第Ⅻ章 アップルゲニウス−2
Vol.2
ガタン。ソファーから雪崩が起きて雪が崩れ落ちるようにして僕は落ちた。僕の身体の上には毛布が乗せられており、冷えたココアがテーブルの上には置かれていた。覚醒していく脳が自分の記憶を思い起こし、Windowsを立ち上げるように僕は低い声を上げながら伸びをした。身体に乗せられている毛布は母がかけてくれたものだろう。そう、僕は本を読んだまま寝てしまっていたんだ。重たい体を起こし、僕は洗面台へと向かい、歯磨きをした。口の中が気持ち悪いネバネバしている。早く歯を磨いて寝よう。