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鉄道趣味論

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鉄道をめぐる趣味と、それを発信していく事について雑に考える
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記事一覧

「わ、電車だ」が難しい

「バナナマン日村が歩く!ウォーキングのひむ太郎」という番組を時々観ている。

 ウォーキングシューズメーカーの提供で、スポンサーとは直接関係なく、歩いていて町中に現れる「酒のカクヤス」等に対する日村の反応が面白い。出会った人に時々バッジを配ったり。

 この間は「王子」の回をやったのだが、これが興味深かった。

 日村は電車好きらしいのだが、その反応は「わ、電車だ電車だ」である。

 こういう感情

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「いなかはいいねえ」はいつ頃からあるのか

 都会の人の「いなかはいいねえ」はいつ頃からあるのか考えてみた。

 NHKのテレビ番組「新日本紀行」は1963年に始まっている。1969年頃には現在の「新日本風土記」「小さな旅」の「いなかの(あるいは昔ながらの)人たちはいいねえ」という路線になっているようである。

 1966年、NHKのテレビドラマ「太陽の丘」が放送される。静岡県の伊豆にある架空のユースホステル(今で言えば民泊に近い?)の親父

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「引き出し」が無ければ「好きにやる」はできない

 何らかの趣味をやっていると、知らず知らずに「引き出し」ができている。
 何でも良い。「今はステンレス製の電車が多いな」とか、「このタイプはJR西日本にしかいないな」とか。
 これは「設定」とか「知識」とか「教養」とかいう堅苦しい物事ではない。

「とりあえず組んでみた鉄道模型のカーブだけど、20m級の車輌が通るのは不自然だな」、「非電化のローカル線がやりたいんだよな」、「現実世界に今ある◯◯線の

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EF13に似合う客貨車

 EF13という電気機関車がある。戦時設計の凸型機関車として知られるが、いざ、何か列車を牽かせようと思うと困る。

 自分の偏見から考えて、やはり木造貨車を中心に連ねるのが良さそうだが、最も似合いそうな戦時型の3軸貨車トキ900や急造車掌車ヨ2500の製品はNゲージには無かったように思う。トムフ1は元トミックスの物があったけど。

 ボギーのトキ15000はKATOのロングセラーがある。ワキ1とい

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物語性の希薄なメカもいいじゃん

 ホビセン(ホビーセンターカトー)でミニトレインズのボックスカーとゴンドラカーを買ってきた。

 安いとは言えないが、オレにとっては「こういうのがいいんだよ」という感じである。

 なんか鉄道会社やナンバーをでっち上げたい。

 模型に関して言うなら、自分はガチガチの「◯◯鉄道◯◯型」みたいなのはどうもあまり好きではない。
 実物の趣味と模型の趣味はちょっと違うんじゃないかと思う。

 模型に関し

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池袋鉄道模型芸術祭2024(少しだけ)

 この日は諸事情で遅くなり、少ししか見られなかった。

・NGJ

 細かい所がこつこつと毎回変わっているOゲージパイク。今回はガソリンスタンドが追加。

 こちらに写っている機関車は製品化の噂も。

 鉄道模型界のチャンカワイ(©ワンワンさん)こと不器用村。

 今回はヌシには会えず。
 こちらに写っている機関車は残念ながら製品化の話はナシ。

 他にも色々あり。

・陸Jokies

 隣に怪

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JRのあの車輌の顔の原点

 中古のグリーンマックスのキットの「顔」が中古で売られていたのを買った人がいた。

 その中にJR東日本の地方路線にいるような車輌、701系あたりの前面を思わせる物があった。

 あれ? グリーンマックスでこんなの出していたかな? キハ54やキハ31も無かったはずである。

 少し考えて、大阪市交通局60系だと思い当たった。あの顔は結構古い起源があったのだ。

 さて、これを使って「JRの電車」を

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世田谷線300系

 以前「ブラタモリ」に東急世田谷線が映った。現在車種統一された300系にタモリも乗車していた。

 この世田谷線300系は、いわゆる軽快電車ともまた違う流儀のカタチに思えるが、デビュー当時は少々地味に感じたものだった。ある程度話題にはなっていたのだが。

 この頃、軌道系では広島電鉄や熊本市電の低床電車が登場し、そちらの方がより注目が集まっていた。対して300系は低床タイプでは無かった。この辺りが

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中途半端な地方の交通機関

 自分は静岡県の三島のという所の市街地の近くに住んでいる。大学のキャンパスがあったりして、都会でもなければ、ひどい田舎でもないと思う。

 あくまで自分の場合の交通機関の使い分けだが、東京や横浜となると新幹線1択だ。西に行って掛川から先、名古屋辺りだと新幹線。関西や岡山だと日程の関係で片道高速バスを使う事もある。

 北海道は、いくら鉄道好きだと言っても遠すぎるから羽田まで行って飛行機。盛岡や新潟

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怪しかった上野

 前に「男はつらいよ」の寅さんの旅立ちに、上野が似合う話を書いた気がする。

 東京都内にはいくつも「始発駅」があって、東京駅、新宿駅、両国駅なんかが浮かぶんだけど、やっぱり寅さんには上野だ。柴又だから金町に出る方が距離は短いし、実際そう考えられるエピソードも観た記憶があるんだけど、「上野で飲んでるから」の方が印象深い。始発の上野なら確実に座れる。

 寅さんと言えばインチキ商売の話がいくつもある

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GMの旧型国電

 グリーンマックスの旧型国電キットという物がある。これは、特に戦前型に関して言うなら、実在とかなんとかいう事を語る物ではおそらくない。

 カトーやトミーテックやマイクロエースの「特定ナンバー」の旧型国電とは少し異なる存在なのである。

 そこを「実在」に寄せた改造をするというのも有りだし、それを突き詰めたのがタヴァサ軍団だった訳だけれど、それだけが正解ではない。

 実在するんだかしないんだか分

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少年ファンをめぐって

 東京は世界の都市の中で稀有な存在である。何が稀有かと言って、無茶苦茶マニアックな大人の鉄道模型の場を、普通の家族が見に来るような機会が多い。この1点に限って見ても、日本における鉄道模型の特殊性が理解できるであろう。

 自分が子供の頃は、決してそういう所に行きたくなかったが。

 鉄道模型の中でもマニアックと言えるナローゲージの展示を行うグループには、KMC、KBMC、NGJ、クリッターズクラブ

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幻想の廉価版12ミリ

 モデルワーゲンから雄別のコハ(流線型気動車改造)と真谷地のコハフ(やや小型木造切妻?)の模型が出た時は、「なるほど」と思ったものだ。末期の古典蒸気機関車、それも北海道の炭鉱鉄道に似合う客車だったからだ。

 遥々連絡船で渡ってきた北の大地、それも小規模の炭鉱鉄道の印象は、自分も経験していないが、「このような印象だろう」と理解できた。

 国鉄の編成ものならばそれまでも考えられていただろうが、炭鉱

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SL急行は発明だったのか?

 随分前に、「お金を出して缶入りのお茶(緑茶、砂糖も加えてない)の飲料を買う」という行為が普通になったのはいつか? という話で知り合いと盛り上がった。

 だいたいお茶って、鉄道の弁当に対して別買いするものを除けば、タダで出てくるものだったからだ。

 この時期は多分1980年代後半ぐらいじゃないか? という事になったのだが、これを「発明」とするならば、同じような「発明」が思い当たった。お茶とも縁

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