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前回はこちら▽ 「写真みたんだろ? 南海の」 海の向こうを眺めながら涼真は言った。 「…
魚になる夢をよく見る。暗澹とした気持ちで底の見えない忘却の中を漂い泳ぐ夢。光の届かない…
前回はこちら…… 遮光カーテンの透き目から、稲妻が空に線を引くように光が漏れ、独りで…
前回はこちら…… いつの間に工事をしたのだろう。毎日と言って良いほど歩いている筈の道…
前回の記事はこちら↓ 自分探しの散歩から帰宅した僕が一番にすることはコーヒーを淹れる…
前回の記事はこちら▽ 僕は夜の高速道路が好きだ。特に夜のパーキングエリアが好きだ。そこ…
前回の記事はこちら▽ 「涼真が頼まれたんだろ。僕が付いて行って大丈夫なの?」と言う僕の顔を見ながら、涼真はまだ笑っていた。 誰に頼まれたのか、何が可愛いのか、何が面白いのか、僕には理解できなかった。 「……パーキングは寄らないでこのまま行くな」 涼真は話を逸らす様にそう言った。 時間がない分、パーキングエリアに寄るという考えはないだろう。それで良かった。僕にとっての楽しみであるパーキングエリアも一人で行かないと何の意味はない。 「了解」 一応、返事はした。
前回の記事はこちら▽ 「……拓海。起きろ!もう直ぐ着くぞ!」 体を揺すられ、目が覚め…
前回のはこちら▽ 涼真がフロントガラス越しに指差す方を僕は見た。 二階建てのログハウ…
「大丈夫?この人」 彼女は意識の通わない無機質な声を放った。 それが僕の耳に響く。 「…
前回はこちら▽ 倉庫の奥には隠すように布を掛けた何かが置いてある。僕はその何かが気にな…
前回はこちら▽ 二人の背中を見ながら倉庫からログハウスまでの道を僕は黙って歩いた。話し…
前回はこちら▽ 涼真が訝しい表情でリビングに戻って来た。手には水の入ったコップを三つ持…
前回はこちら▽ いつもなら不快に感じる朝陽が、今朝は何も感じない。不思議だった。 キッチンの方から音が聞こえる。水が流れる音。何かが焼ける様な音。物がぶつかり合う音。不快なはずの音が、ここでは僕を包み込むようにやさしく寄り添ってくる。いい香りがした。 ……母さん。なぜそんな事を思い出したのだろう、僕には分からなかった。 しばらくして、彼女がお盆を手に持ち、リビングへやって来た。 「……おはよう」 彼女は目を合わそうとせず、朝食を低いテーブルの上に置き始め