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2023年の本棚

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本棚マンガ大賞2023【2023年の本棚まとめ】

今年もこの季節がやってきました。1年の振り返り。 2023年、我が家の本棚を彩ってくれた作品たちに贈る私的マンガ賞「本棚マンガ大賞2023」です。 一応、対象は「2023年中に単行本が一冊でも出た作品」ということにします。殿堂入り作品は除きますが、過去のランキングに入った作品とかは特に縛りなしで。 今年は部門分けとかはせずに、新作も完結作も全部ごちゃまぜの「今年読んだマンガで好きだった作品TOP30」を載せたいと思います。 我ながらランキング形式で30冊ってまぁまぁ多

2023年12月の本棚

12月に読んだマンガをまとめました。今年ももう終わり。 ▲ ▲ 【完】隣のお姉さんが好き 4 / 藤近小梅(秋田書店) 隣に住むお姉さんは高校を卒業したら東京へ行ってしまう。離れたくない。でも心愛さんには夢を追いかけていてほしい。最後の映画鑑賞会。佑は初心に立ちかえり、自分の気持ちを伝える。一途な姿勢を貫き通した末に、少年の淡い初恋は終わり、始まる。 文句なしの締め方でした。やっぱり付き合って終わるのが一番ええですね。中学生男子が隣に住む女子高校生のお姉さんを好きに

2023年11月の本棚

11月に読んだマンガをまとめました。 【新】君と宇宙を歩くために 1 / 泥ノ田犬彦(講談社) 勉強もバイトも続かない小林くんのクラスに、変わり者の宇野くんが転校してくるところから物語は始まる。 宇野くんは立て続けに話しかけられると混乱してしまったり、同時に複数のことをできなかったり、学校生活で求められる「普通」がちょっと苦手。それでも自分なりに工夫しながら頑張る健気な奴。 そんな宇野くんに共鳴するように、小林くんの日常も少しずつ変化していく。「普通」ができない二人の

2023年10月の本棚

10月に読んだマンガをまとめました。 【完】東京ヒゴロ 3 / 松本大洋(小学館) 雨降る夜道を歩いてきた男に訪れる夜明けの時。創作にかかわる人たちの苦悩や葛藤、そして並々ならぬ情熱と愛が「漫画」という名の結晶となる。 この世に無数に存在する漫画一冊一冊を、死に物狂いで創っている人たちがいる。塩澤さんもその中の一人で。2巻の表紙の「リンゴ」も良かったけど、この最終巻の「傘」も本当に妙。立てられたいくつもの傘の中に塩澤さんのものがある。それが嬉しい。 作品の根底に何層に

2023年9月の本棚

9月に読んだマンガをまとめていきます。 ゆうやけトリップ 2 / ともひ(芳文社) 新聞部員の茜は町の心霊スポット取材を通して、仲良しの雨村さんと二人だけの放課後を過ごしていく。ノスタルジックほんわかホラー。 怪談の正体はどれも単なる枯れ尾花ですが、それがそうだとわかった後に流れる優しい時間や消えてなくなってしまいそうな町の情景、二人の心地良い会話、いつまでも読んでいたい。 約2年半ぶりの待ちに待っていた新刊。1巻と比べてだいぶ分厚かった(1巻137ページ、2巻201

2023年8月の本棚

8月に読んだマンガをまとめていきます。 【新】8月31日のロングサマー 1 / 伊藤一角(講談社) 高校2年生の鈴木くんと高木さんは「8月31日」を繰り返している。その原因を自分が夏休みにやり残した「彼女を作って童貞を捨てる」という目標かもしれないと考えた鈴木くんは、高木さんに”とある提案”をするが──。繰り返す「8月31日」の日々の中で二人だけの時間が流れるエンドレスエイトラブコメ。 夏休みループの設定自体は、もはや夏の定番と化していて真新しさは薄いけど、この設定が二

2023年7月の本棚

7月に読んだマンガをまとめていきます。 【新】氷の城壁 1・2 / 阿賀沢紅茶(集英社) 中学時代の経験から高校では誰ともつるまない氷のような存在として過ごしていた氷川小雪(通称こゆん)、幼なじみでクラスの人気者の美姫、妙にグイグイ来る陽キャ男子・雨宮湊、その友人でのんびり優しい長身男子・日野陽太。4人を軸に学生時代特有の人間関係の綾を丁寧に描いた傑作。 『正反対な君と僕』の阿賀沢紅茶先生伝説の名作(伝説って?)が多分多くの声を受けてフルカラーのまま待望の単行本化。読ん

2023年6月の本棚

6月に読んだマンガをまとめていきます。 【新】ダイヤモンドの功罪 1 / 平井大橋(集英社) 類稀な運動神経を持つ主人公の綾瀬川次郎。本人はただみんなと楽しみたいだけなのに、どのスポーツを始めてもその天才ぶりが否応なく発揮され、孤立してしまうことに悩んでいた。そんな彼が小学5年生で出会ったスポーツは「野球」。楽しむことに重きを置いた弱小少年野球チームに入った綾瀬川だったが、そこでもまた、己の才能が周囲の人間を狂わせていくーー。 望まない境遇に嘆く天才の孤独と怒り。同年代

2023年5月の本棚

5月に読んだマンガをまとめました。 うめともものふつうの暮らし 1~6 / 藤沢カミヤ(竹書房) 竹書房のWEBコミックサイト「ストーリアダッシュ」にて更新中の猫っぽい姉妹うめとももの和やかな「ふつうの暮らし」を描いた作品。 『家が好きな人』の井田千秋先生とコラボ漫画掲載ということで、この度遅ればせながら6巻まとめて読みました。大正解すぎました。恋愛ものやギャグもの以外で、読んでいる最中にこんなにも終始口元が緩むことなんて今までなかったです。全ページ余す所なく微笑ましい

2023年4月の本棚

4月に読んだマンガをまとめました。 今月からちょっと仕様を変えてみました。 これ描いて死ね 3 / とよ田みのる(小学館) 祝マンガ大賞2023受賞。初コミティアを終え、次なる漫画制作に向けた日々を過ごす相たち漫研メンバー。島探検やSNSでの4コマ発信、文化祭出展、毎日の経験すべてが創作への道標。 藤森姉妹の愛情にホロリとさせられたり、石龍さんと赤福の不思議な友情に心揺さぶられたり、今回も大大大満足。『この世の90%はカスである』という言葉を頭の隅に置きつつ、赤福のよう

2023年3月の本棚

3月に読んだマンガをまとめました。 ニャリウッド! 1 映画大好きマズルカちゃん / 杉谷庄吾・プロダクショングッドブック(KADOKAWA) 終わらない「ポンポさん」シリーズ。今回はニャカデミー賞カメラマン・マズルカちゃんが主人公。 退屈な毎日を過ごす中、しがない路上ミュージシャンのビビと出会ったマズルカは彼女の歌に光を見出し、共にポンポさんの元へ向かう。脚本も手掛けたいマズルカ、プロのミュージシャンを目指すビビ、創作に対する登場人物たちの狂気に満ちた衝動が、再び最高

2023年2月の本棚

2月に読んだマンガをまとめました。 家が好きな人 / 井田千秋(実業之日本社) イラストレーターの井田千秋さんが過去に出版された同人誌をベースに描かれたコミック&イラスト集。ベースになった同人誌をはじめ、過去のエッセイ&イラスト集なども所有している身としてとても楽しみにしていた一冊。特製マグカップ付きの限定版を購入させていただきました。 作中に描かれる5軒の家とそこに住む人の関係に、それぞれのカラーが表れていて、一気に読むのが勿体なくて仕方がなかったです。自分だけの住処

2023年1月の本棚

あけましておめでとうございました。 2023年1月に読んだマンガをまとめていきます。 ウィッチウォッチ 9 / 篠原健太(集英社) 心待ちにしていたモモチこと倉持桃が登場。登場の仕方があまりにも唐突で笑った。8割が思春期男子で構成されるモイちゃんハウスに年上豊満瞬間移動お姉さん魔女が来たとなったらそりゃもう、もうですよ…!! 本筋はもう気にしてないので今のノリでずっと続いてほしい。本誌の方では連載2周年記念で『SKET DANCE』とコラボが決定!これは買うしかない。