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緊急事態に思うこと。ちょっと真面目に。

2020.5.15. 永井ヒデユキ / THEE MAD COUNTRY'S STORE

今は、アパレルと映像の仕事を半々ぐらいでやってるんです。3月は、バンドさんからの物販制作の案件がキャンセルになったりして、コロナの影響はありましたね。バンドから発注を受けてて製造もしていて、あとはお金をもらうだけっていうところで、売る機会がなくなったんでご相談させてください、って言われるみたいなことがあったり。若いバンドマンとかお笑いの若手とかがバイトにいたりもするんで、本当に大変そうだなと感じてました。

ギルガメッシュのときに、地方に行くとライヴハウスの人とかイベンターさんと飲むことが多かったんで、今でも、新年の挨拶とか、大阪に行ったら大阪のライヴハウスの店長に連絡してご飯に行ったりしてるんです。それでコロナのことがあってから、連絡をとってみるとしんどそうなところが多くて。それで動かないといけないと思って、ライヴハウスとかを支援するプロジェクト「THEE MAKING CLAP STORY」を始めました。

自分のところで製造できるからコストもかからないし、安くやって極力ライヴハウスとかに還元したいと思ったんですね。関わりが深かった全国のライヴハウスさんに、自分の気持ちをメールにして、企画書を送って。そこでご賛同くださったライヴハウスの方々が今サイトに載っているところですね。プライドがあるから、自分たちでどうにかしますっていう人もいると思ったんで、余計なお世話ですが、恩返しさせてもらえませんかって、メールの文章はかなり考えました。

その後も、ライヴハウスの代表の方とやりとりして、デザインができたら確認していただいて、いつ解禁しますよって決めて、ニュースの文章を作って、プレスリリースを流して、各所確認とってって、すごく大変です。今度は支援金の整理をしなきゃいけないですし。ギルガメッシュのときも、事務所に入る前は、全国のライヴハウスに電話して出させてくださいってやってたから、あんまり変わらないかもしれないですね。バンドでやってたことが役立ってるのかも。

Tシャツのデザインも、MUCCの逹瑯さんとかにご提供いただいたり、音楽に関係することをやっているデザイナーさんとかに声をかけてるんです。無償提供してくださったりするんで有り難いです。第二弾で、The THIRTEENの美月くんとか、HOLLOWGRAMのryoさんとか、umbrellaの唯くんとかにデザインを頼んだ商品が出てます。

僕は今バンドをやってないですけど、生涯音楽に関わる仕事はしていきたいと思ってるし、映像の仕事でも物販制作でも音楽に関われてるんですよね。持ちつ持たれつなんだなって思いますね。バンドさんはクライアントさんなので、バンドさんがいなければ仕事がないということだから。バンド側にとっても作る場所は必要だし。歳くったんでしょうね、助け合いとか思うようになりました(笑)。今バンドをやってたら、狡賢く、今のうちに出し抜いてやろうとか考えてたかもしれないです。

「THEE MAKING CLAP STORY」はこれからも続けていくんで、6月にまた新たなデザインが出せるように5人のアーティストさんに頼んでいるところです。ライヴハウスとかには、お渡しする支援金をそれぞれの次の活動をするために役立ててもらえたらなと思ってます。そのために宣伝含め、もっと頑張っていきたいですね。

編集長の日記
緊急事態宣言が解除された地域もあり、「新しい日常」に向けて、一気にフェーズが変わった感があります。東京でも、休業要請がこれから段階を追って取り下げられていくことでしょう。
その中でも、ライヴハウスへの休業要請は最後の最後まで残ることになりそうです。感染対策をしながらライヴをすること、ライヴを楽しむことは、どうすれば成立するのか。これまでにない挑戦が始まります。ライヴだからこその良さを忘れることはありませんが、発想の転換は必要なんだろうなと、少し寂しく感じつつ想いを巡らせます。


インタビューという形を通して、アーティストがSNSなどで直接届ける言葉には乗らない“何か”を届けられたらと、コツコツがんばっています。その“何か”を受け取れた、と感じてくださったらぜひサポートをお願いします。大きな大きな励みになります。