連作短編小説「次元潜水士」第8話「四次元プリンター」
旧式の超立方体型四次元プリンターの充電が完了した。電源ボタンを押すと懐かしい起動音がする。まだなんとか動きそうだ。蓋を開けて中を見ると、外枠の立方体の中に浮かんでいる小さな立方体たちが縮小、拡大をゆっくり繰り返している。何度見ても面白い。発明した時の思い出がよみがえってくる。
あの頃は次元潜水の技術も異次元研究も手探り状態だった。当初から研究を手伝ってくれている境井さんと加納ちゃん、藤野君などの仲間たちがいなければ、このプリンターも完成しなかっただろう。机に置いていた甘いコ