孤高の専門学校校長

五島列島中通島出身。漁師の息子です。 関西にある美容専門学校に35年、現在は同校の校長…

孤高の専門学校校長

五島列島中通島出身。漁師の息子です。 関西にある美容専門学校に35年、現在は同校の校長をやってます。 仏像を愛で、椎名林檎さんを崇拝するアラカン。 至極真面目なこととバカバカしいこと、硬軟両方を自分勝手に発信します。

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プロスポーツ選手にぜひとも望むこと

 大谷翔平選手の優れたところは 今さら私ごときが挙げるようなものでもないが、彼の技術や野球センスは言うに及ばず、それ以上にメンタルの成熟度が素晴らしいと思う。まるでアニメやコミックのヒーローそのものだ。ごく近しい人の裏切りに遭っていたことが発覚した直後の今でさえ、ご存じの通りの活躍である。類い稀な能力、行動、成果、そしてコントロールされた精神力を兼ね備えた大谷選手は、もはや野球というものをやっている人間としての最高峰なのではないだろうか。  他のスポーツに目を向けよう。息子

    • こんな年寄りはイヤだ

       年齢を重ねてくると、こんな年寄りにゃなりたくねーな と思うことが多くなった。目につくようになったのかもしれない。でもきっとそれは即ち自分が歳を取ったってことだ。同族否定なのかもしれない。気をつけねば。  以下はこれから老いへと続く道の入り口に立つ自分への戒めでもある。 《こんな高齢者は嫌だ》  高齢者は時に自分勝手である。  高齢者は時に盲目的である。  高齢者は時に横暴である。  高齢者は時に排他的である。  高齢者は時に他人に冷たい。  高齢者は時に感情に走る。  高

      • お母さんの幸せ

         さこう(酒匂)さんは 時々私のお家に来る男の人です。お家に来る時はいつも私に何か買って来てくれます。お母さんと私との3人で水族館に行ったこともあります。  別に嫌いじゃないんだけど、一緒にいると私どんな顔をしたらいいかわからないし、なんだか変な感じで緊張します。  この前お母さんは『コトちゃん、さこうさんがお父さんになってもいい?』と私に聞きました。私は小学校2年の時からずっとお母さんと二人きりでした。私はお母さんがいてくれたらそれでも全然寂しくなかったんだけど、最近なん

        • ある星降る夜の出来事

          『さてと。これで全部かな』 『うん。引越し屋さんの荷物、案外たくさんあったわね。いつの間にあんなに増えたんだろう』 『後の物は週末に。結局お前の家に送って良かったんだよな。・・・お義母さんまた泣くだろうな』 『ああ母さんね・・・仕方ないわよ』 『なんか今になって色々考えてしまうんだよなぁ。俺たち本当にもう終わりなんだよなって』 『そうね・・・。でも私たちきっとこうなるのが自然だったんだよ』 『なんか悲しいよな。この子の記憶に俺は残らないんだもんな』 『子供の話は

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        • 話の小箱
          1本

        記事

          どうして私が怒ってるかわかる?

           本稿の標題は 男が女性から尋ねられる質問の中で、最も恐ろしいものの一つである。しかし男にはこの戦慄の質問に答えねばならないことが、人生において幾度か起きてしまう。  しかし•••。我々男にはその答えがわからないことが多いのだ(と、言い切ってもいいものだろうか? 他の男性諸氏も私と同様なのだと信じているのだが•••)。なぜなら男は女性が言うところの『問題』の大部分は 大した問題だとは思っていない場合が少なくなく、またそもそも家庭内で起きている日常の出来事をよく覚えていない(

          どうして私が怒ってるかわかる?

          闘う人の歌

           誰かの発案や提案を聞いた時、嘲笑しようとしたり、論理の穴を指摘しミスをあげつらったりすることが脊髄反射のようになってしまっている輩はどの時代、どの年代、どの世界、どの組織にもいる。臆面もなく「できない理由」をしたり顔で指摘するのみに汲々とする。自分では思いつかなかった新しいことを他人に発言されるのを気嫌う奴らである。  思えば阿波踊りの歌ではないが、この世は笑う阿呆と笑われる阿呆に二分されるのだと思う。それは他人をバカにするヤツと、バカにされてもそれより大切なものがあるの

          線虫くん

           日本人の約半数は癌になるのだという。しかも女より男は60%もあの病に侵されるのだから、『私も罹るもの』として過ごした方が、きっと生き方としては正しいのだと思っている。  私の理屈はこうだ。 1.どうせいつかは癌になる 2.ならばできるだけ早期に見つけたい 3.毎年の人間ドックは色々大変だ 4.だから簡単な検査でわかれば嬉しい 5.反応が出たら初めてドックに入る  ステージ0や1で発見できればこんなに嬉しいことはなかろう。そう、まだ死ねないからだ。そこで去年から例の『線虫

          入学式

           2024年4月8日は 本校美容科の入学式だった。今年も多くの若者を迎え入れることができ、嬉しい限りである。さてかく言う私が美容学校に入学したのは1980年、今から44年も前のことだ。  美容師という仕事の社会的地位は今よりずっと低く(今でも高くはなく歯がゆい思いはあるが)、雇用側のサロンオーナーも、ていねいに人材を育てる という考え方ではなく、新陳代謝が激しい使い捨ての部品としてしか見ていない人が多かった気がする。  しかしそんなことになっている理由は美容師自身にもある。

          プレイヤー&マネージャー

           肌感覚ながら リーダーとして チームを持ってほしい と思える人は、社員やスタッフが10人いる中で1人くらいかな? と勝手に思っているが、面白いことにそんな人はプレイヤーとして特に優れているとはいえない場合も多い。いや、どちらかといえば、優れたプレイヤーがマネジメント側の仕事をするのは難しいことの方が多いと思っている。我々のような教員という仕事も他業種と同じく、プレイヤー能力の延長線上にマネジメント能力は無い という感覚だ。  優れた技術を持った人をチームの一員としてマネジ

          プレイヤー&マネージャー

          推し娘プレゼンダービー

           我が校には在学中の2年間にわたり、継続的に取り組む 生徒の課外活動がある。そのプログラムは10代の若者にとっては 控えめに言ってかなり高度(難しい)であり、かつハードである(精神力も使うし、手を抜けない)。全ての活動の締めくくりは成果の発表とその評価がセットであり、審査をする我々教員は、生徒の努力不足や甘い見方をしていることが見えれば、その場で容赦なく指摘をする。基本的に評価の場には 今はやりの『ホメて育てる』といった姿勢では臨まない。  活動の基本は、 ● input

          推し娘プレゼンダービー

          達人手当

           久しぶりに丸亀製麺でうどんを食べた。時間は日曜の12時半。混んでいた。大阪でいうところのババ混みだ。中でも店内に入ってすぐの コーナーは人口密度が高く、注文をする厨房外周の私たちは 手に手に盆を持ってひしめき合っていたが、その注文を受ける内側に、ベテランと思しきその女性スタッフは君臨していた。  注文を受けると直ちに丼を温め、もう片方の手はうどんを茹でにかかる。湯切りのマシンにそのうどん玉を乗せ、先ほどの丼に素早くあけると同時に次の注文である冷やしうどんを冷水にさらす。数

          求人用パンフレット 2

           そのパンフレットを見ながら私は 私自身の立場を考えてみた。その結果 きっとこの後自分が進学する学校を選ぼうとする中高生だって、状況は同じだということに改めて気付いたのである。高校や大学をはじめとする学校案内のHPや資料は、とかく仲の良さや先生と生徒の距離の近さをウリにしがちだが、見る人によってはそんなことは全くアピールポイントではないどころか、逆効果でしかないことも少なくないのだ。  我が校の生徒たちに接していると、このあたりのことが肌感でわかることもあるが、あくまで私目

          求人用パンフレット 2

          求人用パンフレット

           21世紀に入って20年以上が経って、ようやく景気が上向いてきた感じがするが、多くの業界では 人手不足が深刻化しているため、奥の手裏の手を駆使して 新入社員集めに汲々としているのが現状である。我が美容業界もご多分に漏れず いかんともし難いほどの人材難であり、もはやそれが原因で新規出店ができないどころか、閉店せざるを得ないサロンオーナーの声さえ聞こえてくる。  美容室の求人や就職の流れについては、20年程前までは今ほどの泥沼感はなかったのだが、出生数の減少をはじめとする様々な

          求人用パンフレット

          48グループのミライ 2

           秋元康氏は 48や46という数字に目を付けた。グループ名の最後の数字を年齢に呼応させたのだ。要するに大きい数字が付いたグループほど、構成メンバーの年齢も高くなる理屈だ。  グループを世代ごとに階層化することにより 若いグループのメンバーが年齢を重ねていくと、理屈の上では一段階上のグループに進級していける高齢化社会に順応したシステムを編み出したのである。同時にAKBや乃木坂などの冠も撤廃、グループ名はあくまでその前後の年齢の人たちを応援するメッセージを象徴したものに一新され

          48グループのミライ 2

          48グループのミライ

          当然フィクションです(笑)  デビュー以来 国内だけでも『48名義』として AKB48、SKE48、NMB48、HKT48、STU48、NGT48 に加え、派生した『46』として、乃木坂46、欅坂46、日向坂46、櫻坂46、吉本坂46 が活動していたが、2025年以降はグループも色モノ志向が進み、48グループとして SGM(巣鴨)48、JJB(神社仏閣)48、HRD(北方領土)48、FSC(富士山頂)48、SJK(桜島火口)48 の各グループが、また46グループも つづら坂

          48グループのミライ

          4月になれば彼女は

           主題歌は今をときめくフェロモンアーティスト(ヤな呼び方www)である藤井風さんが担当、佐藤健さんや長澤まさみさん、森七菜といった人気スターたちの共演で標題映画『4月になれば彼女は』が封切られる。  なんでもウユニ、プラハ・アイスランドなどの美しい景色が背景になった純愛物らしい。予告しか見てへんから知らんけど(笑)  ところでこの題名を予告で初めて聞いた時に私は『ウッ』となった。中学時代だからほぼ半世紀前、飽きることなくギターで練習した曲名と同じだったからだ。サイモン&ガー

          4月になれば彼女は