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ガザの惨状や子どもたちを思いやるエリック・クラプトン

 有名なイギリスのシンガーソングライターで、ギターリストのエリック・クラプトンは、昨年10月にハマスの奇襲攻撃があってからおよそ1カ月後に“Voice Of A Child”というインストルメンタル曲をリリースした。その映像にはガザの子どもたちの不安げな表情、涙をこぼす姿、あるいは破壊が進んだガザの様子、世界のガザ攻撃に反対する人々などの画像とともに、彼らの心情に寄り添うクラプトンの情感が表れている。 (映像はhttps://www.facebook.com/watch/?v

    • アメリカ議会に招待されたネタニヤフ首相とフランス歌謡シャンソンに表現されたパレスチナ

       イスラエルのネタニヤフ首相がアメリカ議会に招待され、スピーチを行うのだそうだ。首相府を通じて「上下両院でイスラエルを代表し、我々を破壊しようとする者たちとの正義の戦争について、アメリカ国民の代表者と全世界へ向けて真実を語るという栄誉に大変感激している」という声明を出した。あらためてアメリカ政界の感覚や認識が世界とはずれていることを見る思いだが、バーニー・サンダース上院議員は「ベンヤミン・ネタニヤフは戦争犯罪人で、上下両院合同会議で演説させるべきではない。私は絶対に出席しない

      • スペイン・バレンシア大学理事会はイスラエルに国際法の遵守と人権侵害の停止を訴える

        5月30日にNHK・BSで「アナザーストーリーズ 東大安田講堂事件 あのとき学生は何と戦ったのか」の再放送を観た。 (番組全体は https://www.dailymotion.com/video/x8drdbg  で視られる。)  学生たちの運動の発端となった医学部の無給の研修医制度など大学の改革を求める学生たちの声に大学当局が真摯に耳を傾け、警察を使って学生の排除などを行わなければ、入試中止などの泥沼の事態に至らなかっただろう。  いま、欧米で起こっている学生たち

        • イスラエル極右は歴史を知らない ―ナチス傀儡のヴィシー政権からユダヤ人を救ったムスリムたち

           イスラエルの極右閣僚イタマル・ベンビール国家治安相はエルサレムのイスラムの聖地であるハラム・アッシャリーフをユダヤの神殿に変えると主張し、ハラム・アッシャリーフの敷地内でユダヤ教の礼拝を再三行い、またベングビール氏と同じ極右政党「ユダヤの力」に属すアミハイ・ベン=エリヤフ・エルサレム問題・遺産大臣はラマダンなど消滅してしまえと発言するなど、彼らにはイスラムに対する敬意が感じられない。イスラエルにイスラムに対する敬意がないことは、当然のことだが、ガザでモスクを空爆して破壊した

        ガザの惨状や子どもたちを思いやるエリック・クラプトン

        • アメリカ議会に招待されたネタニヤフ首相とフランス歌謡シャンソンに表現されたパレスチナ

        • スペイン・バレンシア大学理事会はイスラエルに国際法の遵守と人権侵害の停止を訴える

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          パレスチナ人への同情や共感を表す世界の著名人たち

           イスラエル軍が26日夜に行ったガザ地区最南部ラファの北西部の空爆によって避難民が密集して生活していたテントなどが焼失し、45人が死亡したが、そのうち子どもや女性が23人いたことは世界に大きな衝撃を与えている。イギリスのシンガーソングライターで、9000万人近いインスタグラムのフォロワーがいるデュア・リパも"#AllEyesOnRafah"のハッシュタグとともに、「子どもたちを焼き殺すことは決して正当化できない。世界は全力でイスラエルのジェノサイドをやめさせなければならない。

          パレスチナ人への同情や共感を表す世界の著名人たち

          ヨーロッパはラファの難民攻撃に起ちあがる ―2つの国家なしに2国家解決はあり得ない

           イスラエルのガザ地区ラファ攻撃に対してヨーロッパ諸国では憤りや反発の声が上がるようになった。フランス・パリでは、1万人規模の抗議集会がパリのイスラエル大使館近辺で行われ、「われわれは皆ガザ市民だ」「ガザに自由を!」などのスローガンが叫ばれた。パリでは先月終わりから今月にかけてパリ政治学院の学生たちが大学施設の一部を占拠して、イスラエルのガザ攻撃を非難したことがあった。  28日、アイルランドはスペインとノルウェーに続いてパレスチナ国家を正式に承認した。アイルランドのサイモ

          ヨーロッパはラファの難民攻撃に起ちあがる ―2つの国家なしに2国家解決はあり得ない

          ジェノサイドを許さない ―ナチスのホロコーストに由来し、平和を訴える長崎四種のバラ

           イスラエル軍が26日にガザ地区ラファで行った空爆で少なくとも45人が死亡した。イスラエル軍は国際司法裁判所(ICJ)攻撃停止命令を出した後も攻撃を継続しているが、犠牲者の大多数は民間人で、武器をもたない民間人を多数殺害することはジェノサイド(大量虐殺)としか言いようがない。  2011年4月12日にナガサキピースミュージアムの西側・三角芝生スペースに「平和のバラ園」が設けられた。植えられている品種は、「アンネのバラ」「プレイpray(祈り)」「セント・コルベ」「ピース」の

          ジェノサイドを許さない ―ナチスのホロコーストに由来し、平和を訴える長崎四種のバラ

          ガンジーの平和観と、シオニズムはイギリス帝国主義の一環と考えたガンジー

           インド独立運動の指導者ガンジーは、「暴力は何も解決しません。愛、お互いを信頼する心、理性が問題を解決します。みんなが共存することが大事なのです」と語り、サティヤーグラハ(真理の把握)運動を推進した。この「真理の把握」に、ガンジーは非暴力抵抗運動という意味を込めるようになった。 「平和は自分の内面にあり、周囲の状況に左右されない」-ガンジー  ガンジーは、自らが抵抗するイギリス植民地主義が支援したシオニズム運動(ユダヤ人の国家をパレスチナに建設する運動)をどう見ていただろ

          ガンジーの平和観と、シオニズムはイギリス帝国主義の一環と考えたガンジー

          ヒューマニズムこそ不正への抵抗手段 ―エドワード・サイード

           アメリカのパレスチナ系文学者のエドワード・サイード(1935~2003年)は、アラブ諸国やイスラエルの音楽家から成る西東詩集管弦楽団の設立(1999年)に際して「ヒューマニズムは、人類の歴史を損なう非人道的な慣行や不正に対して私たちが持っている唯一の抵抗手段です。人々の間の分離は、人々を分かつ問題の解決策とはなりません。そして確かに他者への無知は何の助けにもなりません。私たちが共に暮らし、演奏し、共有し、愛してきた音楽にあるような協力と共存が、そのような助けになるかもしれま

          ヒューマニズムこそ不正への抵抗手段 ―エドワード・サイード

          国際司法裁判所(ICJ)のラファ攻撃停止命令と、ICJ無視のイスラエルに日本政府は圧力をかけるべき

           ユダヤ人の詩人ハインリヒ・ハイネ(1797~1856年)は、「人間を照らす唯一のランプは理性であり、生の闇路を導く唯一本の杖は良心である。」(ハイネ 『ドイツの宗教と哲学』)と説いた。ナショナリズムは、このハイネが説く理性とも良心とも対極にあり、その自己陶酔がどこまで行くかわからない、または果てないことは、シオニズムというナショナリズムに基づく国家のイスラエルによるガザ攻撃を見ればわかる。  24日、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所は、ガザ住民に取り返しのつかない損害

          国際司法裁判所(ICJ)のラファ攻撃停止命令と、ICJ無視のイスラエルに日本政府は圧力をかけるべき

          重大な人権侵害である「冤罪」 ―袴田事件と古今東西の事例は冤罪の非人道性を訴える

           22日、静岡地裁での再審(=やり直し裁判)で検察は袴田巌さんに死刑を求刑した。昨年3月、東京高裁が「袴田事件」について再審開始を認める決定を行い、検察側の「証拠」が捜査機関のねつ造の可能性が極めて高いと指摘したにもかかわらずである。  この事件については静岡地裁の元判事が信念に反する判決書を書いたとことを告白し、袴田巌さんの無罪を涙ながらに訴えた。真実はすぐそこにあるように思えるにもかかわらず、袴田事件はいまだに無実が最終的に認められていない。また、疑わしきは罰せずの大原

          重大な人権侵害である「冤罪」 ―袴田事件と古今東西の事例は冤罪の非人道性を訴える

          パレスチナ国家承認を行った共存の伝統をもつ国―スペイン

           22日、スペイン、アイルランド、ノルウェーのヨーロッパ3カ国はパレスチナ国家承認を行うことを明らかにした。  スペインのサンチェス首相は、「パレスチナは我々スペイン人と共にあり、パレスチナ人の土地とアイデンティティもまたスペイン人の心の中にあり、これらは国際法によって正当性が認められ、調和のとれた地中海社会に貢献するものだ」と述べた。サンチェス首相は過去にパレスチナ国家は、東エルサレムを首都としてガザ、ヨルダン川西岸によって構成されると明言したことがある。  また、サン

          パレスチナ国家承認を行った共存の伝統をもつ国―スペイン

          ネタニヤフ首相へのICCの逮捕状は「言語道断」と語るバイデン大統領はプーチン大統領への逮捕状は「正当」だと肯定した

           オランダ・ハーグに本部を置く国際刑事裁判所(ICC)は20日、イスラエルのネタニヤフ首相、ガラント国防相、またハマスの指導者たちに逮捕状を請求した。イスラエル政府首脳への逮捕状について米国のバイデン大統領は「言語道断(outrageous)」と語り、ブリンケン国務長官は21日、議会との連携の上にICCに対する制裁の可能性を探っていくと述べ、米国政府が逮捕状に強く反発していることを明らかにした。  ところが、昨年3月、ICCがロシアのプーチン大統領に逮捕状を請求した際には、

          ネタニヤフ首相へのICCの逮捕状は「言語道断」と語るバイデン大統領はプーチン大統領への逮捕状は「正当」だと肯定した

          ダルビッシュ投手の「200勝」とイランの詩的世界

           サンディエゴ・パドレスのダルビッシュ有投手が日米通算200勝を上げた。ダルビッシュ有選手の投ずる変化球はまるでピンポン玉が空中を浮遊するかのようだ。イラン人は優れた巧の技をもっている民族で、彼らのつくる絨毯、装飾皿、タイルなど工芸品は精緻を極める。イラン人の父親をもつダルビッシュ投手にはそのようなイラン人のDNAを感じてしまう。  ダルビッシュ投手は様々な社会貢献を行い、公式戦で1勝するたびに羽曳野市に10万円を寄付する「ダルビッシュ有子ども福祉基金」を2008年から始め

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          ルイ・アームストロングの「素晴らしき世界」が教えるガザ戦争と環境問題

          今年4月22日に発表されたDiscover Musicの「ベスト・アースデー・ソングズ:30の環境を救うクラシックスBest Earth Day Songs: 30 Save The Environment Classics」で1位となったのは、ジャズ・トランペット奏者で、歌手のルイ・アームストロングの「この素晴らしき世界(What a wonderful world)」だった。 https://www.udiscovermusic.com/stories/best-ear

          ルイ・アームストロングの「素晴らしき世界」が教えるガザ戦争と環境問題

          「大谷翔平の日」と、米国のパレスチナ政策に矛盾を感ずるアジア系の人々

           17日、ロサンゼルス市は、5月17日を「大谷翔平の日」に制定した。制定の理由は大谷選手の野球選手としての実績を称え、日系住民として重要な影響をロサンゼルス社会に与えたことなどを考慮したものだ。5月は米国ではアジア系の人々の功績を称える月間となっている。  太平洋戦争中、日系人は様々な差別を受けた。ロサンゼルスの大学にいた時、ギリシア系の教授が太平洋戦争の始まる頃、ロサンゼルスで最も成功したコミュニティは日系人たちだったと教えてくれたことがあった。勤勉な日系社会は商業や農業

          「大谷翔平の日」と、米国のパレスチナ政策に矛盾を感ずるアジア系の人々