村松克哉

これまで化学・電機メーカーを30年間勤務、営業とマーケティングを行っていました。退職後…

村松克哉

これまで化学・電機メーカーを30年間勤務、営業とマーケティングを行っていました。退職後は、岩手県の農業法人に4年、横浜の半導体関連ベンチャーに1年半。さすがにこれ以上の転職は無理と悟り、フリーランス編集・ライターを目指して勉強中。ワントゥワンマーケターでもあります。

最近の記事

MSCI指数構成銘柄の定期見直し

 MSCIとは「モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル社」の英語の頭文字をとったもので同社が算出・公表する株価指数の総称を「MSCI指数」と呼んでいます。MSCI指数は世界の多くの投資家や投資信託などの運用の基準として採用されています。MSCIによればMSCI指数をベンチマークとして運用する資産総額は16兆3000億ドル(約1870兆円・2021年6月末時点)に上り上場信託(ETF)については1300本以上(2020年3月末時点)がMSCI指数をベンチマークにし

    • 日本のコミュニケーション・スタイル

       日本は歴史的に島国でうちに閉じていた歴史が長く日本人特有の文化やコミュニケーションを育んできました。そのため日本と海外のコミュニケーション文化にはいくつか違いがあります。  日本では非言語コミュニケーションが非常に大切です。相手の表情や身振りから意図を読み取ることが一般的です。LINEスタンプ・絵文字など言葉を使わない非言語コミュニケーションを普段からしています。言葉だけでは伝えきれない感情やニュアンスを表現するためです。空気を読むことや相手の気持ちを察することが大切とされ

      • 大統領選は小が大を制するか

         政治資金規正法が問題となっている日本にあって米国の選挙資金集めは堂々としている印象さえ受けます。11月の大統領選に向けた選挙資金で一般の人々から募る小口献金が目立っています。資金調達のデジタル化が進みバイデン大統領の陣営は小口献金が集金額の半分近くを占めます。トランプ前大統領の陣営もグッズ販売を含めて草の根レベルの集金を強化しています。  「政治はカネ次第」は現実なのでしょう。米国大統領選につぎ込まれる資金規模は今世紀に入って以来、民主・協和両党候補ともに顕著に拡大してきま

        • SalesforceのCRM革命は本当か

           クラウドベースの顧客関係管理(CRM)と営業支援(SFA)ソフトウェアを手掛ける米国のSalesforceの株価が29日の時間外取引で一時約16%下落しました。第2四半期の売上高は最大8%増の92億5000万ドル(約1兆4600億円)の見通しで予想通りとなれば売上高伸び率は四半期として上場企業となったこの約20年で初の1桁台となり過去最も低調となります。業界が人工知能(AI)ツールにシフトする中で同社が存在感を維持できるかどうか懸念が高まっています。  CRMはCustom

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          中国の資本政策「国九条」とは

           中国の金融市場は様々な課題に直面しており新たなガイドラインを手掛かりとした断固たる措置が求められています。経済成長のスピードが鈍化してマクロ経済のファンダメンタルズに下方圧力がかかり経済運営における不確実性も高まっています。不安定な不動産市場により市場心理がさらに悪化する懸念が高まるとともに国際資本市場に悪影響が及ぶ不安が国内の混乱の引き金となる恐れがあります。さらに土地譲渡益の大幅減少が地方政府の債務急増に拍車をかけ債務不履行リスクも高まっています。  こうした状況で新「

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          賃金と物価の好循環のためには生産性向上が絶対条件

           企業価値を本質的に見極めるのは自己資本の成長を見ることです。事業基盤が強いかどうかは自己資本の成長が本質的な価値を表しています。短期目線では期待と誤算が生じる可能性が高く、中長期目線で見る必要があります。  春闘の賃上げが過去最高となり還付もあり個人消費に好影響と期待されていますが、実際のところはどうなのでしょうか。賃上げが持続的に見込めない限り貯蓄に回ってしまいます。政府の短期政策では期待が見込めないと思います。  同様に企業の本質的な価値を予測するには中期経営計画を見る

          賃金と物価の好循環のためには生産性向上が絶対条件

          全米で日本食人気の背景

           円安でインバウンド客は増加しており、日本で経験した日本食が米国で人気となっています。高級日本食レストランはフレンチやイタリアンに並ぶ勢いで伸びていくと予想するアナリストも出てきました。  人気は寿司・ラーメン・餃子です。特に寿司は圧倒的で訪日外国人が滞在中に食べた日本料理では68.3%が寿司をあげています。また、ラーメンも豚骨ラーメンを中心にメジャーな麵料理として知られており日本の様々なラーメンの味に外国人の興味は高まっています。  日本食ブームは1960年代後半に米国で起

          全米で日本食人気の背景

          中国の半導体国策ファンドは半導体過剰生産の幕開けか

           中国政府は半導体産業に投資するため3440億元(約7.4兆円)と過去最大規模の第3号ファンドを立ち上げたことを明らかにしました。ファンドは米国が中国に向けた半導体や関連技術の輸出規制を強める中で打ち出されました。  筆頭株主は財政省で出資比率17%です。そのほか大手国有銀行や上海市・北京市・深圳市など地方政府系投資会社が株主に並びました。2014年に設立された第1号ファンドの資本金は約1000億元、2019年の第2号は約2000億元で今回は大幅に増額しました。  コロナ禍に

          中国の半導体国策ファンドは半導体過剰生産の幕開けか

          寄付大国インドネシア、ケニアとアメリカ

           英国のチャリティエイド基金(CAF)によればインドネシアが世界でNo.1のチャリティ大国です。CAFは95年の歴史があり毎年世界の主な国を対象に3つの慈善基準(困っている他人を助けたことがあるか・チャリティに金銭を寄付したことがあるか・ボランティアに時間を割いたことがあるか)に分けてランク付けをしています。調査対象国は119か国です。  インドネシアがチャリティ大国である理由には宗教があります。インドネシアの人口は約2億8000万人ですが、そのうちの2億3100万人がイスラ

          寄付大国インドネシア、ケニアとアメリカ

          EBITDA有利子負債倍率

           EBITDA有利子負債倍率は企業の負債返済能力を評価する指標で有利負債をEBITDAで割った値です。この数値が高いほど返済負担が重いことを示し、企業の財務リスクが高いと判断されます。  EBITDAは企業価値評価の指標で利払い前・税引き前・減価償却前利益のことをいいます。会計上の利益である純利益に関係する税率や借入金利・減価償却費の扱いは企業によって異なるため、EBITDAは国際的な企業価値の比較や評価をする場合、こうした違いを排除した控除前の利益としてEBITDAが有効と

          EBITDA有利子負債倍率

          AIファクトリー構想

           NVIDIAのJensen Huang氏は、ここ最近の変化を「情報から学ぶだけでなく、生成するようになったこと」と述べる。これを「トークン」と表現し、2023年に作成されたトークンの数が10兆件、2028年には100倍の1000兆件になると予想しています。AIの適用範囲はインターネットのような広がりになっています。AIは次の産業革命だといいます。エレクトロニクスの製造の時代があり、ソフトウェアの製造の時代になった。これからはインテリジェンスの製造の時代を迎えることになります

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          ゲーム中毒者が急増

           今や一大産業となったゲーム業界。刺激的なゲームを出して競争が激化していますが、ゲームを消費する側に影響が出ています。新型コロナウィルスの影響でゲームに費やす時間や金額が増え、習慣化してゲームをやめたくてもやめられず、日常生活よりゲームを優先するゲーム依存症が増えています。依存症になると不登校やインターネット依存、情緒や行動の問題を抱えやすいといった傾向も見られます。  専門家によれば1日のゲーム時間が「平日2時間・休日3時間」を超えるとゲーム依存のリスクが高まることがわかっ

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          PC各社、AIチップとArm搭載「Copilot+ PC」を一斉発表

           Windows PCメーカー各社がMicrosoftを筆頭に高いAI実行性能を持つ「Copilot+ PC」の販売を発表しました。「Copilot+ PC」の要件は(1)1秒間に40兆回の演算(40TOPS)以上の性能をもつニューラル・プロセッシング・ユニット(NPU)を持っているとMicrosoftが承認するプロセッサやSoC、(2)16GB以上のDDR5/LPDDR5メモリ、(3)256GB以上のSSD/UFSストレージ、の3点です。これらの要件はMicrosoftのA

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          スピード感が武器になる経営

           企業は社会の変化に応じて変化する顧客の欲求に対応することが絶えず求められます。顧客の欲求を満足させ続けることが大切でこれが企業の持続性につながります。スピード経営とは事業環境の変化に対して情報収集・意思決定・実行のプロセスを迅速に回していくことです。  経営の多角化・市場ニーズの多様化・技術革新が進む現代においては事業や商品のサイクルが短縮しており、そのスピードについていけないと機会損失や過剰在庫が生じます。自然災害やパンデミックが起こるとこれから先はどのような想定外の事態

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          福岡で屋台復活の秘密

           福岡の夜といえば屋台。移動式店舗の地べたで繰り広げられる食文化と歓楽街のネオンが何とも言えない情緒を醸し出し、日本のよき食文化の一翼を担ってきました。しかし、福岡の屋台は減少の一途をたどり、寂しいことになっていました。今、福岡の屋台が復活、経済効果も12年で2倍増の104億円となり話題となっています。地方活性化のヒントとなるかもしれません。  最盛期には400軒以上あった福岡市の屋台は4割ほど減り、今では160軒ほどになってしまいました。その原因は屋台営業者の高齢化と行政の

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          デザイン思考で世界に挑む

           デザイン思考(Design Thinking)とは、ユーザーが抱えるニーズを起点にアイデアやプロダクト制作・効果検証などを行いながら課題解決に取り組む思考様式・プロセスを指します。ヒューマン・センタード・アプローチともいわれ、ユーザーの感情や意見を大事にする手法です。デザイナーやクリエイター以外の職種においてもデザイナーの思考法や作業プロセスを取り入れることでユーザー視点から本質的な課題を抽出し解決を目指します。  日本では2017年に策定された「デジタル・ガバメント推進方

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