見出し画像

Sakuraの5月18日

Sakura / ZIGZO, Rayflower, gibkiy gibkiy gibkiy

今日は起きて、風呂に入って、今(取材は16時)は、この取材を受けてます(笑)。今は、昼に起きるような生活になってますね。必要以上に自宅にいる状態で、ワーカホリックになってる俺が何をするかというと、10年近くそのままだったハードディスク内を全部整理したりしてます。自分のスタジオの内装をいじったり。

毎月、東京と名古屋と大阪で、ドラムのマンツーマンレッスンをやってるんです。今はそこに行けないから、オンラインレッスンをしようと思っていて、そのやり方を考えたり、zoomの使い方を試したり。あとは、YouTubeチャンネルを更新したり。gibkiy gibkiy gibkiyの曲を本人が叩いてみた、みたいな感じで叩いたのをあげてみました(笑)。

今みたいに過ごす、こういう機会はないと思うんですよね。だから、時間が与えられたんだと思って、いつかやろうと思ってたことをやってるんです。いずれ、かつてと全く同じ日常には戻らないのかもしれないけど、少なくとも現状よりマシな状況にはなると思うんです。そのときのことを考えると、今の時間を浪費してはいられないですよね。

ライヴとかエンターテインメントを、ネットで提供する時代になりかけていたし、コロナでさらに速まったと思うんです。我々は、年齢50歳ですけど、旧世代の人間で、人前で演奏することがなんぼと思って生きて来たんですね。だから、今起きていることに対するとまどいは隠せないです。でも、だからこそ、なおさら頭を切り替えないとダメだなって思う。夢のない話かもしれないけど、この生業を続けて生きていくためには、そこは変えないと。でもやっぱり、ゴールは人前で演奏することなんです。

音楽って、やっぱり人に提供するものですから。絵画、彫刻、音楽、古から続いている芸術が何のためかといったら、最終的には自分自身のためかもしれないけど、その過程は人のため。人に提供するために、昔だと電波もなかったから人前しかなかっただけで、ラジオだったり、レコードが出て来て、さらにテレビがあって。今はネットになった、ということなんです。

会場に足を運べない人にも自宅で我々の演奏を楽しんでほしいから、録音をしてきたんですよね。それでもやっぱり生の演奏がいいから、我々はライヴをするし、お客さんはライヴに来る。だから、発想は切り替えるんですけど、やっぱりみんな生がいいんです。そう思ってますよ。

大きい話になりますけど、少し前までは、ミュージシャン本来の姿に戻ったんだと思ってたんです。CDを売って印税で食っていく云々というのは、20年前の話ですよね。CDが売れなくなって、どこでバンドが収益をあげるかとなったときに、ライヴがまた注目されたんですよね。でもこれは、人前で演奏することを生業としているミュージシャンとしては、当たり前のことだったはずなんです。

それがコロナで、強制的に人前で演奏することではなく、媒体を介した形で音楽を届けていく形にまた変わったと思ってます。テレビで音楽番組がたくさんあったときはテレビ発信だったし、CDが売れてるときはオリコンとか音楽雑誌の露出度で知名度が上がったじゃないですか。今は、WEB上で何を提供したかというところで判断されたりするようにまた変わっちゃった。でも、それを悲観してるだけじゃないです。

無観客の配信のライヴとかもちょっと見てみたりするんですね。最初、やだな、こんなのって思ったりしたんだけど、これはテレビの音楽番組の収録と同じだなと思って。過去にはL’Arc~en~Cielに在籍してたし、サポート業でもテレビの収録は何度もあったんで、そのときの発想と同じなんだなと。目の前のものではなく、カメラの向こうにいる、こちらからは見えないけど、少なくとも多くの人に伝わる何かを提供するものなんだと気づきました。

それがgibkiy gibkiy gibkiyにできるかはわからないけどね。でも、そこはトンチの利かせようだと思う。kazuma君だったら、本能的に面白いアイデアとかが出て来るんじゃないかなと思うんだけど。お客がいないのを逆手にとった何か、カメラの向こうに戦慄を覚えさせるような何か。

こんな風に、バンドのこれからをずっと考えたりして過ごしてます。今日はこれから、ん~、晩御飯何にしようかなって考えながら、ドラムでも叩こうかな。自炊もするし、料理するのは嫌いじゃないんですよ、得意かもしれない。いっぱい食べてるけど、ドラムを叩く前はストレッチをしてるし、運動不足とは無縁ですね。酒太り以外は太ることもないです。正直、お酒の量は増えたかもしれないですけど。平々凡々に暮らしてますよ(笑)。

編集長の日記
自粛生活が続いて、曜日の感覚がさらに拍車をかけて薄れていってます。今日が週の始まりだったとは…と今になって気づいている始末。
ぼんやりしていても、時間だけは容赦なく過ぎて、もう夏がやって来そうです。人にも会えず、仕事もいまいち進まず、いろんなことが止まっているようですが、時間だけは過ぎていきます。そして誰もが同じように確実に年を重ねる。自分がオリンピック選手だったら…と考えます。年齢のために引退を考えて、東京オリンピックを最後にしようとしていた選手なら、1年延期になるのは大きなことでしょう。でも、誰だって今の年齢の自分は今この瞬間しかなく、そこで全力を出さないでどうするんだ~と、自分に言い聞かせる日々です。

インタビューという形を通して、アーティストがSNSなどで直接届ける言葉には乗らない“何か”を届けられたらと、コツコツがんばっています。その“何か”を受け取れた、と感じてくださったらぜひサポートをお願いします。大きな大きな励みになります。