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ベルリンの家探しでつまずいたこと(Wunderflats編)

ベルリンの家探しでは、民泊系賃貸物件仲介ポータルサイト、Wunderflatsにかなり失望しました。ここではその感想(恨み節)をまとめました。

ベルリンに来てからの家探しでは当初、Wunderflatsのみを使っていました。Wunderflatsは民泊系物件メインなので長期賃貸物件は扱っていないようですが、当面は、1年くらい住めるところがあればいいやと思ったのです。サイトは、直観的なデザインで使いやすいです。家賃も、暖房光熱費などがこみこみなので毎月の家賃が明確だし、大家ともめたらWunderflatsが間に立って仲介してくれるだろうという安心感もありました。

ただ、使っているうちに以下の問題点が明らかになってきました。
1. 細かい点が気になっても、大家に事前の問い合わせができない。
下記2の契約書作成段階に進み、手数料を支払うまでは大家との連絡手段がない。
2. Wunderflatsに初期費用(249ユーロ)を払わないと、契約書作成段階に進めない。Wunderflatsは毎月の家賃の10%以上の金額を自動的に受け取るのに、ここでも初期費用が発生します。メールで問い合わせたところ、この費用は大家に問題がある場合のみ返金されると言われました。返金ポリシーが曖昧な点も気になります。
3. Wunderflatsに伝書鳩機能しか搭載されていなかった。
私が契約書作成で大家と揉めた際に、Wunderflatsは一切介入しませんでした。「大家と直接交渉して」で終わり。よく言えば中立、別の言い方をすれば金をとって傍観しているだけの関係者です。深刻なトラブル発生時に積極介入してくれるのかどうかよくわかりませんが、当てにはできなさそうです。
4. メールが全部タメ語。「Du」じゃねぇだろ、ビジネスなんだから。(多分ですが、若者がメインターゲットなので、気安い雰囲気を醸し出したいのでしょう。でも中年層の私は違和感を感じました。)
5. こみこみ家賃を謳っているが、そこまでこみこみじゃない場合もある。

我々の場合ですが、Wunderflatsからは13時過ぎに契約書のドラフトが来て、その日の19時までにサインしろと要求されたので、困惑しました。その時間までに契約が成立しなければ、この話はなかったことにするとの大家からのメッセージつきでした。

肝心の契約書には、一番最初に「大家がアパートの所有者とは限らない」という曖昧な文言が明確に書いてあり、更に「Warmmiete」でこみこみ家賃のはずが、電気代と暖房代がそれぞれ20ユーロくらいしか含まれていませんでした。しょうがないので時間稼ぎに色々質問と交渉をしたら、大家が有言実行な人で、予告通りキャンセルされました。借りたい人間は他にもいくらでもいるから、面倒な客はお断りということなんでしょうか。

しかし借り手の立場からすると、大家が物件の所有者ではない「かも」しれない契約書にサインするのは、リスクが高すぎます。担当者に事情をきいても「個人情報なので教えられないけど、この大家さんは複数の物件をWunderflatsに出していて今まで何のトラブルもなかったよ」という的外れな周辺情報が共有されたのみでした。それはちょっと無責任すぎるのではと、Wunderflatsにも大家にも失望しました。

今回は、契約書作成手数料がなぜか発生しなかったので、それだけ助かりました。大家が複数物件をWunderflatsに出していると、何らかの裏サービスがあるのかもしれません。私の時のように、大家が横暴になる傾向も同時に強まりそうですが……。

次もこれでは埒が明かないと思ったので、結局Wunderflatsのアカウントは削除し、Kleinanzeigenで次のアパートを見つけました。直接交渉のほうが色々面倒な分、自己責任で進められるのでやりやすかったです。

ベルリンの家探しで難しいのは、物件が少ないことに加え、王道というか、定石がないこともあると思います。日本なら不動産屋やスーモが家探しのメイン手段としてあります。対するベルリン(ドイツ?)は、選択肢が多くあるかわりに、メインがありません。慣れない環境で様々な媒体を試しながら、自分に合ったやり方を模索し、自分の条件に合致した物件を探すわけです。同時に今の賃貸契約の期限も迫ったりするわけで、こんなきつい椅子取りゲームはあまりやりたくないというのが正直な感想です。

これだけ住む場所があるのに、自分が住める家はどこにもないという気持ち……。焦りと絶望と疎外感とわずかな希望がミックスされた独特の心境になります。


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