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外国の方?からDMが来ました

 アナログおばさんだった私がスマホを使い始めてから2年半。最初は勝手がわからず困惑してばかりでしたが、このごろはだいぶ慣れてきたかなと思っています。
 SNSの使い方を覚えようと、半年ほど前から発信することにも挑戦中。拙い文章や写真でも、偶然誰かの目にとまり、何らかの反応をいただいたりするのは素朴に楽しいです。

 つい先日、Instagramで新規にフォローしてくださった方がいました。フォロワーがきわめて少ない私のインスタでは珍しいことです。嬉しいではないですか。
 ほどなくしてその方からダイレクトメッセージが届きました。「はじめまして、お元気ですか?」とあります。
 それを読んで、おや?と思いました。日本では普通、はじめましての人にお元気ですかなんて挨拶はしません。これはきっと外国の方が翻訳機能を使って書いているのでしょう。その時はとりあえずひとこと「よろしく」と返信しました。
 ところがまたすぐに連絡が来ました。淋しいのでしょうか。「お話ができてうれしい、あなたはどこに住んでいますか?」と聞いてきました。先方は交流を深めたがっているようですが、見ず知らずの人にこちらの居住地など教えたくはありません。「秘密です」とだけ答えました。
 すると更にメッセージが続きます。自分は大阪出身で自宅は米国にあり今は仕事の都合でイラクにいる、とのこと。そしてあなたはどこにいるの、と再び尋ねてきます。ずいぶんとしつこいので、この人とコミュニケーションを続けるのはイヤだな、と思いました。そして、「プライバシーに関する質問には答えません」とはっきり申しました。
 せっかくフォローしてくださったけれど、こういう人はブロックした方がいいかも。ええと、どうすればいいのかな?

 その方法を調べていたわずかな間に、その人のアカウントは跡形もなく消えてなくなっていました。

 向こうがこちらをブロックしたのか、それともアカウント自体を削除したのかわかりませんが、これはもう個人情報が目的だったのだと白状したようなものでしょう。
 こんなことならスクリーンショットに残しておけば何かの役に立ったかもしれませんが、後の祭りです。でも、向こうが名乗っていたフルネームは覚えています。女性らしき名前です。試しにInstagramとFacebookで検索してみました。
 すると、出るわ出るわ。同姓同名でユーザーネームが少しずつ違うアカウントが複数上がっています。この人物からダイレクトメッセージが送られてきたのは私の他にも少なからずいそうです。
 それらのアカウントからいくつかピックアップしてプロフィールを見てみると、どれも先ほど接触をはかってきた人物のものと似たような雰囲気です。投稿写真は数枚しかなく、何のキャプションもついていません。花や風景を撮った写真が多いですが、投稿した日付と季節感がちぐはぐなものも。春なのに紅葉、夏なのに雪景色、秋なのに紫陽花、冬なのにチューリップ。北半球なんだからもう少し考えればいいのに、と思ってしまうほど雑です。

 もしこのまま交流を続けていたらどのような展開になったでしょう。おそらく、居住地の他にも個人情報を聞き出されるとか、金銭を要求されるとか、投資話を持ちかけられる、といったところでしょうか。

 思い返せば、初めから訝しい点はありました。そもそもなぜ私をフォローし、DMで連絡してきたのか。メッセージの中では私が投稿した写真に関して一切言及がありませんでした。写真への興味からフォローしたのでないことは明白です。
 第一、いきなりDMで交流を求めてくること自体不自然です。コミュニケーションを取ろうとすれば、まずはコメント欄でというのが流れとして普通でしょう。

 知らない人物からDMが届いた時点で即座に詐欺を疑わなかったのは不覚でした。たまたま不審な点が気になったので深入りせずにすみましたが、もう少し相手が巧妙だったらすっかり騙されていたかもしれません。
 スマホに慣れることができたという自負から、私は少し油断をしていました。今回のことは気を引き締め直すよいきっかけになりました。

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