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「ハリソン内科学」「カンデル神経科学」「総合内科病棟マニュアル」「INTENSIVIST」「Hospitalist」「LiSA」等刊行、医学書出版社メディカル・サイエンス・インターナショナルです。さまざまな商品情報を公開します!

マガジン

  • 2023年1月創刊!『BeyondER(ビヨンダー)』

    救急に関わるすべての医療者のための総合誌『BeyondER(ビヨンダー)』に関するマガジンです。 編集委員の先生方からのメッセージを中心に紹介していきます。

最近の記事

読者一人ひとりが「一歩進んだ救急医(Beyond ER)」になるために

診断や治療が目まぐるしく変化する現代医学で,臓器横断的に知識をアップデートしていくことは容易ではありません。しかし,救急医の守備範囲は「臓器横断的である」という特性から,急性期診療においては各専門家と対等なディスカッションが求められます。加えて,病院内だけでなく病院外や行政,公衆衛生的な視座も求められます。 これらはすべて,救急医のやりがいとなるものですが,そうした学びがいつもどこでも用意されているわけではありません。本誌で,読者一人ひとりが「一歩進んだ救急医(Beyond

    • 進化を遂げたい次世代救急科医師へ,真心をもって捧げる雑誌

      時勢は,刻一刻と変化し続けている。日々の荒波に揉まれながら生きる救急科医師ほど,その変化を生身で感じ取りながら生きている医師はいないであろう。 救命救急センターにおいて生息していた救急科医師は,重症外傷や心肺停止患者の蘇生と治療にあたることを生業としていたが,その後の開拓を経て,災害対応や新興感染症パンデミック対応にまでその活動領域を広げた。さらに,疾患と病態を問わずに全疾患を受け入れ初期診療を行う新世代の救急科医師は,そのスキルを以って近隣の二次救急医療機関へと出て行き,

      • 若手救急医たちが、広く社会に目を向けて、より良い医療体制を考えるきっかけを

        日本では,119番通報から全国平均で10分以内に救急車が現場に到着し,30~40分程度で病院に収容されます。さらに医療機関では,きわめて安い価格でスタンダードな救急医療を受けることができます。日本は,社会インフラとして非常に秀れた救急医療体制を備えた,世界的にみて最も安心して暮らせる国の1つでしょう。 一方で,世界でもトップクラスの高齢化率と人口減少により,この国の救急医療は新たな難局を迎えています。医療機関の集約化をはじめとして,形を変えていく必要に迫られているのです。

        • 「今までのER」を飛び出して,アイデンティティーや可能性を追求する旅

          私は常日頃から,医療の最前線にいる救急医とは,ともすれば世間から置き去りにされてしまいがちな社会や地域の問題を,直接肌で感じることのできる数少ない存在であると考えています。さらに,その課題に真正面から取り組み,社会を変える力をもつ崇高な職業人だと信じています。 時に救急医は,ただの「トリアージ係」と揶揄されることもあります。しかし,その知識と技術で瀕死の患者を救命できるやりがいと責任に溢れる専門家であると同時に,活動範囲は公衆衛生,一般市民啓蒙,プレホスピタル診療,災害医療

        読者一人ひとりが「一歩進んだ救急医(Beyond ER)」になるために

        • 進化を遂げたい次世代救急科医師へ,真心をもって捧げる雑誌

        • 若手救急医たちが、広く社会に目を向けて、より良い医療体制を考えるきっかけを

        • 「今までのER」を飛び出して,アイデンティティーや可能性を追求する旅

        マガジン

        • 2023年1月創刊!『BeyondER(ビヨンダー)』
          6本

        記事

          救急医療のエキスパートによる「私はこう解釈して判断している」を明示

          インターネットを使えば,ガイドラインや最新の文献などが容易に入手できる時代に,それを正しく解釈し臨床現場で使っていくのは,簡単なことではないと思います。 BeyondER誌の臨床特集では,救急医療の第一線で活躍している臨床家たちが,単なる疾患やガイドラインの解説ではなく,「私はこう解釈して判断している」という,実臨床の流れ,判断の根拠を具体的に紹介し,読者の目の前にいる患者の診療にすぐに役立つような記載を心がけています。 本誌が,臨床バリバリの専攻医だけでなく教育的立場の

          救急医療のエキスパートによる「私はこう解釈して判断している」を明示

          ERを担うすべての医療者の道標に

          救急医という存在は,医療者にも社会にも少しずつ認められてきていますが,集中治療医と比べて,ER医はいまだ漠然とした立ち位置であり,少数派です。 「1次,2次(軽症~中等症)患者の救急診療担当?」 「振り分け屋?」 「当直医と何が違うの?」 日本では多くの病院の救急外来は,研修医や他科の医師が担当し,救急医療を支えています。そのため,ER医の専門性はわかりにくいのかもしれません。 これまで私は,日本の救急部門や海外のER部門を複数見てきました。その経験から,ER医の武器とは,

          ERを担うすべての医療者の道標に

          『がんサバイバーシップ学 がんにかかわるすべての人へ』書評

          「がんサバイバーの時代における教科書」 評者:勝俣範之(日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科 教授) がんサバイバーとは,「がんと診断されたときから,人生の最期までサバイバーである。家族,友人,介護者もサバイバーシップの経験によって影響を受けるため,サバイバーに含まれる」。これが,全米がんサバイバーシップ連合の定義です。 日本人のがん罹患数は年々増え続け,現在では年間 100 万人以上ががんと診断されています。がん治療の進歩により,がんの治療成績が向上し,がんをもちながらも

          『がんサバイバーシップ学 がんにかかわるすべての人へ』書評

          『熱、諍い、ダイヤモンド』書評

          評者:札幌厚生病院病理診断科 市原 真 そもそも私の心の中にはニヒリズムがあった。「日本に住む私が今さらエボラから何を学べるのか?」と。今あえてエボラ? 専門科をまたぎ,国をまたぎ,文化や人種をまたいだ別世界の話ではないのか? 緒言をめくり,本文をしばらく読み進めてもなお虚無に浸っていた。帯には「コロナ問題を考える上でも役に立つ」という惹句が踊る。まあ,そのへんがモチベーションのコアになるんだろうな,くらいの緩やかな滑り出しで読み始めた。 しかし,50ページだ。 50ページ

          『熱、諍い、ダイヤモンド』書評

          書評「誤診の解体 診断エラーに潜む認知バイアス」

          『人のふり見て我がふり直せ』を丁寧に導いてくれる 重症患者がみんな救急車を利用してくると思ったら大間違い。救急外来では歩いてくる患者の0.2~0.7%はとんでもない重症なんだ。大動脈解離なんて歩いてくると4.78倍も見逃す。臨床の最前線で働く者としては「勘弁してほしい」という思いに尽きる。医師の勘なんて感度66.2%,特異度88.4%しかないのだから,自分の経験や勘に頼っていたのでは太刀打ちできない。救急での診断ミスにより2.4倍死亡率が上がる。また医療訴訟の原因の36.4

          書評「誤診の解体 診断エラーに潜む認知バイアス」

          書評「患者をエンパワーする 慢性疾患セルフマネジメントの手引き」

          慢性疾患をもった患者さんが,幸せに生きることを支えていくための本 本書は米国では患者向けのベストセラー書籍であるとのことである。本書を読むと,慢性疾患をもちながら,自分が最高の状態でいられるようにする「セルフマネジメント」のスキルは,こんなに多種多様なものがあるのかと驚かされる。  例えば,我々が生活習慣病の患者さんを診療するときに,よく病気や薬の説明に加えて「運動を毎日定期的にしましょう」「(栄養指導を入れつつ)健康的な食生活にしましょう」と伝える。本書を読むと,エクササ

          書評「患者をエンパワーする 慢性疾患セルフマネジメントの手引き」

          書評「2週間で学ぶ臨床感染症」

          2週間後のあなたはきっと変わっている 「感染症は苦手です」「微生物や薬の種類が多すぎて覚えられません!」「教科書を読んでも頭に入りません!」  私の勤務している大学病院の感染症内科に,実習や研修で回ってくる医学生や研修医の皆さんの口から日々出る言葉である。今でこそ偉そうに指導医として勤務している私も,振り返れば不真面目な医学生時代の試験前夜に同じ思いを抱いていた。その気持ちはとてもよくわかる。しかしその後,感染症医を志し,今も日々感染症医として楽しく働き続けられている最大の理

          書評「2週間で学ぶ臨床感染症」

          書評「フレームワークで考える内科診断」

          評者:山田徹 東京医科歯科大学病院 総合診療科 バランスのとれた入門書であり,診断学の名著である後期研修医として飯塚病院でトレーニングを開始した頃,毎朝行われていた臨床推論のカンファレンスでうまく鑑別を挙げることができず,苦労した記憶がある。当時の上司に普段どうやって診断しているかを質問したところ,「まず最初に主訴を聞いた時点でずらっと鑑別疾患が挙がる。その後の病歴からキーワードが出てくるたびにどんどん鑑別が狭まり,やがて診断に行きつく」と教わったのを覚えている。それを聞い

          書評「フレームワークで考える内科診断」

          近刊『終末期ディスカッション』序章その3

          まもなく刊行となる『終末期ディスカッション』から,序章(その3)のご紹介です。医療従事者,非医療従事者,すべての方へ。近い未来のあなた自身かもしれません。「もし自分だったら」と想像しながら読んでください。 その3 あなたの父は会社を退職してからも警備員の仕事を続けており,まだ孫たちを肩車することができるほど元気です。耳が多少遠いこと以外は,いままで病気らしい病気をしたことがありません。ご飯も必ずおかわりをします。孫たちにせがまれて,来週末にアニメ映画を一緒に見にいく約束をして

          近刊『終末期ディスカッション』序章その3

          近刊『終末期ディスカッション』序章その2

          まもなく刊行となる『終末期ディスカッション』から,序章(その2)のご紹介です。医療従事者,非医療従事者,すべての方へ。近い未来のあなた自身かもしれません。「もし自分だったら」と想像しながら読んでください。その2 あなたの母親は認知症が徐々に進行しており,2年前から介護老人保健施設で暮らしています。本当は家で面倒をみてあげたいのだけれど,自分の生活も大切なので,施設で暮らしてもらっています。まだ何も親孝行ができていません。せめて週末には面会に行って,遠い目をして車いすに座ってい

          近刊『終末期ディスカッション』序章その2

          近刊『終末期ディスカッション』序章その1

          まもなく刊行となる『終末期ディスカッション』から,序章(その1)のご紹介です。医療従事者,非医療従事者,すべての方へ。近い未来のあなた自身かもしれません。「もし自分だったら」と想像しながら読んでください。その1 あなたは10年前に心筋梗塞を起こしカテーテル治療を受けてから,「心不全の悪化」で入退院を繰り返しています。前回入院してからは息切れのせいで歩くのが大変で,枕やクッションを肩と頭の下に敷いて上半身を高くしないと息が苦しくて眠ることができません。最近主治医の循環器内科

          近刊『終末期ディスカッション』序章その1

          『フレームワークで考える内科診断』書評

          評者:國松淳和 (南多摩病院総合内科・膠原病内科 部長) 思考には「個性/くせ」がある。こう言えば大体皆同意するであろうが,私はこのことについてさらに踏み込んで考えていたことがかつて・・・いや割といつもこのことを意識している。人の見かけは一人一人全然違うし,着ているものも様々。性格も人によっていろいろだよねと言われたらやはりこれにも首肯するだろう。ただ,(考えそのものではなく)考えかたに個性があるとまでは,日常生活レベルでは意識されない。  さて『フレームワークで考える内科

          『フレームワークで考える内科診断』書評