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なぜ外国人がコンビニやスーパーのレジで働いているの?

外国人留学生は基本的に日本で働けませんが、資格外就労の許可を得れば週28時間を上限にアルバイトをすることができます。

この例外規定が「働くために留学をする外国人」を生み出しています。


留学生は多額の借金を抱えている


「働くために留学をする外国人」の中には、多額の借金を抱えて苦しんでいる人がいます。

なぜなら、彼らは見知らぬ土地である日本に留学をする際、日本の教育機関(特に日本語学校)とコネクションがある仲介者(日本語学校を紹介してくれるブローカー)に手数料を支払っているからです。

また、年間50万を超える日本語学校の学費を用意するために、彼らは親の家や農地を担保にするなどして銀行から借金をしているからです。


これらの先行投資の負担を取り返し、さらに投資分を上回る利益をゲットするために、彼ら留学生は必死にアルバイトをします。

もし次年度の学費を払えなくなってしまったら学校に通えなくなり、「留学」の在留資格が取り消され、日本でアルバイトをすることもできなくなってしまいます。

そうならないように、時給が高い深夜帯のアルバイトなどをして必死にお金を稼ぎます。

バイトを密かに掛け持ちして、週28時間を超えて違法に働く人もいるようです。


もちろん借金をせずに留学し、習得した日本語能力を活用して将来的に稼ぐことを目的としている人もいます。

が、発展途上国出身の多くの留学生にとって、借金をせずに日本に留学するのは難しいことでしょう(それだけの資金があれば、わざわざアルバイトをするために日本に留学する必要はないはずです)。



しかし本来、「働くために留学をする」というのはおかしな話です。留学の主目的は勉学です。

なぜ外国人はわざわざ借金までして(大きなリスクを背負ってまで)日本に留学するのでしょうか?


週28時間働けて「おいしい」

私は、週28時間という絶妙な上限設定が理由だと考えています。

週28時間アルバイトをすると月に約12万円ほどの収入を得ることができます。

日本人にとってはわざわざ多額の借金をして外国に留学をしてまで取りにいく価値のない金額ですが、発展途上国出身の外国人にとっては魅力的な額です(母国で普通に働くよりも稼ぐことができます)。

だからこそ、彼らは日本で働くために留学をしようと考え、そのために多額の借金をするのです。



もし「借金をしてまで日本に留学をして働きに出る価値はない(=コスパが悪い)」と判断されるような上限設定にしたらどうなるでしょうか?

例えば留学生のアルバイトは週20時間までに設定したらどうなるでしょうか?

おそらく、「働くために留学をする」というおかしなことは起きにくくなるはずですし、手数料をとって留学希望者を支援するビジネスも成立しなくなるはずです。

結果、多額の借金を抱えて苦しむ外国人も少なくなるはずです。



なぜ留学生は週28時間も働ける?

しかし、アルバイトの上限時数を少なくしてしまうと、他の在留資格では人手不足をカバーできない小売業(外国人留学生に頼らざるを得ないコンビニやスーパーなど)が困ってしまいます。

日本は単純労働従事者を外国から受け入れることを基本的には認めていないからです。

外国人留学生がいないと、日本の小売業は立ち行かないのです。


そこで、日本政府は外国人留学生のアルバイト時数を週28時間という絶妙なラインに設定して、「働くために留学をする」というやり方を黙認しているのではないでしょうか。

結果的に外国人留学生が多額の借金を抱えて苦しんだとしても、”彼らが自分で選択したことなのだから”知ったこっちゃない・・・といった感じで。

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