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ぽろろん猫とふらふらの死神とたゆたう魚 インタビュー

バンド活動と並行して、弾き語りの活動を続けるKözi、aie、seekの3人が、
ギターを手に旅に出る。
その名も『ぽろろん猫とふらふらの死神とたゆたう魚』。
それぞれの個性あふれる歌と世界を堪能できる絶好の機会だ。
ファン以上に旅を楽しみにしている3人に、6つのお題について話を訊いた。
インタビュー中の楽しそうな空気感を、次は会場で感じてみてほしい。

【お題1】自己紹介ならぬ他己紹介

●まず、aieさんから見たKöziさんはどんな方か紹介してください。
aie:学生時代の先輩みたいな感じかな。
Közi:それ、誰かにも言われたことある(笑)。

●先輩風を吹かすようなタイプには見えないですけど。
aie:いやいや、悪いことをした時代のチームの先輩っていう感じ。バイクに乗ったり、タバコ吸ったり、酒飲んだりとか。そういう印象ですね。お酒を飲んでてもずっとハッピーです。
Közi:先輩って言われたりすると、先輩風を吹かすみたいに思われるけど、そんなの微塵もないよね。
aie:ないですよ。一緒にツアーに行ったときに、僕ら以外のメンバーは次の日現場があって、北海道から飛行機で帰っちゃったことがあったんです。僕らは車の担当みたいになって、二人だけでフェリーで帰ってきたんですけど、船を降りたら我々が覚えてない写真がスマホにいっぱいあって(笑)。
Közi:やたら写真を撮りまくってたよね。ニコニコで二人で抱き合ったりして。相当ハッピーだったんだなって。

●いい関係ですね(笑)。では、Köziさんから見たseekさんは?
Közi:去年のツアー辺りから、ズブズブの関係になったんだよね。姫路も連れて行ってもらったし、姫路の友達のご自宅に招いていただいたりもしたし。
seek:高校の同級生です(笑)。
aie:そのとき、seekから写真が送られてきたんですけど、ただのseekの同級生の家にKöziさんがいるんですよ。

●そのお友達的にはどういう感じだったんでしょうね。
seek:“バンドの方なんですよね~、そんなすごい方がうちみたいなところに来てくれるなんて~”って言うてましたけど、最終的に長渕剛の話ですごい盛り上がって(笑)。ドラマのシーンの再現を二人でやってたんでよかったなと思いました。
Közi:そんなこんなでいい空気感です。

●seekさんからみたaieさんは?
seek:ステージでのギターとか歌もそうですけど、人間力がすごいです。いつの時代でもどこの場所でも、生き抜いてステージに立つ人なんやろうなっていう感じですね。
aie:コロナでもタフにやってますけど、全部偶然ですね。呼ばれたら全部出演しようと思ってるだけなんで。
seek:aieさんは、ハッピーオーラが出てますね。お酒の場で、ちょっときな臭い雰囲気が漂っても、aieさんがいたら結果的にはアハハ~みたいな感じになるんですよ。
aie:四十歳近くなってきてからは、後輩と飲んでるときに俺のロックンロール論とかで説教しないようにしようってすごく気をつけてます。熱くなっちゃって、“いや、音楽とはさ”って言って、後輩に嫌われたくないから。そういう先輩もいるんですよ。“お前、ダメだよ”、から始める先輩。
Közi:そうそう(笑)。“全然わかってねえよ”、って言い出す人。
seek:後輩は仮にしんどいなって思ってても、先に帰ろうとは言いにくいやろうし。そこは、年をとってきてから考えるようになっちゃいましたね。
Közi:逆に今のもっと若い世代は、パっといなくなっちゃうでしょ?
seek:そうですね。誘っても、“いや、ちょっと予定あるんで”って。
aie:若いバンドマンは酒を飲まなかったりするもんね。ちょっと信じられないですね、ライヴが終わって素面で帰るのは。打ち上げがないライヴをやった記憶がない。
Közi:何のためにライヴをやるんだって思うよね。
seek:そういう若い子らは、SNSでコミュニケーションをとってるんじゃないですか。当時は酒の場で輪が広がっていったけど。
aie:そうか、SNSに変わったのか。曲を聴いてくださいって、SNSで渡せちゃうもんね。

●直接、盤を渡さなくてもいいわけですね。
Közi:昔は、人の打ち上げでどんどん輪が広がっていって、ライヴとかバンドの話が転がり込んできたりしたのにね。今は、SNSでそういうことをしてるのかな。

【お題2】このツアーで楽しみにしていること

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●ツアーで一番楽しみにしているのは何でしょうか?
aie:お客さんのためにいいライヴをするのは当たり前として、演奏後ですよね。ちゃんと移動日が用意されているので、2日目の夜とかヤバそう(笑)。
seek:基本は贅沢な行程にしました。
aie:フットワークが軽いですもんね。3人だし、荷物も少ないし。ホテルをチェックアウトして移動しても、まだ会場の入りには早いかもしれないしね。せっかく来たからあそこ寄る? みたいにもできるし。
Közi:“ちょっと姫路城、のぼる?”、とか?
seek:ちょっとじゃなかったですけどね(笑)。
Közi:グデングデンだったからね(笑)
seek:確実に、次の日の大阪に引きづってましたからね。あれはパンチありました。
Közi:でも、そういう機会でもないと姫路城には行かないから。

●Köziさんがフェリーに乗りたいのはどうしてなんですか。
Közi:フェリーはいいですよ。
aie:フェリーはいいですよ。

●乗ったことがないからわからないんですけど、何がいいんですか?
seek:僕、正直全然楽しみにしてないんですけど(苦笑)。
aie:(笑)これまで、北海道に行くときはほぼフェリーでしたけど、まずスマホの電波が切れるんです。だから仕事もできないし、パジャマのまんま、酒を飲んでたらいいんですもんね。
Közi:うん。
aie:今の船にあるかわからないけど、麻雀卓がある部屋があったりね。
Közi:ミニシアターとかカラオケとか。

●時間がつぶせるようになってるんですね。
seek:全然つぶれないですよ! 
aie:seekは仕事しちゃうんじゃない? ダメだよ!
Közi:すぐMac Bookとか開くから。

●基本的には呑み続けるんですね。
aie:乗り込んだら宴会が始まって、ベッドがあるから気絶と同時に布団に入れるじゃないですか。朝起きたい人は起きたらいいし、寝るのもいいし。普段飲んでるときみたいに、家に帰らなきゃとかもないし。
Közi:ちょっとした非日常です。

●未経験者には想像できない世界ですね。
aie:飛行機のほうが安いし、乗る人は少ないですよね。
seek:車があれば必然的にフェリーになりますけど、俺らの場合、車がないけどフェリーなんで(苦笑)。

●確かに。機材車じゃないから飛行機で行けますよね。
aie:たぶんフェリーに乗らないほうが楽です(笑)。でも、仙台で泊まって、翌朝に飛行機で札幌に移動するより、フェリーに乗ったほうがスマホの写真フォルダが充実すると思うんです。
Közi:フェリーに乗ったほうがロマンがある(笑)。

【お題3】「二人には負けない!」という
アピールポイント

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●皆さん弾き語りですけど、それぞれかなりスタイルが違いますよね。ここは違うぞ、負けないぞというところを教えてください。
seek:僕は弾き語りを始めたばっかりやったから、武者修行としてお二方と一緒に回らせてもらったんですよね。やっぱりすごいなって感じました。

●お二人と回って成長したところとか?
seek:お二方と回って、自分らしさとか自分の武器は何やろっていうのをすごく考えたんですね。どういう曲が自分の弾き語りに合うんやろうって。それで、自分らしさがようやく見えてきたんで、弾き語り用の曲を作りました。それを披露できたらいいなと思ってます。

●aieさんとしては、ここを見てくれ、ここが違うとか、そういうところはないですか。
aie:あんまりギターを弾かない。
Közi:俺のほうが弾かないですね。
seek:(笑)それ、何の対決?

●お二人とも弾いてると思いますけど、Köziさんの音色は個性的ですよね。
Közi:二人は純粋なアコースティックギターでの弾き語りだし、俺は割とエフェクティブな音なんで、そこは違いますよね。

【お題4】セッションで演奏する曲

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●セッションではどんな曲を演奏するんですか。
seek:お二人とのツアーでは、お互いの共通の趣味で好きそうな曲をやったんですけど、Köziさんの選曲ははごっつ面白かったですね。歌謡曲、懐メロもあるし。ちょっと昭和の匂いのするような。
Közi:お酒にまつわるような曲だったり。

●三人だとどうなるんですかね。
seek:この取材の後、話をしようかと思ってます。そろそろ準備したほうがいいかなと思うんで。(その後の打ち合わせで4軒ハシゴされたそうです)
Közi:三人でギターを持ってやると、前に二人でやった曲もアンサンブルとかが変わってくるよね。

●それも楽しみですね。
seek:まだタイムテーブルを作ってないんですけど、俺らはほかの二人のステージの間に休めるんですけど、お客さんはずっと聴き続けるスタイルになるんですよ。

●最初に3人でステージに出て、あとはソロでそれぞれ交代していくんですね。
seek:なので、今回はグッズをクッションにしました。お客さんがずっと座ってても痛くないように。
Közi:お尻に優しい感じの(笑)。
aie:全部回ると10個たまるんだっけ?
Közi:何ヶ所か回ってくださると徐々に高くなるような笑点スタイル(笑)。

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【お題5】猫と死神と魚の理由

●猫、死神、魚というのはどこから出てきたんですか。Köziさんがは猫が好きとかそういうことですか?
Közi:猫が好きです。

●なるほど。
Közi:やっぱり猫が好き(笑)。
seek:aieさんには、「死神のルルル」か、信楽焼のたぬきが好きやから「○○のたぬき」はどうですかって提案しました。
Közi:街で見かけたたぬきを撮ってたよね。
aie:もうライヴハウスに近い場所のたぬきは捕獲が完了したんですけど。また全国に行けるようになったら捕獲します。

●でも、たぬきより死神だと。
seek:aieさんから、「ふらふらの死神」ってどうですかって返ってきました。
aie:フラッシュアイデアに近い感じですね。
seek:基本、そういうノリですね。クッションとかウェブフライヤーのデザインも、Köziさんがイラストを描いてくれて、aieさんがデザインしてくれたんです。形にするまでのスピード感がめちゃめちゃ速いですからね。
aie:seekからデザインを頼まれたのが次の日だったら、ちょっと変わっただろうしね。即興性が高いっていうか。
Közi:言ってきたタイミングがよかったんですよ、ちょうど飲んでたから(笑)。酔っ払った勢いで描きました。あれが次の日の昼間だったら違ってたと思う。猫と死神と魚っていうのだけで勢いで描けたから。勢い大事だよね。

【お題6】3人の共通点

●3人の共通点は何でしょうか?
aie:酒。

●皆さん強くて飲めるクチなんですね。
aie:弱くはなってきましたけど、好きですよね。そういう場が好きなんですよね。そうやって育ってきた世代というか。
Közi:学生時代から? 廊下で酒を呑み交わして(笑)。

●お酒を飲むとどうなるんですか。
seek:普段より陽気になってる感じはしますね。Köziさんも、ごっつい飲むなって思う。ペースも速いし、濃いめでしか頼まへんし。
Közi:そんなに量は飲めなくなっちゃってますね。わりとすぐ眠くなっちゃうし。でも、その場が楽しいと、長くはなりますよね。
seek:Köziさんの昔の東京に出て来たぐらいの頃の無茶苦茶なエピソードを聞くのが好きやから。
aie:面白いよね。
seek:よう今までバンドやってこれましたねっていうエピソードばっかり。
Közi:今となっては笑い話やけど、当時は何しに東京来たん?って自分に対して思ってた。

●ベロベロになってつぶれちゃうとかはないんですか。
aie:記憶はないですけど、つぶれはしないですね。ちゃんと家には帰れる。調子いい酔い方したら、“次の日、あれやってみない?”っていうアイデアが出る可能性もあるし、楽しいツアーになりそうですよ。
Közi:なるでしょう、間違いなく。

【お題7】ファンへのメッセージ

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●地方で待っているファンの方に一言。
seek:今の時期やからこのスタイルができるんですよね。それぞれのバンドで3マンでイベントツアーを回りましょっていうのやったらできてないかもしれない。
aie:弾き語りでも、コロナじゃなくてそれぞれのバンドがちゃんと動いてたら、このスケジュールは組めなかったかもしれないですね。
Közi:組めないでしょ、こんな贅沢な。

●すごく貴重な機会なわけですね。
aie:初めて行くところも多いし、それぞれの土地の人が来てほしいですね。配信もあるけど、生でぜひ。
Közi:会場で観るのと配信は違うからね。できれば会場に足を運んで観ていただきたいですね。それこそライヴに行きたくても行けなかった地方の人とかに来てもらいたいです。
seek:東京での活動が多いから、俺らが会いに行きます。

インタビューという形を通して、アーティストがSNSなどで直接届ける言葉には乗らない“何か”を届けられたらと、コツコツがんばっています。その“何か”を受け取れた、と感じてくださったらぜひサポートをお願いします。大きな大きな励みになります。