虹乃ノラン

主成分は猫。受賞作『銀盤のフラミンゴ』『ベイビーちゃん』が発売中。『そのハミングは7』…

虹乃ノラン

主成分は猫。受賞作『銀盤のフラミンゴ』『ベイビーちゃん』が発売中。『そのハミングは7』にて第9回カクヨムWeb小説コンテスト特別賞(エンタメ総合)を受賞。ココア共和国傑作選(4コマ詩)及び佳作、引きこもり文学賞入選、人生逆噴射文学賞審査員賞及び佳作。創作WS、なごや文芸マルシェ

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マガジン

  • 「獏」連載中

    黒いアスファルトにこびりつく、汚いガムさえ流し落とすような大雨の降るある夜に、俺にこんな言葉をくれた奴がいる。 「悪夢を食べると言われる獏って生物を知ってるだろ。俺たちの仕事は、獏みたいなもんだ」  毎日、毎日人間どもの欲望の抜け殻を拾っては集め、そして金を貰い、俺たちは生きている。

  • 「ホテルエデン」連載中

    愛猫の「楓」を亡くし、泣き暮らす千里は暗闇のなか目覚めた。そこには黒髪の少女アケルと仮面の総支配人ケルビムがいた。そこはホテルエデンの東館。なぜそこにいるかもわからぬまま、ケルビムの頼みでアケルをオーナーの元へ届けるため本館を目指す……。(ホラー小説部門) ■目次 プロローグ 第一章「美しい変化」 第二章「大切な想い出」 第三章「遠慮」 第四章「調和」 虹の橋のたもと エピローグ

  • モノカキコ短歌

    モノカキコさんからイラストをお借りして、虹乃ノランが言葉をつける企画です。

  • 🐾cat🐾noran diary。

    《不定期更新》日記です。

  • 「あかりの燈るハロー」完結済み 全31話

    六年生になる茜は、五歳で母を亡くし吃音となった。思い出の早口言葉を歌い今日もひとり図書室へ向かう。特別な目で見られ、友達なんていない――吃音を母への愛の証と捉える茜は治療にも前向きになれないでいた。  ある日『ハローワールド』という件名のメールがパソコンに届く。差出人は朱里(あかり)。件名は謎のままだが二人はすぐに仲良くなった。話すことへの抵抗、思いを伝える怖さ――友だちとの付き合い方に悩みながらも、「もし、あたしが朱里だったら……」と少しずつ自分を見つめなおし、悩みながらも朱里に対する信頼を深めていく。 『ハローワールド』の謎、朱里にたずねるハローワールドはいつだって同じ。『そこはここよりもずっと離れた場所で、ものすごく近くにある場所。行きたくても行けない場所で、いつの間にかたどり着いてる場所』  そんな中、茜は父の部屋で一冊の絵本を見つける……。 (装画協力:ヤマウチタカノリ)

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「あかりの燈るハロー」第一話

プロローグ ゴウン…ガロン…ギ…ギギ…ギ。  ゴウン…ガロン…ギ…ギギ…ギィィ……。  やがて、観覧車は完全にその動きをとめ、遊園地にともされたはなやかな電飾も消えると、あたりを静けさが包みこんでいく。  耳をすませば、かすかに聞こえる波の音だけ。  あたしは歌う。  ♪ ハウマッチウッド・ウッドアチャック・イファウッドチャック・クッドチャックウッド?  ♪ ハウマッチウッド・ウッドアチャック・イファウッドチャック・クッドチャックウッド?  お母さん……。  もしあ

    • 「獏」第六話

      第二章莫迦 (1)   翌日、といっても日付は変わらない深夜、俺はパッカー車に乗り込んでエンジンを掛ける。こんな真夜中から仕事を始めるなんて、ゴキブリかコウモリか強盗くらいのもんだ。  強盗で思い出した。――俺たちの回収先はそのほとんどがコンビニだったりする訳だが、店舗によっては〝ゴミ庫〟と呼ばれるコンテナに御丁寧にも鍵をかけ、わざわざ店内で鍵を借りさせる店がある。  パッカーを停める、鍵を借りに店内に入る、ゴミ庫を開けパッカーへ運ぶ、鍵を帰しに店に入る。深夜帯とはいえ、客

      • 「ホテルエデン」第四話

        美しい変化 (3) 「アケル様をお連れして、オーナー様の待つ本館へ向かう途中のことでございます。わたくしは、不慣れな場所で怯えになられたご様子のアケル様の緊張を解そうと、あれこれとお話をして差し上げておりました――」  その際、アケルの好きな食べ物が魚だという情報を会話の中でつかんだ仮面の男は、この世界にいる色々な魚の話をした。アケルははじめ、興味ありげに話を聞いていた。もう一押し! と感じた仮面の男は調子に乗り、様々な魚の捌き方を事細かに説明し始めたという。  気がつくと

        • 「獏」第五話

          駁論 (5)  パッカー車を車庫へと戻し、報告書を提出するために事務所へ向かって歩いていると、事務所の前で、二人の男がタバコを咥えながら話しているのが見えた。一人がこれ見よがしにキンッと盛大に音を立ててライターの火を灯そうとする。  大して恰好良くもないのに、アンティークなのかただの中古なのかわからない、ミリタリーブランドのトンボ――ドラゴンフライのマークが付いた、古いオイルライターを大切そうに握っている。 「宮下、オイルが切れちまったみたいだわ、入れといてくれるか、頼むわ

        • 固定された記事

        「あかりの燈るハロー」第一話

        マガジン

        • 「獏」連載中
          6本
        • 「ホテルエデン」連載中
          4本
        • モノカキコ短歌
          36本
        • 🐾cat🐾noran diary。
          10本
        • 「あかりの燈るハロー」完結済み 全31話
          31本
        • 「鳥かごのハイディ」完結済み 全23話
          23本

        メンバーシップ

        • 5月19日夜、「月は孤独に散歩する。」が朗読されます。

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        • 「王の城」を掲載しました。

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        メンバー特典記事

          「銀盤のフラミンゴ」ランディ版スペシャルエピローグ

          「ノランの箱舟」に参加すると最後まで読めます

           ディレクターズカット版のランディ側エピローグです。製品版とはボリュームが三倍、さらにランディの過去が一部明かされています。読了後にぜひ合わせてお読みください。     side epilogue*Randy~ special edition ~

          有料
          100〜
          割引あり

          「銀盤のフラミンゴ」ランディ版スペシャルエピローグ

          「王の城」

          「ノランの箱舟」に参加すると最後まで読めます

           あるところに大変古いお城がありました。最後はいつだれが王様であったのか、召し使いは何人いたのかわからないほどに古いお城でした。  そのお城を覆い隠すようにして、とても深い森がありました。木のような蔦のような渦巻きの風のような深淵の森がありました。森は深くはありましたが、命にあふれていました。光をうけて朝は輝き、夜は命の音が静かに響く、そんなような森でした。

          「パーテルノステル」

          「ノランの箱舟」に参加すると最後まで読めます

           もこちゃんのいた部屋に入った新しい女の子は黒髪の綺麗な子だった。いかにも清楚で、生まれてこの方ヘアカラーさえしたことないんじゃないかっていう、瞳の大きいナチュラルなまつげの子。  肌がほんのり白くって、幼女みたいに頬がうっすらとピンクだった。そのくせ細い二の腕に不釣り合いなふっくらとした胸もとがなんだかアンバランスで、これは当たりだと思った反面、こんな子がどうしてこんないかがわしい物件に、と俺は心配になる。部屋に備えつきの赤いテカテカしたカラーボックスがいかにも似合わない。

          「パーテルノステル」

          「月は孤独に散歩する」

          「ノランの箱舟」に参加すると最後まで読めます

          月は孤独に散歩する。 「アタシは月です。  はじめまして。  いつもひとりでさんぽしています。  もしよかったら、アタシとおともだちになってください。」  こんなハガキがある日ぼくのもとに届いた……。      ☽  ぼくは三年前に会社を辞めて、カレー屋のフランチャイズを目指して、銀行に借金して店を建てた。  コンビニでもラーメン屋でもよかったけれど、アフターフォローがしっかりしているという噂の、地方ではあるが売り上げの高いカレーチェーン店を選んだ。  トレーニングを

          「月は孤独に散歩する」

        記事

          「獏」第四話

          駁論 (4)  イヤホンからコンビニの入店音が聴こえる。薄切りのロールケーキをミルフィーユ状にした「ミルフィーユ苺ロール」が今大ブレイク中の〝ファミラ〟だ。 『おはよう! 久しぶりじゃないか? また夜勤のバイトに戻ったのかい?』  この声はハンサム。また店員の女を口説くつもりだろう。 『なぁ? 今度飲みに行かない? 夜勤のバイトに復活したお祝いに俺に奢らせてよ!』  入りたくもないトイレを借りたり、ゴミ庫の鍵を借りたり、落し物がありましたよと、なにかしら口実をつけ話しかける

          「獏」第四話

          リーフで淹れたダージリン

          メールを待ってるだけだけど お気に入りのシャツを着た。 リーフで淹れたダージリン 毛茸がきらめく今日の初恋 良い香りですねと言ったのは 紅茶のことじゃないんです。 一番遠くて一番近い ぼくの距離 #モノカキコ短歌

          リーフで淹れたダージリン

          ポーション

          闇に溶けたくて でも溶けてしまいたくなくて 私は白いシャツを着た。 夜の明かりは眩しくて ポーションミルクみたいには とても染まれそうにない。 #モノカキコ短歌

          ポーション

          🐾cat.10🐾noran diary。

           脱稿した!ほかのこと色々やりながらで、時間がかかりました。今回は三幕構成に従ってきっちりプロットを組んだものの、転にいくタイミングは決まっているのにその手前がなかなかつながらなくて苦労しました。

          🐾cat.10🐾noran diary。

          「ホテルエデン」第三話

          美しい変化 (2) 「うーん、それにしてもこの部屋……どこかで見たことある気がするなぁ」 「ふぅん、どこで見たの?」  アケルは奥の出窓にヒョイと飛び乗ると、こちらに向き直った。 「そうだ! 私が初めて猫を飼ったときに住んでいた部屋の間取りに似てるのよ。だけど、ここは何の施設なんだろう。随分とこざっぱりした部屋だよね……」  室内には生活感がまるでない。アケルは出窓に腰掛けたまま、投げ出した足をパタパタと揺らして様子を伺っている。  なにか手がかりになるようなものはないかな

          「ホテルエデン」第三話

          あおとあか

          紫陽花でさえ溶け合えないあおとあか。 愛し合えない私たちの仲。 #モノカキコ短歌 #短歌 #自由律 #詩 #虹乃ノラン

          あおとあか

          チョコミント

          アイスは絶対チョコミント。 不貞腐れる君が見たくて、 わざと間違えたなんて、 そんな嘘は通用しない。 #モノカキコ短歌 #短歌 #自由律 #詩 #虹乃ノラン

          チョコミント

          春に滲む

          きみたちが受け止めるのがわかるから ぼくの涙は彷徨わないで春に滲む #モノカキコ短歌 #虹乃ノラン #短歌 #詩 #自由律 #tanka #モノカキコ

          君の澱とともに眠る。

          ワインには詳しくないけど、もっと知りたい。 迸る、嘆息に弾かれた澱はグラスにパチパチと眠る。 #モノカキコ短歌 #短歌 #詩 #自由律 #虹乃ノラン #tanka

          君の澱とともに眠る。

          ぼくのサファリ。

          おばちゃんのお家に来たよ。 キリンがいる? なにいってんの遮断機だってば。 #モノカキコ短歌 #短歌 #詩 #虹乃ノラン #tanka

          ぼくのサファリ。

          君だけの優先席。

          ぼくの右はずっと君にいてほしい。 イヤホンは次も有線にするから。 #モノカキコ短歌 #短歌 #詩 #虹乃ノラン #tanka

          君だけの優先席。

          絡まる。

          指を絡めて 心も絡めて ひものない 靴を履きたい わたしたち #モノカキコ短歌 #短歌 #詩 #tanka #虹乃ノラン