平林緑萌

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平林緑萌

編集者。合同会社志学社代表取締役。写真は飯本貴子さんに撮っていただきました。漫画原作や文筆は草香去来(https://twitter.com/kyorai_kusaka)名義でやっています → https://amzn.to/2Bmpwcm

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  • 平林緑萌の歴史雑記

    編集者・平林緑萌の歴史に関する随筆集です。単体でもお買い上げいただけますが、継続購読の方がお得になっております。内容的には中国古代史や日本古代史および中世史、文化人類学などが中心になると思います。

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    右上腕骨嵌入骨折顛末記。

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系譜はなぜ伝えられたか──桜井茶臼山古墳と闕史八代

 歴史雑記147 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  どうも2023年は日本古代史にとって記憶される年になりそうだ。  富雄丸山古墳に続き、こんどは桜井茶臼山古墳で、副葬されていた銅鏡の数が100面を超えることが判明したのである。  桜井茶臼山古墳での発見については、まず下記の記事をお読みいただきたい。  そのうえで、今回は記紀の保存した系譜について考えてみたい。 なぜ系譜の話になるのか  どうして古墳の話から『古事記』や『日本書

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    • 世の中は古文漢文ブームであることについて

       歴史雑記166 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  古文漢文不要論は、X(旧Twitter)に代表されるSNSでもときおり話題になる。  だいたいは、それなりの社会的地位にある人(政治家など)がそういうことを言い、半分くらいは炎上し、とはいえそこそこ賛同者も集まる……というような感じになることが多い。  意見のすれ違いというか、世界観の違いは容易に埋まるものではないので、「やっぱり、世の中には古文漢文が不要だと考える人もいるのだな……

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      • 『豊臣兄弟!』、出来がよくなくても別にいいかも?

         歴史雑記165 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  少々気が早いが、実はそうでもない『豊臣兄弟!』の話を書こうと思う。  もちろん、大河ドラマはフィクションとしてよい出来であるほうがよい。  しかしながら、私個人としても社会的にも、別に出来がよくなくても価値があるんではないか、というような話である。 秀長をいい感じに描けるのか?

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        • 雑記0528:アホみたいに忙しい

           ご存知の方はご存知の通り、書肆imasuという新レーベルを立ち上げた。  創刊ラインナップは十文字青さんの『私の猫』と、森見登美彦さんたちとつくった『城崎にて 四篇』の二点である。  *  そもそも、お披露目となる文フリ東京38に間に合わせるためにめちゃくちゃタイトな進行になったあたりからもうまずかった。  無事校了はしたものの、事前搬入が間に合わないのでレンタカー搬入となり、夜なべしてサイン本作成をするもこちらも間に合わず、当日は開場前から列が形成されて外まで延びた。

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          雑記0504:やる気が出ないウィーク

           世間は長期休暇らしい。  私は社会に出てから、まともに休める仕事についたことがないから、長期休暇というものの存在について、いまだ懐疑的である。  1週間や10日も休んでしまったら、もう2度と働く気にならないのではないかと思うのだが、「リフレッシュした〜!」みたいな感じで、イキイキと職場に戻っていったりするのだろうか。  いや本当に信じられない。職場というのは、基本的に「すぐにでも爆発四散して消滅してほしい」たぐいのものではないのか。  出社したら跡形もなくなっていたら最高な

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          記紀神話の成立時期について

           歴史雑記164 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  以前、「稗田阿礼が『古事記』の内容を暗唱していた」という誤謬を糾す目的で、記紀の編纂過程についても言及した記事を書いた。  今回はそれを振り返りつつ、記紀神話が7世紀とか8世紀の所産とは考えられないことを改めて確認しておく。  どうも日本史の一部では、記紀神話の成立をかなり遅らせて考える一派があるらしいが、「文献学的に」「普通に」考えると、この説は成り立たない。  いまだに津田左右

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          なぜ統一秦は滅んだのか

           歴史雑記163 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  前221年に初めての「統一」を成し遂げた秦は、始皇帝の崩御(前210年)からわずか3年で「滅亡」してしまう。  私個人としては、前207年に秦が完全に滅亡したのか、いまだ疑問を持ってはいるものの、統一秦が瓦解したことは間違いがない。  古くから、統一秦滅亡の原因についてはさまざまな説が行われてきたが、説話的な説明はもはや成り立たないことが明らかになっている。  今回は、説話的な説明の

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          アホに元号を選ばせてはいけない

           歴史雑記162 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  タイトルだけで察したひとも多いかと思うが、今回はあの話である。  本題に入る前に、念のため私の立場というものを表面しておこうと思う。  ざっとこんなところでよいだろう。  というわけで、本題に入ろう。 アホの選んだ元号候補がいかにアホか① 桜はないだろう  皆さんもこのニュースはご覧になっただろう。

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          雑記0418:風邪を治すために

           まずい、と思った。  『新約聖書』にもある(ない)ように、はじめに関節痛があった。これはいかんと遺憾に思い、風邪薬を飲んだが、深夜には38.3°という体温に達し、やむなく発熱外来に電話をかけた。  校了3冊、入稿1冊を控え、この数年で一番忙しく、なおかつ莫大な借入金を投じての大博打に臨まんとするこのタイミングで、インフルやコロナは避けたい。  幸い、検査結果は風邪ということであったが、アセトアミノフェンを飲んでも37度台後半までしか熱が下がらず、まずいことには変わりがない。

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          自治体史に残らない話

           歴史雑記161 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  歴史に関心があり、自分でも調べものをするひとであれば、自治体史のお世話になることも多いだろう。  自治体史というのは、◯◯市史とか◯◯村史とかいうやつのことであり、図書館に行けば、近隣のものや県史なども郷土史とか地域史などのコーナーに置いてある。  これらの自治体史には、かならず資料編が付属していて、奈良県の自治体なら寧楽遺文や平安遺文などに入っている文書のうち、当該の自治体に関連す

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          柿本人麻呂とわたくし あるいは「ちんぽんかんぽん祭」について

           歴史雑記160 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  少しばかり過ぎてしまったが、3月18日は柿本人麻呂の忌日と伝わる。ちなみに小野小町もそうである。  これらはもちろん、後代に生まれた伝承であって、なにか史料的な根拠などがあるわけではない。  以前も柿本人麻呂については書いたことがあるが、今回は少し趣向を変えて、平林少年と人麻呂について書こうと思う。  (以前の記事はこちら) 葛城市柿本について  これは以前の記事でも触れたが、

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          奈良県民マジで筒井順慶に興味ない問題

           歴史雑記159 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています)  ※ヘッダは箸墓古墳。被葬者は卑弥呼だとか壱与だとか言われる。 はじめに  以前、戦国史研究会の懇親会で冗談混じりに「平林さんは筒井氏をやればいい、そうしたらすぐに第一人者だ」と言われたことがある。  要するに、筒井氏研究を専門にやっているひとが一人もいない、というわけである。  筒井氏や戦国史に限らず、奈良県は中世史研究が盛んではない。  理由はいくつかあるが、割と深刻な構造的な問題があるの

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          お詫び(2月はあと2日必要)

           購読者の皆さまへのお詫び記事です。

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          雑記0225:アイドレスの日々

           芝村裕吏という日本を代表するゲームデザイナーのひとりが、17年前からGMとして主催している「電網適応アイドレス」(以下、アイドレス)というゲームがある。  簡単に説明できないのだけれども、ネット上で行われる大規模PBMのようなもので、プレイヤーは藩国と呼ばれるプレイグループに所属して、さまざまな課題に挑み、国づくりをし、恋愛(ときに結婚)をし、芝村作品のキャラクターと交流し、敵が出たら戦う。うどんも茹でるし、野菜はよける。  なんでもありである。  ゆえにプレイヤーの負荷が

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          史料としてのブックカバー(書皮)

           歴史雑記158 (本記事は月額500円の定期購読マガジンに含まれています) はじめに  日本では新刊書店だけでなく、一部の古書店でもブックカバー(書皮、以下ブックカバーで統一)をかけてくれる。  なかには著名なデザイナーや画家が手がけたものもあって、それなりに蒐集家(コレクター)がいるようである。  本も2冊ほど出ているし、ウェブサイトなどもある。ただ、蒐集家の数がそこまで多くはないのと、元が無料かつ大量に存在するものなので、市場というほどのものもない。  これは実はも

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          雑記0217:体調が終わってる日々

           2月7日、朝から身体がやたらと痛かったのだが、そのときは平熱で、夕方になってから猛烈に熱が上がる。  深夜2時頃には38度を超え、「これは終わったかもわからんね……」と思いながら、朝を待って発熱外来に。検査結果はインフルエンザB型。  会社に自己隔離して、ひたすら食べて寝るだけの日々。仕事、仕事をしなければいけないのだけど、とてもじゃないが頭を使う作業はできない。  *  で、12日いっぱいでようやく謹慎が明け、「さあ、遅れた仕事をやるぞ!」と思ったのも束の間、翌日から

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