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the god and death stars インタビュー

3rdアルバム『LOVE YOUR BONE』を
12月4日にリリースするthe god and death stars。
コロナ禍により、10周年にあたる昨年の予定からズレてしまいはしたが、
災い転じて福とし、思いがけず生じた時間を活用して、
ロックバンドとしてのカッコよさを封じ込めつつ、
作品として強度のあるアルバムを作り上げた。
2022年、ぜひこの作品をひっさげ、全国に届けてもらいたい。


●本来は去年、3枚目のアルバムを発売する予定だったんですよね。
kazu:そもそも去年の2020年にバンドが10周年だったんで何かしたいと思ったら、オリジナルのアルバムを出してワンマンだろうと。それを一昨年決めて。いや、もっと前かな。

●前のアルバムの取材で、10周年にアルバムを出したいから、それを踏まえて今(2018年)、2ndアルバムを出そうってkazuさんが言ってるというお話でしたよ。
kazu:そうだそうだ。
aie:2018年にはこのプランはあったんだ。
kazu:会場限定シングルの『OH!CULT!』を出した時点で、そのプロジェクトはスタートしてたんです。シングル3枚は我々的には先行シングルなんで、アルバムに向けた制作は進めてたんですよね。
aie:3枚目のシングルの『マサカ逆様』は、去年の新宿LOFTのライヴのときにチケットにつけたんですよ。でも、(予定していた)4枚目のシングルはないなって(笑)。基本的にはライヴ会場限定だから、コロナのこの状況では無理だろうと。
kazu:それで結局、去年の9月にワンマンだ、アルバムだっていうのはやれなくなってしまったんですよね。俺たちみたいなロックバンドが、ライヴがないのにCDを出してもどうなんだろうというのがありましたよね。

●ただ、去年の9月発売に向けて制作は進めていたんですね。
aie:9月には半分ぐらいは録り終わってたから、4、5曲ぐらい録ってたかな。
kazu:結局その辺りからレコーディングを急がなくなってしまって。自分たちの中でリリース日がなくなっちゃったからね。
aie:ノビノビしたっていうね(笑)。

●収録曲は全部決まっていたんですか。
aie:決まってた。アレンジできてない曲が2曲あって。
kazu:1曲ぐらいオーバーしてた気がするね。
大嵩 潤:ああ、そうね。

●それからは、どこかのタイミングで集中してレコーディングするより、少しずつ進めていったんですか。
aie:この週末で2、3曲録りましょうかという感じで録って、録り終えられなかったら、また残しといて。歌だけ録ってないとか、ギターだけまだ半分入ってないとか、そういうのを残して、今年の夏前ぐらいにリズム隊は終わってたかな?
大嵩 潤:6月ぐらいには終わってたと思うんですけど。
kazu:それからギター、歌、ミックスの作業が残ってるんですけど、それでもまだリリース日が決まってなかったんですよね。aieさんは並行してdeadmanのレコーディングもしていて、同じエンジニアだったんで、空いたタイミングでギターとヴォーカルを録っていって。それから、12月4日のDAVID SKULL NO RECORDSの20周年イベントが決まって、もしかしたらその日に間に合うかもな?って思い始めたんです。

●そういう流れで発売が決まったんですね。
kazu:イベントが決まったのが先なんです。
aie:売るならここだなと言って、急に焦って(笑)。最後は、急がねえとヤバいぞって言ってたし、ギリギリだったね。エンジニアにも、「これ、間に合います?」って言われたよね(笑)。
kazu:とりあえず発売日は発表しないでおいたよね。ミックスが終わった次の日に発表したもんね。

ゴッドならではのテレワークとは?

●締切がない中で制作したこと、時間がたくさんあることによって、作品に影響したことは何かありますか。
大嵩 潤:すごく影響してますね。もともとの予定どおり去年の9月に発売してたら、全然違うものになったと思います。
aie:アレンジする時間があるから、いろいろ試したりして。パソコンに向かって曲を作ってないから、リハーサル代に金がかかりましたよね。

●仕上がりを聴いて、今までの作品と違うなっていう自覚があるんですか。
大嵩 潤:僕、あります。すごくあります。

●それは、ドラムに関して?
大嵩 潤:ドラムもそうですし、ドラムが変われば全体も変わってくるので、全体も変わったなという印象がありますね。これがいいのか悪いのかはわかんないですけど。一回アレンジして、やっぱり最初のアレンジに変えたりとか、いっぱい時間があるから何でもやりようがありましたね
aie:緊急事態宣言をはさんだじゃないですか。それで、俺たちならではのテレワークがありました(笑)。大嵩 潤さんが考えたドラムフレーズをスタジオで録画して、これ、どうですか?って送ってくれるんです。それにkazuさんがベースをつけて。会わずに制作を進めたのは初めてだよね。
kazu:そうだね。でも、普通は音のデータのやりとりなんだけど、個人練習でスタジオに入ってる動画が届きますからね(笑)。

●それは音だけのデータより、動画のほうがいいわけですか? 音より情報量が多いものがいいというか。
aie:みんなに見てほしいんだもんね? 叩いてる俺を見てくれって(笑)。
大嵩 潤:そうなんです(笑)。
aie:世の中が元気ないから、僕はここにいるよっていう大嵩 潤からのメッセージが欲しかったんです(笑)。
大嵩 潤:僕、やってますって。

●時間があることで、一番変化したと感じているのはどういうところですか。
kazu:「子供の国」かな。
大嵩 潤:ああ~、そうですね。
kazu:「squall me」とか。リズムのアレンジに時間がかかった曲は、思い描いてたのと違うかな。
aie:構築してるよね。いつももっとその場のノリで、ジャムセッションという感じだったからさ。この2曲は構築したな。
kazu:さっき言ったみたいに、大嵩さんが送ってくれた個人練習の動画を見てたら、ヒマなんでドラムのフレーズを覚えちゃって、ユニゾンしてたらこうなったんですよ。やってることはドラムのフレーズなんですよね。
aie:それがいいと言う人がいるなら、サンキュー・コロナだよね。コロナ禍でなかったらできてなかったアレンジだから。
大嵩 潤:シンプルにいってもよかったんだけど、何かヒマだし、何かやってみるか、みたいな感じでしたよね。

●結果として、音に出て来ているわけですね。
aie:パソコンに向かってひとりで完結というわけではないし、また集まって一緒にやるから健康的だと思うけど、こういうのは時間がなかったら難しいね。
大嵩 潤:そうですね。
kazu:宅録だとあのアレンジは出て来なさそう。時間があったことでアレンジも変わっていったと思うし、既に最初に録ったやつなんてもう変わってますからね。
aie:録り直したいぐらい。
kazu:「三日月の鈍光」とか。緊急事態宣言が明けてライヴもできるようになったし、ライヴでやってる収録曲もあるから。どう考えても今のほうが上手い(笑)。
aie:そうなんだよね。
kazu:1年半前に録ったやつなんてイヤだなって思うけど、お金もかかってるから出さないわけにもいかないし。
aie:(スマホで確認して)リズム隊のレコーディングは5月に終わってるね。だから、今年の5月の音と1年半前の音が1枚になってるから。普通はそんなことないよね。ギターソロとか録り直したいですもん。当時はライヴでやる前に考えてるけど、ライヴでやってるうちに慣れてくるからさ。

●なるほど。
aie:まぁ、いいんだけど。録り直すほどでもないんだよね。
kazu:そう、そうなんです。
aie:12月4日にリリースするという締切がなかったら、またたぶん違ったと思いますね。本当は、去年9月の新宿LOFTで撮ったライヴ映像のDVDとセットで2枚組にしたかったんです。kazu君が昔からずっと夢に見てる、『GUITARHYTHM Ⅱ』のベロアの箱のケースみたいなのにしたかったんだけど。当時、みんなあれに憧れてたから。でも調べたら、結構高いし、12月4日には間に合わないからやめたんです。それまでにあんだけ時間があったのにね。

俺、ちょっと人として変わったかも

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●去年の9月までに録っていた曲はどれなんですか。
aie:「三日月の鈍光」「squall me」「さらば青春のリボン」かな。その後に、「いつかギラギラする日」と「子供の国」を録って。この辺はアレンジする時間があったときですね。

●「いつかギラギラする日」は、ライヴで聴いていたイメージとすごく違う気がしました。
aie:今年の5月に録ったのが、「サックサクサンデー」と「センチメンタルバス」かな。その2曲はまだライヴでやってない(取材時点)。

●「センチメンタルバス」は弾き語りではやってますけど、バンドではやってないんですね。
aie:やってない、やれる気がしない(笑)。俺、昨日ギターソロをコピーしたけど、難しい、長い。この曲を録ったときはもう8曲揃ってて、あんまりバラードがないから、思い切りバラードにしてもいいかなっていうアレンジの仕方をしたかな。kazu君が、「今回あんまりバラードがないから」と言って。自分では気づいてなかったけど、それなら思いっきりバラードでいいんじゃないと思って、何もしないみたいな、暗い感じの曲になりました。

●淡々と続いていくところが、日々が続いていく、流れていくような歌詞の内容と合っている気がしました。
大嵩 潤:僕は最初歌詞も知らないし、ちょっと暗くしたかったから、おじさんにしかできないことというか、若いバンドはやらないぞっていうことをやってみました。
aie:もうすぐ全員40代だからね。
大嵩 潤:そうですね(笑)。おじさんのロックを見せてやるって。
kazu:これどんなんだったっけ?
大嵩 潤:あれですよね、水戸黄門。

●水戸黄門?
aie:“♪人生楽ありゃ~”の前のダ、ダダダダン、ってあるじゃないです。あれがいいって俺が言ったんです。そのビートにあの歌が載ってる感じがよかったから。バラードでもないし、すごく中途半端な場所にいて、アレンジを後回しにしてたら、やっぱり残っちゃって。そこで、kazuさんから提案があったんです。で、何もやらないようにしようって。これがまた難しいよね。
大嵩 潤:難しいし、ライヴでやるときめっちゃ緊張すると思います。
aie:ギターが新鮮だよね、今まであんまりやってこなかった重ねるギターがいい雰囲気を出してますよね。ライヴでは無理だな。ルーパーでやろうと一瞬思ったんですけど、無理だなぁ。
大嵩 潤:そうすると、俺が聴きながら叩かなきゃいけないんだ。
aie:そう。
大嵩 潤:無理っすね(笑)。
aie:無理だね(笑)。しかもまず俺が、そのテンポで弾かなきゃダメじゃん。そんな練習してるぐらいだったら、ほかの曲を作ったほうがいいよね。

●らしいですね。「サックサクサンデー」は、これまでのバンドのイメージにない曲調に仕上がってますよね。
aie:あれも悩んだんですよね。普通のリフもののロックにもできるし。でも、大嵩さんのドラムが決まって、これだって見えたんですよね。

●歌い方も違いません?
aie:でしょ? “うー”で、ひとつ大人になった感じがする(笑)。そうね、あれかな、ちょっと人として変わったのかな、ここ2年ぐらいで。

●どう変わったんですか。
aie:配信とかでしゃべる機会が多いじゃないですか、楽器の演奏するよりも多いぐらい。楽器を持たずに、毎月2回ぐらいLOFTから配信をやってるから。「食べてみようのコーナー!」とか言って(笑)。

●それが、「サックサクサンデー」の歌にどう影響してるんでしょう?
aie:自分のキャラクターというか見られ方というか、そういうのがどうでもよくなったのかな。人に会ってないし、人から評価されないから、何でもできるようになった感じ。昔だったら、俺がこれをやって、クスクスって笑われたりするかもと思うのがすごくイヤだったというか。自分に対して勝手なイメージがあったけれど、直に何も言われなくなったこの2年でゼロに戻ったというか。何してもいい状態なのかな。

●でも、要素としてはaieさんの中にもともとあったものを出したんですよね、新たにつくったわけじゃなく。
aie:そう。フロアがそういう空気じゃなかったから出してなかっただけ(笑)。もともとフロアとステージが同じように盛り上がってるライヴがすごく好きだけど、「立ち上がろうぜ!」とか「手を上げろ!」とか言うバンドは好きなわけじゃなくて。NIRVANAもRed Hot Chilli Peppersも、煽らないけどフロアは揺れてるから。そういうバンドに憧れてる。だから、あんまりアジテイトしていこうとは思ってないけど、そうなってほしい願望はすごくあって。それが、いつの間にかフロアが固まってなんぼの勝負をし出したから(笑)。動かない選手権が始まってますからね。
kazu:そうだね。

●ステージ側としてはそんな感じに受け止めてるんですね。
aie:たぶんね、deadmanとかの俺のキャリアも影響してるとは思うんですよ。昔からそうだったから。しゃべっちゃダメとか、ルールがあるみたいな感じで。そういう雰囲気のライヴをやってきちゃったし、曲も暗い曲が多いし。
kazu:aieさんも、扇動を何回かは試みてるんですよ。チャレンジしてるんです。「カモーン!」って。
aie:無視されましたからね(笑)。
kazu:特にコロナ禍になって、最初の緊急事態宣言が明けてライヴがやり始められるようになると、客席に人数制限があるから椅子があったんです。別に着席はガイドラインに入ってなくて、あくまでもソーシャルディスタンスを確保するための椅子だったんですけど、座って観るのが定着してしまってるんです。
aie:お客さんもどうしていいかわからなかったんだと思う。
kazu:着席していなくていいことも説明してるし、aieさんも最初の2、3回ぐらいは「立っていこうぜ」って言ってたけど、でも結局全員座って観てるんですよね。
大嵩 潤:ライヴをやってても、審査されてるような感じっていうか(笑)。
aie:そうなんだよ。観る側としたら座ってるほうが楽だもんね。
kazu:興奮して立ちたくならないのかな。
aie:やっぱり座ると興奮しないよね、冷静に観ちゃう。バンドを分析し始めるでしょ。立ち上がることによって参加することになるわけじゃん、そうであってほしいよな。

●肉体と感情は案外くっついてるから、座るという行為の影響は大きいかもしれないですね。
aie:そうそう。立ってりゃ大目に見てくれるじゃん。座って観られてるときにシビアなミスを指摘されたら、ちょっと違うんじゃないかな。

●前回のアルバム取材のときに、俺らはもっと踊れるバンドなのにフロアはなかなか踊らないっていう話も出てましたよね。それはこのアルバムではちょっと違う感じなんですか。
aie:前回は4つ打ちが多かったからかな。
kazu:今回のアルバムを作ってる最中に、前回はそういうコンセプトだったのを思い出して、それをやっておかないといけないなって思いましたね。
大嵩 潤:そう言えばそんなこと言ってたなって思い出した。

●前回のようには意識してなかったということですね。
kazu:ん~、忘れてた。最初にシングルとして、『OH!CULT!』を出して、『チチルル』を出して、『マサカ逆様』を出して。それが結構激しかったんで、全体的にそういうアッパーな感じなんだろうなと思ってたんですけど、作ってるうちにそうじゃなくなったみたいな感じかな。

●1曲目の「三日月の鈍光」はオープニングに相応しい曲ですし、その流れからそういうアルバムかなと思いましたけど。この曲はもう最初から1曲目にしようと決めてたんですか。
aie:これは1曲目ですね。
kazu:1曲目と一番最後の「さらば青春のリボン」は、スタジオでアレンジしてる時点で決まってましたね。

●「さらば青春のリボン」はaieさんの弾き語りで聴いたほうが先だったので、個人的にはバンドでの仕上がりがすごく意外に感じました。
aie:カントリー調(笑)。でも、こっちのほうが先なんですよ。仮タイトルは「カントリー」だったから。去年の9月の新宿LOFTでやってるんだけど、誰かに「売れようとしてません?」って言われた(笑)。

●それは、メロディとかのキャッチーさからですかね。
aie:これまでの歌詞は、もっと露骨に人を殺してるじゃないですか。それがないからじゃないですか。それと曲調が合わさって、今までのゴッドを聴いてきた人にしたら、「あれ、何か売れようとしてない?」って感じるのかな。
kazu:あのリズムもあるよね。あのポップさが。

●売れようというか、これまでとちょっと違うみたいなのは感じてたりします?
大嵩 潤:僕はね、今まで作ってたのとそんなに離れてないイメージですね。ちょっと違うなっていう雰囲気はありますけど。大きく離れた印象はないです、今までどおりのエッセンスがあるというか。
kazu:カントリーのハネたリズムの感じは、今までなかったというぐらいですね。聴いててすごくキャッチーだとは思います。
aie:バラードにはしたくないって、最初に言った気がしますね。しっとり聴かせたくなくて。

●この曲で終わると、アルバムの聴き終わりが明るく、希望がある印象になりますよね。それを意識しての曲順ですか。
aie:そうですね。でも、これが1曲目だったらどうなのかなとも考えたりしたんだけど、そうしたら終わる曲がねえなとも思ったし。これが最後しかないなと。

やめないから10周年を祝わなくても関係ない

●これだけ時間をかけて作った結果ならではの作品になっているわけですね。
aie:予想外ですよね。もっと早くぎゅっと濃縮して作っとけばもっと違う作品になったから。去年の9月に出していたとしたら、さらに次の4枚目のアルバムの構想もあったので、今頃は全然違う展開になってたはず。
kazu:そうそう。もう違うことを始めたかったんだよね。

●違うことって?
aie:デジロックじゃないけど、

●いきなりどういうことですか!?
aie:その頃、偶然Jesus Jonesの昔のCDが流れてるのを聴いて、懐かしいと思って家でもJesus Jonesを聴いてて。そしたらkazuさんがBGMか何かのために、Jesus JonesのCDを持ってきたんですよ。それで、やっぱりいいかもねっていう話になって、「じゃあ4枚目はJesus Jonesにしよう」と。さらに、4thアルバムの前に予定してたミニアルバムも何となく見えてて。シングルのB面に収録した「-あれから-」シリーズのミニアルバムを作って、今回のアルバムと4thアルバムの間に挟むというプランがあったんです。

●それは今後の楽しみですね。まずは『LOVE YOUR BONE』リリース後の活動については?
kazu:リリースだけを決めちゃったんで、それ以外が何も追いついてない。レコ発も決めてないし、何もない(笑)。
aie:アルバムを買えるのも、ライヴか通販のみ。
kazu:これだけ時間をかけて作ったアルバムなのに。本当だったらレコ発でライヴをしたいし、ライヴハウスを押さえなきゃと思ってるんですけど、今バンドがみんな徐々に動き出してるんですよ。だから、今から曜日のいい日を押さえるとなると、来年の3月、4月になってくるかな。どうしようかって言いながら、この取材を受けてます(笑)。

●スケジュールが決まり次第だと。
kazu:呼んでもらえればね。
aie:うん、どこへでも。全然行く。全部乗っかるから(笑)。

●結果的に10周年をふんわり越えてしまったわけですけど、
aie:ふんわり越えるしかなかったから。

●10周年だ、みたいな感慨的なものはあったりするんですか。
aie:ないない(笑)。
kazu:正直ないんです。ないんですけど、これはおじさんあるあるなのかな、無理矢理にでも噛みしめたいっていう(笑)。わかる?
aie:(笑)あと何回くるかわかんないから?
kazu:記念日を噛みしめたい。せっかくあるからもったいないなって。
aie:ファンの目線だとそうですよね。お客さんのために10周年記念とかをやるのはいい。でもこっちはね、このバンドをやめる気がないんだから、10周年は特に関係ないわけじゃないですか。みんなが祝ってくれるなら乗っかるよって。
kazu:10周年がコロナで何もできずに終わって、去年は来年やればいいやと思ってたけど、今年もほぼ何もなくて。もう15周年でいいかなと思うようになっちゃってます。

●では、2022年の活動についてはどんなことを考えてますか。
aie:ずっと俺たちはライヴやってたいし、ツアーやってたいけど、今のこの状況で何ができる?って考えてて思ったのが、TikTokの進出(笑)。
一同:(爆笑)
aie:こないだテレビで、どれだけいいものを作ってても人に知られなかったら作ってないのと一緒だっていうのを聞いて、確かに!って思ったから。それで、TikTokだと。高校生とかがゴッドの音に触れることってないでしょ。ex. deadmanの人とかじゃなく、全く得体の知れない人として出会えるわけじゃないですか。高校生が、変な歌を歌ってんなって思ってくれたらいいかな。
kazu:この間その話をしたから、TikTokのアプリをダウンロードして登録したんだけど、開いた瞬間、すげえ気持ち悪い動画がバンバンあがってきて。俺、ビビッてすぐ削除したもん(笑)。もう一回調べてやっときます。

●ライヴハウスが身近じゃない人にもチャンスを作りたい気持ちはすごくあるということですよね。
kazu:全然あります。入りやすい音楽だと思うしね。
aie:ちゃんとしたアルバムだから、ちゃんと評価されたい。死んでから評価されるのはイヤですね、ゴッホ的なやつ。ピカソぐらい、生きてるうちに儲けたいですよ(笑)。

アルバム『LOVE YOUR BONE』の通信販売は、DAVID STOREから

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今回の読者プレゼントのために、CAN MAKE TOKYOのマニキュアから気になる色をセレクトしていただきました。喧々諤々パソコンの画面を一緒に見ながら、さてそれぞれがどんな色を選んだでしょうか。マニキュア&それぞれのサイン入りクリスマスカードのプレゼント応募と、『クリスマスの思い出』インタビューは、以下から。(応募締切は12月23日)

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