいけない。設楽さんは再就職をしたものの、以前のように働けないことに戸惑い、おまけに下宿の管理人のおばあちゃんも職場復帰。自分の居場所と見失い、心のバランスを崩して失踪。

いっつも『ハマる男”と”蹴りたい女』と間違えてしまう。


ダブル 5 / 野田彩子(小学館)

約2年半ぶりの新刊。元々結構とっつきにくい内容ではあるけど、ほとんど何も覚えてなかった。多家良の頭がおかしいことだけはわかった。あいつは常人にはついていけない。


花園に幹が立つ 2 / 野澤佑季恵(KADOKAWA)

共学化した元お嬢様学校に特待生として入学した唯一の男子生徒が主人公のハルタ産純情ハーレムマンガ。

2巻も艶かしくて非常に良かった。恋した女の子のノンストップな言動は最高。走り出したら止まらない。


金色のガッシュ!!2 3 / 雷句誠(クラーケンコミックス)

強靭な肉体を手に入れたティオさんが目印の第3巻。敵の存在や真意はまだ謎しかないけど、かつて共に戦った仲間たちが再会していくだけで目から汗が噴き出る。次回はブラゴかな。


サンダー3 5 / 池田祐輝(講談社)

スモール3の三人組が遅れて飛び出て漸く渋谷に見参。当然無双するんだけど、三人組も手探りで戦うのでそこまで圧倒するわけでもなく。

敵の母艦内で妹と再会するも…!?というところで次回へ続く。現実世界にあっさり侵入されたりしてたのは今後に響いてくるのかな。


葬送のフリーレン 12 / 山田鐘人・アベツカサ(小学館)

アニメも超絶好調なフリーレンの最新12巻。

女神の石碑に触れ、過去に戻ってしまったフリーレン。そこでヒンメルたちと現代に戻るために再び冒険する、という最終盤みたいな展開。フリーレン自身の能力は現代基準なのでいつも以上に俺TUEEE成分強めだった。


The JOJO Lands 2 / 荒木飛呂彦(集英社)

ダイヤモンドを手に入れるために露伴邸に侵入したジョディオたち。しかしその"ダイヤモンドは盗めない"代物だった!真のキーアイテムはダイヤと共に保管されていた溶岩の欠片。これがジョディオを富豪へと導く「仕組み」だと露伴は言う。

謎だらけの物語は、進むにつれてさらなる謎を孕んでいく。何もわからないけど面白〜。


ダイヤモンドの功罪 4 / 平井大橋(集英社)

祝「このマンガがすごい!2024」オトコ編1位。U12日本代表決勝戦の意外な幕切れとその後に綾瀬川に襲いかかる周囲からの更なる期待の視線。

大いなる才能と純粋すぎる人間性を持ち合わせつつも、自分の息子のそばには置いておけないと自身の野球塾入りを断った監督の決断はとても責められない。小学生編の終わりも近づく中で、これから先の途方もない野球人生を綾瀬川はどう歩んでいくのか。見てるこっちの足が竦見そうな思いです。


ウマ娘 シンデレラグレイ 13 / 久住太陽・杉浦理史ほか(集英社)

マイルCSでバンブーメモリーをハナ差で下したオグリキャップは、続くジャパンカップで再び国内外の猛者たちと激突。

前回はオベイユアマスターの徹底的な情報戦略の前に苦汁を飲まされたが、世界の壁への再挑戦でオグリキャップはどんな走りを見せてくれるのか。


少年のアビス 15 / 峰山りょう(集英社)

流石にこれは死んだろ…っていう展開の連続なのに、誰も死なないのは「死は決して救いではない」っていうメッセージなんだろうな。知らんけど。柴ちゃん先生が何度目かの吹っ切れを見せてくれて、深淵なりに良い方向に進むかなと思わせておいてのナギとの再会。もうダメだ。


カモのネギには毒がある 加茂教授の人間経済学講義 6 / 甲斐谷忍・夏原武(集英社)

次なるテーマは「地方創生」。アルゼンチンと日本の未来の姿を重ねるという導入から岡山県の市町村をカモにする悪徳コンサルとの対決。

今回は後輩のサポートという形だけど加茂教授がどう仕掛けていくのか楽しみ。「人をカモるヤツは徹底的にカモり倒す」それが加茂教授のやり方だ。

リンゲルマン効果:人は集団になると無意識に手を抜き、一人で作業するよりも発揮する力が減少するという現象。

ニーズィーとリストの実験:保育園でお迎えに遅刻して来た親に罰金を導入した時、遅刻はかえって増えたという実験。「金」が発生することで「行動」の意味が変わるというケースの例。

バンドワゴン効果:ある選択肢が多数の人に支持されていることで、その選択肢がさらに支持されやすくなる現象。

スノッブ効果:多数の人に支持されている選択肢に対して「人と同じものは嫌だ」と別の選択肢を支持しようとする現象。

6巻で登場した行動経済学的ワード


花は咲く、修羅の如く 6 / 武田綾乃・むっしゅ(集英社)

いよいよ京都大会が始まった。そういえば、6巻まで勧誘特訓特訓特訓脱線特訓みたいな日々だった。

瀬太郎の回が特に好き。ある意味一番読者の立場に近い気がするし。誰も自分に興味ないとは分かっていても、あんな人前で朗読なんか死んでも無理だ…


百姓貴族 8 / 荒川弘(新書館)

アニメ化のネタと編集長を交えての北海道取材旅行の回がメイン。肥溜めに犬が落ちるネタはめちゃくちゃ笑ったし、近年本州でも何かと話題になっていた熊のネタとかも興味深かった。

『百姓貴族』はコミックエッセイとしての満足度が本当に高い。エッセイ特有の盛られたエピソードの底にある下心みたいなのが薄い、というか開き直ってオープンに大袈裟に描くからスカッとするというか。そんな感じ。


誰も知らんがな 2 / サライネス(講談社)

姉弟でオンボロ旅館経営していくホームコメディの第2巻。

長女サリィの元夫がひょっこり現れたり温泉が沸いたり、だいぶてんやわんやしていていますがなんやかんや順調そうです。


ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ 6 / ナガノ(講談社)

社会現象を通り越して社会インフラのような存在となったちいかわたちの日常。人気の「寄生」や多めのシーサーメイン回、なんか湧きがちな回の数々、中編「拾魔編」などを収録。島編が収録されるのは再来年くらいかなぁ…

6巻収録のショートで一番好きな回🤏


最果てのセレナード 2 / ひの宙子(講談社)

10年前に秘密を持ったまま、同窓会に参加した律は当時の担任教師から小夜の母親の死についての関わりを示唆される。率の職場の上司にも探りを入れられながら物語は最悪の方向へ。

律の小夜への歪んだ感情と、小夜の不気味で底が見えないような言動がもう気持ち悪くて堪らない。後頭部がズキズキする。


正反対なわたしたち 2 / 夏奈ほの(一迅社)

大型犬を飼っている女性と小型犬を飼っている男性のほんわかラブコメ。新キャラも犬とセットで出てくるんだ。そりゃそうか。


いとなみいとなめず 9 / 水瀬マユ(双葉社)

いとなみいとなみたい澄といとなみいとなみたいけどいとなみたくない清。清の優しさ故とはいえ幼稚な言動に怒りと呆れを覚えた澄は堪らず家を飛び出してしまう。それぞれ最愛の人が隣にいない夜を過ごし、向き合い方を考える。

これはどう考えても清が悪い。一日で仲直りできて良かった。次巻は(多分)いとなみいとなんで最終巻!


スーパースターを唄って。 2 / 薄場圭(小学館)

雪人とメイジの出会い、桜子の切実な生き様、ページの半分以上を占める過去編が辛くも熱く読み応えあった。

桜子の存在だけが雪人にとって、どん底の人生を生きる唯一の意味で、その最愛の姉を亡くした今の雪人にあるものは。

雑記

以上、12月に読んだマンガたちでした。

今月はジャンプ系作品の怒涛のアニメ化発表からの「このマンガがすごい!」発表、『ダンジョン飯』『隣のお姉さんが好き』完結、『ファミレス行こ。』発売あたりがハイライトでしょうか。

個人的には久しぶりにゲームやりたい欲が発生してしまい、一月を通してはあまり読む時間を作れなかったのが心残り。やはりゲームはほどほどに。

それにしても一年が早すぎる。まだせいぜい5月くらいの気持ちなんですけど。

今月から連載が始まった『周回するわたしたち』。「このマンガがすごい!2024」オンナ編1位を獲得した『うみべのストーブ』の大白小蟹先生の新連載ということで、非常に楽しみにしておりましたが、その中のワンシーンが今の時期的にあまりにも刺さったので引用させてもらいます。

『周回するわたしたち』1話/大白小蟹(CINRA)

「人生グラウンド理論」これは確かに言い得て妙な感じです。どんどん一年を周回する距離が短くなっている。

こう、自分を俯瞰してみた時に、抗えない何か大きな流れの中にいるような感覚があります。

現在2話まで公開中なので是非読んでみてください。

今年も一年の総決算的なやつを書いていますのでよろしければそっちも見てみてください。


この記事が参加している募集

マンガ感想文

わたしの本棚

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?