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ドイツの家探しに必要な書類(個人情報だだもれうんざり編)

ベルリンで家探しをする際には、内見の前に様々な書類を求められます。一般的には以下のようなものです。
- 給与明細(過去3か月分)
- 履歴書
- 銀行口座の残高証明書
- 雇用契約書
- 個人の信用情報(Schufa)
- 現在の賃貸契約で、家賃支払いの遅延や踏み倒しがなかったことを証明する大家からの一筆

見ず知らずの人になんでこんな個人情報をさらさないといけないのかと思いますが、嫌がるとスタート地点に立つ前に家探し競争から脱落します。我々はベルリンに来て間もないのに、夫のスマホに「あなたのペイパルでビットコインが買われたのですが、大丈夫ですか?」という詐欺電話がポーランドからかかってきました。賃貸物件探しの途中で提出した情報が、どこかで流出したのではと疑っています。

毎回気になるのですが、渡した個人情報の取り扱いについて説明されたことは一度もありません。正直、個人情報保護でクッキーがどうのとかどうでもいいので(毎回クリックするの面倒だし)、政府にはこちらを規制していただきたいです。クッキーで集めているのは所詮匿名化されたビッグデータの片鱗でしょ。でも内見時に見せないといけないのは、給与明細とかちょう属人的個人情報です。優先順位が違いませんか。

みんなよくこんなの我慢できるなと思っていたら、Notes of Berlinで面白い張り紙を見つけました。Notes of Berlinは、ベルリンの街角にはられている様々なメッセージを誰でもシェアできるサイトです。前回の記事で書きました。

学生のアグネスは、そんな書類は出したくないけど、アパートを探してるそうです。ベルリンの不動産市場が意地悪っぽいおばはん(おじさん?)に擬人化されて、アグネスが困っています。無関係な私もめちゃくちゃ共感しました。それで物件をゲットできるわけでもないのに、個人情報書類を出すのは本当にうんざりです。写真を見る限り、アグネスの連絡先のぴらぴらが全てなくなっています。ユーモアのある人たちからの連絡をたくさんもらえて、アグネスが希望通りのアパートをゲットできたことを祈ります。

もうひとつの張り紙は、アパートを退去する人が次の住人を探しているものです。ベルリンではひとつの賃貸物件に何百件という問い合わせが来るのですが、この方はそういうのをさばくのはイヤだそうです。かわりに希望者には、WhatsAppにチューバッカの叫び声だけのボイスメッセージを残すよう呼びかけているのです。叫び声が一番の人が内見と賃貸契約の権利を得るそうです。勝てる気はしませんが、こんな競争なら私も参加したかったです。

ベルリンにはどうやら、資本主義の価値観とは別軸の価値基準をもつ人々もわずかながら生息しているようです。よって家探しに困ったら、アグネスのように住みたい地区にセンスある張り紙を出してみるのもありかもしれません。私の勘ですが、フォースで書類審査をすっ飛ばして素敵なアパートが見つかる可能性が、0.38%くらいはありそうです。

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