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コトラー5.0 7章「新しい顧客体験」①

こんにちは!mizuです。
学校でコトラーの章ごとに輪読するのですが、7章と11章が自分の担当のため、パワポづくりのために一度noteにまとめようと思います。

量が多くなったので、3回に分けたいと思います。


「変なホテル」

ロボットのスタッフを揃えた世界初のホテル
・人手不足に対処するための戦略で、人件費を抑えることを期待していた
・ロボットはゲストをイライラさせる問題を生み出し、その問題解決のため、逆に人間のスタッフの仕事量が増加した
・結果的に自動化を減らし、ロボットの半分を「解雇」した

https://www.hennnahotel.com/

この事例は、「完全自動化の限界」を浮き彫りにしている、とのこと。

「マシンはクールだが人間は温かい」

この言葉は、第7章「新しい顧客体験」の副題なのですが、一体どういうことでしょうか。

コトラーは本の中で以下のように述べています。

ロボットはたしかにクールだが、人間が温かいことがわかっている。
両方を組み合わせることが、顧客体験(CX)の未来になるだろう。

フィリップコトラー+ヘルマワン (2022) . コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 朝日新聞出版 pp.185

「マシンはクール」というのがミソな気がします。冷たいという「クール」と、かっこいいという意味の「クール」をかけていると思われ、つまりは「マシンも人間も、どっちも良いところがあるよ!」ということを言いたいのだと思われます。

いらすとや


オンライン・チャネル
オフライン・チャネルを組み合わせて使う顧客が増えている事実が、これを裏付けているとのこと。

・グローバル顧客の44%:オンラインで調べて店舗で買う(=ウェブルーミング)
・グローバル顧客の23%:店舗で体験してオンラインで買う(ショールーミング)

いらすとや

導入のまとめ

導入のページは以下の言葉で締められています。
一つ一つ単語を見ていきます。

このようなハイブリッドのカスタマー・ジャーニーには、CXに対するオムニアプローチが必要だ。
ハイテクで、それでいてハイタッチのアプローチが必要なのである

フィリップコトラー+ヘルマワン (2022) . コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 朝日新聞出版 pp.185

・ハイブリッド
オンライン・チャネルオフライン・チャネルを組み合わせて使う

・CX
顧客体験

・オムニアプローチ
ハイテクで、それでいてハイタッチのアプローチ=マシンと人間を使うアプローチ

つまり、「新しい顧客体験」というのはマシンと人間のいいとこ取りして作り出すものだ!ということだと考えます。

ここ↑を念頭にして読まないと意味がわからなくなります。
わたしは何も考えずに読んだら意味がわからなくなりました。
それでは詳細を見ていきましょう!

デジタル世界での顧客体験を見直す

CXは新しい考えではない

エクスペリエンス・エコノミー(体験経済)

1998年 パイン、ギルディア

「製品・サービスはかつてはイノベーションの主な手段だったが、今ではコモディティ化して区別がつかなくなっており、プレミアム価格をつけることは戦略をアップデートしない限り不可能だ」と主張。

これはディアルガとパルキア

ポケットモンスターオフィシャルサイト
https://www.pokemon.co.jp/goods/2021/11/211119_to02.html?pokecen=0

△製品特性の小さな差異
→顧客による競合他社へのスイッチングを防ぐかもしれないが、支払い意思学(WTP)の増加をさせることはまずない

企業は次のステップ(=体験)に移行しなければならない

劇場を比喩として使うと、体験を重視する企業は、製品を小道具、サービスを舞台として使って。顧客と忘れがたい関わりを持つのである。

フィリップコトラー+ヘルマワン (2022) . コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 朝日新聞出版 pp.186
いらすとやさんの画像を借りて作成

デジタル化の影響

・デジタル化の進展によって、主流の人々から大きな支持を得るようになった。
→企業は体験を基本的なオファリングを超えるようにイノベートする必要がある

顧客はブランドとの本物のつながりを強く望んできた。
しかし、ブランドとの本物のつながりが、接続された時代(今日)には稀になっている。

その結果、企業は今日、インターネットや他のデジタル技術を使って顧客とやり取りしたり、関わり合ったりせざるを得ないと感じている。

つまりどういうことだ?

・製品がコモディティ化しているので、企業は今ではイノベーションの焦点を、製品を取り巻くあらゆるタッチポイントに向けている
製品と接する新しい方法が、今では製品そのものよりも魅力的になっている

<競争に勝つための鍵>

製品ではなく、
顧客が製品をどのように評価、購入、使用、推奨するのか 

・CXは事実上、企業がより大きな顧客価値を生み出し、提供するための新しい効果的方法になっている

いらすとや

実際、CXは企業業績の主なドライバーの一つである

<セールスフォースの調査>

接続された顧客の3分の1が、素晴らしいCXには上乗せ料金を払っても良いと思っている。

<プライスウォーターハウスパークの調査>

・顧客の4人に3人弱が、素晴らしいCXは自分をそのブランドにとどまらせ続けると答えている
・顧客はよりよいCXには最高で16%の上乗せ料金を払っても良いと思っている

100円のコーラを1000円で売る方法

この本を思い出しますね!

Amazon

タッチポイントに注目し続ける

CXという概念は、製品イノベーションの狭い焦点を拡大することを目的とするものなので、CXを広い視野で捉えることが不可欠である

フィリップコトラー+ヘルマワン (2022) . コトラーのマーケティング5.0 デジタル・テクノロジー時代の革新戦略 朝日新聞出版 pp.187

・CXをは購入体験や顧客サービスだけを意味するものではなく、顧客が製品を購入するずっと前から始まり、購入後もずっと続く

5Aからなるカスタマー・ジャーニー

5Aからなるカスタマー・ジャーニーは、顧客がデジタル世界で製品、サービスを購入、消費するときにたどる道筋を表している。

本の内容をもとに作成

5Aは、一見個人的に見える顧客の購買決定の多くが、本質的に社会的決定であることを示している。

・生活のペースが加速し、コンテンツが急増し、集中力の持続時間が短くなる中で、顧客は自分自身で決定を下すことの難しさを経験している。そのため、最も信頼できる助言者、すなわち友人や家族に頼る

・顧客は今では積極的につながって、ブランドについて質問したり、ブランドを他者に推奨したりする。
その結果、顧客ロイヤルティの測定基準も、単なる維持や再購入から推奨に変わる。

<あらゆる企業の究極の目標>
ジャーニーの最初から最後まで卓越したインタラクションを提供することによって、顧客を認知から推奨まで進ませること

そのためには、企業はそれぞれのタッチポイントを入念に設計し、自動化と、対面のヒューマンタッチを使合い分けなければならない。

本の内容をもとに作成

第2回に続く……

コンテンツもりだくさんで、思いのほか長くなってしまったので、2回に分けようと思います。

・人間とマシンの使い分け
・ネクストテクノロジーの使い分け

については次回にします。

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