長沼直樹

作家/新刊『最近、地球が暑くてクマってます。』『人生はニャンとかなる!』シリーズなど。…

長沼直樹

作家/新刊『最近、地球が暑くてクマってます。』『人生はニャンとかなる!』シリーズなど。環境問題のことなどを書いていきます。

最近の記事

おっさん暴走族はなぜ走るのか? 脱炭素社会の暴走族を真面目に考える

デイリー新潮の「おっさん暴走族」という記事を読みました。30代、40代のいい歳をしたおっさんたちが、今だに暴走族をしていて困ったものだという内容でした。 彼らを「モラルが低い人たちだ」と批判するのは簡単なのですが、冷静に立ち返って、ちゃんと考えてみる必要があると思います。「一体、彼らを暴走させているものは何なのか?」と。 私は、彼らを走らせているのは「モラルの低さ」ではなく、「価値観」なのだと思うのです。それはどういう価値観かというと・・・20世紀、世界で資本主義経済が大

    • 『夢をかなえるゾウ0』の教え"伏線力"とプロレスラー

      水野敬也さんの新作『夢をかなえるゾウ0(ゼロ)』が発売された。 この作品の中で、私が大好きなガネーシャの教えが登場する。 それは「過去の出来事を "伏線だ" と捉える」という教えだ。 どういうことかと説明すると「過去に経験した出来事を、これから起こす行動の理由付けにしていく」というものだ。例えるならば、人生の過去の出来事を「星」に見立てて、その点と点のつながりを(無理くりにでも)見つけて「星座」を描くということだ。 私は、この「伏線力」というべきものは、人生を生きる上で

      • グレタさんについて知っておきたい3つの顔

        グレタさんについて書くことは、難しい。 グレタさんを称賛すれば、「人間よりも地球を優先するのか」と思われるし、グレタさんを否定すれば、気候変動クラスタの人たちから「あなたは科学を信じないのか?」と抗議されるだろう。 そして地球温暖化についてよく知らない・無関心な人にとっても、グレタさんはすこぶる評判が悪い。「なんか怒った顔した女の子だよね。あの子、大丈夫なの?」という認識に留まっているのが実情だと思う。 世間的に認識されているグレタさんのイメージはこれだ。 2019年

        • OKストアの"意識低い"刺し身盛り合わせに隠された、ものすごい美意識

          まずはこの写真を見ていただきたいのですが…。 これは関東にて展開するスーパーマーケット、OKストアで売っている「刺し身盛り合わせ」です。さて、みなさんはどんな印象を抱かれたでしょうか? 「不揃い、見た目が悪い、ぐちゃぐちゃ、何の魚かわからん、自分で食べるには良いけど人には出せない、シールのアピールが必死・・・」etc. いろんな意見があると思いますが、"意識低い"というイメージは拭えないでしょう。祝いの席でこの刺し身が出てきたら「え・・・?」と誰しも思う事請け合いですし

        おっさん暴走族はなぜ走るのか? 脱炭素社会の暴走族を真面目に考える

          環境問題を語る人は"仙人"でなきゃダメなのか?

          環境問題を語るとき、必ず言われることについて書いていこう。 そもそも環境問題に関心がある人間は「意識高い系」と言われがちです。彼らの発言と普段の生活を照らし合わせて「あなたのやってるそれ、環境に悪いですよね。言ってることと矛盾してませんか?」とあげつらって批判されることがよくあります。 日本でも海外でもそれは共通のようで、気候変動の環境活動家、グレタ・トゥーンベリさんが国際会議に出席しようと、敢えて飛行機に乗らずヨットで大西洋を横断した際には「そのヨットを作るのに大量の温室

          環境問題を語る人は"仙人"でなきゃダメなのか?

          『天気の子』と『もののけ姫』が教えてくれる、日本人が地球温暖化に無関心な理由

          2021年8月、"地球温暖化"問題に関する科学報告書である「IPCC第6次報告書」の一部が公表されました。とはいえ、このニュースは一般にはほとんど知られていないので早速話を脱線します。 アニメ監督の新海誠さんが国連のインタビューで興味深いことを語っていました。 実は『天気の子』は、気候変動(=地球温暖化と同義)をテーマに内包した作品であり、海外での上映の後では、メディアの質問でも観客の感想でもほとんど「気候変動」のことが話題に上がったという。しかし、日本だけはそこに触れられ

          『天気の子』と『もののけ姫』が教えてくれる、日本人が地球温暖化に無関心な理由