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ぢぇぃの個室

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作家ぢぇぃの個室。 ここに入ったら最後、ぼくの魅力に取り憑かれるまで出てこられない。
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【短編小説】 a fragrant olive

1 マチ子 「あれ?マチ子さん、最近ジョギングでもしてるんですか?」 ある日の昼休み中、…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#09】 Metasequoia

← 前のお話 | 目次 | 次のお話 → 現 在 空には白、青、灰が混じっている。均等ではない…

ぢぇぃ
2年前
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連載小説(目次)

連載というにはあまりにも短いけれど、ぼくが一生懸命に書いた小説たち。 挿絵(または表紙絵…

ぢぇぃ
2年前
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絵本「むしばのむしば」

あまいおかしばっかりたべて はみがきしないと むしばになるわよって ママがいった むしば…

ぢぇぃ
2年前
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【15分で読める#03】 wind and tub

とある若い夫婦 「ゴミをポイ捨てする人なんてさ、死ねばいいのに!」 隣で妻が恐ろしいこと…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#07】 Chinese Tallow Tree

← 前のお話 目次 | 次のお話 → 第1ホール  ナンキンハゼが枝いっぱいに白い実をつける…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#06】 Roasted green tea

← 前のお話 目次 | 次のお話 → 1 |郁  どこからか土っぽい、それでいて金属質な香りがする。  原稿用紙を前にしてその香りを嗅ぐと、おれのペンはすぐに濡れた。嗅覚が刺激されると、脳が活性化するのだろうか。次から次へと言葉が溢れてきて、それを今に繋ぎ止めるのが間に合わない。  幼少の頃から本を読むのが好きだった。空いた時間があればすぐに本を開いては、その世界へと没入していった。周囲の大人は、いつも本を読んでいる子どもをこぞって褒めた。おれは別に褒められたくて本を読

【ミステリ短編】 prime number 前編

1 エドガー探偵事務所 「あぁーなるほどなるほど。つまりあなたは、ご主人から送られてきた…

ぢぇぃ
2年前
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【ミステリ短編】 prime number 後編

これは後編です。 【 prime number 前編 】はコチラからどーぞ。 ーーー 8 喫茶店、その向…

ぢぇぃ
2年前
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1億円の低カロリー(ショートショートnote杯)

空気税。 人口減少に歯止めがかからず、ついに1億人を切ろうかという時、政府が発表した新税が…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#05】 Ranunculus〜You are charming〜

← 前のお話 目次 | 次のお話 → 1 |独白  夫に何の不満があるわけでは無い。  たしか…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#03】 noncommittal

← 前のお話 | 目次 | 次のお話 → ある日の朝 秋とも冬ともつかない、どっちつかずな空気…

ぢぇぃ
2年前
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【5分で読める#01】おれと結婚してくれませんか

目次 | 次のお話 → 2014年2月1日(土) 19時47分 土曜出勤を終えて家に帰るおれは、ガチガ…

ぢぇぃ
2年前
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【15分で読める#02】 like a squeaky stone

豚田商事・総務課「えぇ!サメジマさん、会社辞めちゃうの!?それ、本当にですか!?ねぇねぇ、イイダ、何か言ってやんなさいよぉ」  急に話を振られて体が硬直した。あまりにも急だったから、硬直する前にビクッとしてしまった。これはもう聞こえなかったふりをする訳にはいかない。仕方なく振り返ると、少し困った顔のサメジマさんと、したり顔のホタルがこっちを見ていた。まったく…ホタルは悪い子じゃないけれど、そういうところがある。  ホタルとは入社時期は違うが、同じ課の中で唯一の同年代だったこ