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医者のひとりごと

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アラフィフ女医が日々の診療で感じたことをまとめました。
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お看取りを控えた夜

うちの診療所では、24時間体制で自宅療養中の患者さんからの電話を受け、必要に応じて往診して…

もずきち
9か月前
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管理職研修でZ世代について学び、想う

とある日曜日。 病院・診療所の管理職が100名超集まり、今管理職の悩みの一つである「Z世代職…

もずきち
22時間前
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大吉原展と紅子さん:性産業に生きる女性たちを想う①

今年の新年会。 「吉原」付近で働くドクターから「吉原の住民が、今度東京芸大に美術展のテー…

もずきち
3週間前
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大吉原展と紅子さん:性産業に生きる女性たちを想う②

とある休日。 「性産業で働く女性たちの想いを知りたい」と、まずは「大吉原展」を訪れた私。 …

もずきち
3週間前
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採用に100万円以上必要な介護福祉士。仕事が減るフリーター医師。

私は診療所に勤務しているが、訳あって定期的に経営会議たるものに参加している。 複数の病院…

もずきち
1か月前
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「医師アタマ」に翻弄される患者

午前中往診先で状態の悪い在宅患者さんを病院へ救急搬送した後、診療所に戻って休憩していた私…

もずきち
2か月前
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障がいがあっても芸術を:森の中の展覧会へ

晴れた日曜日。 用事の合間を縫って上野の森美術館を訪れた。 目的は台東区主催の障害者作品展「森の中の展覧会」を観ることにある。 上野公園は休日を楽しむ人でごった返している。 この展覧会は、区内に住む障がいのある人が芸術文化に携わる楽しさを知ってもらうことを目的として2021年から開催しているという。 障がいがあっても無くても芸術を楽しむ権利があるし、「自分で創作したい」「自分の作品を見てほしい」と思う人もいるはず。 1年かけて彼らが創作した作品がこの展覧会で展示されている。

入院は高齢者から「生きる意欲」を奪う

とある朝。 診療所に出勤した私に、スタッフから「入院中のJさんが、転院でなくて自宅看取りの…

もずきち
3か月前
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故郷で起きたあの事件:孤立が生む狂気

今週始めに風邪をひいてしまった私。 ようやく頭痛、鼻水が引き、健康のありがたさが身に染み…

もずきち
4か月前
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元旦から憂う:能登の追想

今年の元旦は、久しぶりに実家の京都で迎えた。 京都は曇天。時折雨が降るあいにくの天気で初…

もずきち
4か月前
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2023年の振り返り:皆さまに感謝

12月30日8:30をもって、私の今年の業務は終了した。 戦争に政治家の不祥事など暗いニュースが…

もずきち
5か月前
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1年に「大学2つ分の美容医療医」が生まれているニッポン

医療従事者だけが閲覧できる某サイトで、12月26日に日本医学会連合から厚生労働省等に提出され…

もずきち
5か月前
74

タフな鳥たちと、弱化するヒト

私は野鳥観察が趣味だ。 普段医師としてヒトを相手にしていると、病気や老い、貧困、孤独など…

もずきち
5か月前
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私のお酒との付き合い方

私はお酒が好きだ。 正確には、私の心をリラックスさせてくれるお酒が好きだ。 ビールがとても好きだったが、50歳を迎え冷たい飲み物で身体が冷えやすくなり、ワインなどに切り替えている。 医師という仕事は、とかく神経を使う。 病や障がい、老いを受け入れられない患者さんから、怒りや悲しみをしばしばぶつけられる。 苦悩する患者さん達の話は長い。聞くのは嫌ではないのだが、聞き終わった後にどっと疲れている自分を自覚する。 いわゆる「感情労働」は精神的体力を要する。 また仕事の性質上、時