キツネラテ

「霞を食べて生きる」がモットー。日々ぐうたら時々仕事。

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道のつくり方

私の日課である散歩のコースは山道になっていて、 頂上までの正規のルートが4本ある。 どのルートも誰もが歩きやすいように、 自治体によってきちんと整備されている。 しかし、よく観察してみると、 その正規ルートの脇から雑木林に向かって、 いくつもの道が延びていることに気づく。 ある日、好奇心に唆られて、 分かれ道を前に、行ってみようかどうしようかと逡巡していたところへ、 毎朝すれ違う、顔馴染みになった初老の男性がやってきた。 私が悩んでいることをすぐに察したようで、 「案内しよ

    • 怒りとのつきあいかた

      半世紀以上も生きていると、 さまざまなことに対して、 ある程度先回りをして考えることができるようになる。 それが、年を取るということの最大の魅力である。 先回りをして見るものは何か。 それは、自分の感情である。 起こる事象については私は予言者ではないので、 完璧に当てることはできない。 現実はどちらに向かって転がっていくのか、 数パターンは考えつくだろうが。 そんななか、自分で最善だと思えることを選ぶために、 何を基準にするか。 私は、一番後悔がなさそうなことを選ぶようにし

      • 富士山ってやっぱりすごい

        山梨県の河口湖と勝沼を旅してきた。 西日本に住んでいる私にとって、 富士山を実際に自分の目で見る機会はとても少ない。 飛行機に乗った時に、 上空から火口がたまに見えるのを眺めるくらいである。 よくよく富士山を仰ぎ見たのは、高校の時の修学旅行以来だった。 その日はとても天気が良く、 東京からの高速バスで幸運にも最前席をとれた私は、 東京を出る前からすでに、眼前に遠くぽっかりと頭を出した富士山に 軽く興奮を覚えていた。 渋滞を潜り抜け、山梨県に入ると、富士山がどんどん大きくな

        • 誰を主語にして会話するかという問題

          世の中には、大きく分けて2つのタイプの人がいる。 会話の時の主語が誰になるか。 「私」を主語として話す人。 「〇〇さん」を主語として話す人。 この加減が、なかなかに難しい。 あんまり「私」を主語にしすぎると、疎ましがられる。 よくよくお互いを知っている人でないと、 何気ない自分の話が、思いもかけず自慢と取られてしまったり、 妬まれたりすることさえある。 また、相手にとってまったく興味のない内容だった場合、 ただの時間泥棒になってしまう懸念がある。 また、「〇〇さん」と

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          荷物はどこまで減らせるのか

          今日から1週間旅に出る。 国内旅行だけど、1週間ともなると、 ちょっとふらっとそこまで、みたいな荷造りというわけにはいかない。 以前私はキャリーケースを3つ持っていて、 行き先や日数に合わせて使い分けていた。 でもコロナ禍になった時、 今度いつ使えるかも分からない大きなキャリーケースが 3つも家の中を占領していることに次第に違和感を持ち始め、 結構傷んでいたこともあって、一気に全部処分してしまった。 また旅行ができるようになったら新たに買えばいいや。 そんな軽い気持ちで処

          荷物はどこまで減らせるのか

          お金の年間計画

          家計簿をつけるようになって、よかったことがいくつかある。 その中でも、特におすすめなのは、 年のはじめに、予め必要となるものを書き出して把握しておくことだ。 いわゆる「予算を組む」ということである。 予算を組むなんて、行政か会社ぐらいしかしないものだと思っていた。 ずっとそう思っていた。 でも、家計の見直しにと家計簿をつけ始めて、それが軌道に乗ってから、 「予算組み」こそ、本来の家計簿の骨頂なんではないかとさえ思うようになった。 では、予算を組むと何がいいのか。 それ

          お金の年間計画

          なぜ好奇心を持つべきなのか

          先月より、特定健診における高血圧の基準値が 140/90mmHg以上から160/100mmHgへ 変更となったのをご存知だろうか。 これにより「受診勧奨される人が10分の1になる」らしい。 つまりそれは、 140/90mmHg以上から160/100mmHgの間の値の人が9割 であることを意味する。 私は元々低血圧なので、直接このことに関わるわけではない。 けれども私の周りには、 父や友人など、高血圧症の持病を持っている人が一定数存在する。 これらの人たちは、かかりつけの病

          なぜ好奇心を持つべきなのか

          時間は自由自在に操れるのかもしれないという話

          今思い出しても辻褄が合わない、不思議な「時間」に纏わる話。 10年ほど前、私は韓国アイドルの推し活に勤しんでいた。 ある時、韓国で握手会が開催されることになり、 日本からの旅行ツアーが発表された。 四国の片田舎に住んでいる私は友人と二人、福岡発のツアーに申し込み、 ツアー当日の朝一便の飛行機で、福岡空港へ出発することにしていた。 大好きな推しと握手ができるとあって、乙女心が顔を出し、 前日、私は仕事帰りにネイルのお店を予約して施術してもらった。 施術が終わり、ルンルンな気分

          時間は自由自在に操れるのかもしれないという話

          別のステージへ行くということ

          先日、友人と話していた時のことだ。 なんとなく違和感があるというか……。 はっきり言えば、全然楽しくなかったのである。 兼ねてからとても気の合う友人で、いつもお互いに 「もう何時間でもしゃべっていられるね」 なんて言い合う仲だったのに、 なぜか先日は、とてもつまらなかったのだ。 いや、先日に限った話ではない。 思い返してみると、数ヶ月前からなんとなく 少しずつ歪(ひず)みのようなものを感じていた気もする。 その人はとにかくいい人だし、ずっと大好きな友達だったので、 この芽

          別のステージへ行くということ

          断り方の極意

          コロナ禍が明けて1年、 人との交流がとても盛んになってきたと感じる今日この頃である。 食事会に誘われることもとても多くなった。 気の合う人との食事やおしゃべりは、やっぱり楽しい。 でも、とても苦手になってしまったものもある。 「夜の飲み会」である。 数年前までは、苦手どころか率先して行っていたのに……。 朝散歩を始めたことによって、私の生活は完全に朝型になった。 朝5時に起床するために、夜は9時過ぎにはベッドに入る。 この生活サイクルを回すためには、 夜の飲み会はどう頑張

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          モヤモヤを斬る

          ここ最近、なんだかすっきりしないというか、 心に引っ掛かりがあるというか、 本当に些細ではあるけど、モヤモヤとした日々を過ごしていた。 こんな日もあるよね、人間だもの。 そんなふうに自分をなだめていた。 ふと、クローゼットの中の一角に目が止まった。 片隅に予備の紙袋を置いておくスペースを作っている。 マイルールとして、ストックの紙袋は5枚までと決めている。 なのに、そこに収まりきらなくなった紙袋がスペースから溢れ出している。 実を言うと、このことには少し前から薄々気づいて

          モヤモヤを斬る

          人間目線の秩序

          昨日、実家の庭に生えた雑草を抜きながらふと思った。 雑草も、買ってきて植えた草花も、同じ草花なのに 引っこ抜かれてしまう運命のものと、 大事に育てられる運命のものに分かれることの不思議。 雑草かそうでないかは、人間が作り出した概念に過ぎない。 そんなものに、草花は翻弄されている。 人間は、秩序を好む。 そして特に日本人はことさら秩序を重んじる民族である。 髪の毛だって、生えてきたらさっぱりしたくなるし、 ビルなどの建物は、歪な形をしていたらとてもそわそわする。 スーパ

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          働かない方が得になる変な世界

          先日いただいた仕事の話を受ける方向で進めている。 そうなると、気になってくるのが収入の額面である。 おかしな話だけど、なるべく収入が多くならないように必死で交渉している。 所得税に始まり、住民税、健康保険、その他諸々。 どの方法が金銭的に一番お得になるのか、 簡単には導き出せない、複雑怪奇な計算方法になっているところが、 この国のすごいところだ。(悪い意味で) どんな頭のいい人が考えだしたのだろうと、いつも感心する。(悪い意味で) 頭のいい人はすぐに計算できるのかもしれない

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          日常にアフレコを入れる

          最初に断っておくと、 私はYouTubeなどの動画を発信したことは一度もない。 今まで動画を見ることはあっても、 配信することに興味が湧いたことはないし、 これから先、興味が出てきそうな兆しも、今のところはまったくない。 なんとなく、毎日の暮らしにメリハリが感じられないというか、 つまらないな、と感じてしまう時がある。 誰にもそんな瞬間は、ふと訪れるものではないだろうか。 訳もなく空気が重いそんな時、 私は、暮らしに「アフレコ」を入れる。 そんなちょっとした遊びを、たま

          日常にアフレコを入れる

          LINEにがんじがらめにされている

          LINEのトークを開いた時に出てくる広告が、とても不快である。 あまりに気分が悪いので、 今後表示されないことを願って右上の🚫のボタンを押すが、 まったく改善の余地は見られない。 それどころか、🚫のボタンがうまく押せず、 うっかりそのサイトが開いてしまったりするから、 運営サイドに興味があるというふうに受け取られてしまい、 さらにその手の広告が表示されるようになったりもする。 毎度毎度、これの繰り返しである。 気にならない時は、全然平気なのに、 一度気になり始めたら最後、🚫を

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          体力は財産である

          旅を楽しむために、重要なもの。 お金? お金はそんなに多くなくても十分楽しむことは可能だ。 最高級の贅沢旅行と貧乏旅行を比べた場合、 貧乏旅行の方が満足度あるが高かったというアンケート結果もあるらしい。 知識? 今や地図アプリと翻訳アプリさえあれば、どうとでもなる。 行き当たりばったりの旅もまた乙なものである。 同伴者? こちらも、いてもいなくてもいい。 旅にはそれぞれの良さがある。 では、体力はどうだろうか? これは私の経験上、絶対にあった方がいいものだ。 私は若い

          体力は財産である