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東大文系の数学の配点は見かけよりも高いという話

  東大文系の科目別の配点はこうなっている。 
英語 120
数学 80
国語 120
社会 120
   これを見ると、やはり文系なので数学の配点が少ないように思える。では東大文系において数学は重要では無いのだろうか?いや、違う。東大文系において数学の重要度は高く、数学に危険要素を抱える場合は不合格になるリスクが高くなる。

  配点以上(数学の重要度が高いのは何故か。それは数学の標準偏差が大きいからである。数学は満点が80点だが、点差がかなり開く。難易度は年によって違うだろうが、合格者だけを見ても得意な人と不得意な人で30点ほど差がついていた。

  一方で国語はどうか。国語は配点こそ大きいが点差が付きにくい。日本人なら現代文はフィーリングでも点が取れてしまうし、逆に得意な人でも満点は無理だ。となると、国語で付く点差は数学とそう変わらないことになる。 社会も同様だ。記述式が多いため、高得点狙いが難しい。どちらかと言うと失点を防ぐ科目になる。 

  というわけで、標準偏差を考えた実質的な配点はこのような感じだ。

英語 120
数学 120 
国語 80
社会 80

  こちらの方が納得してくれる人が多いのではないか?東大文系に受かるには国語よりも数学の方が重要度が高いのである。
筆者は理系で受けた訳では無いが、理系の同級生の話を聞いていると、理系数学はさらに差がつくようだ。理系は英語が苦手な人もいるが、得意な人も多く、標準偏差は大きい。となると実質配点はこうなる。 

数学 180
英語 120
国語 40
理科 120
   
理系の点数を合計すると460点、文系の点数を合計すると400点になる。この差は理系と文系の必要な勉強量の差を反映させている(つもりである)。その分、理系の合格に必要な得点率は低い。理一理二の場合は文系に比べてバランスが悪くても受かる印象である。

  ちなみにこれは他の難関大の配点とも整合性が取れる。一橋の2次試験は英数国社であり、東工大の2次試験は英数理理で、数学は数3も含まれる。

  これらの事実から解るのは、文系科目と理系科目は対称的では無いということだ。国語は数学よりも軽いし、社会は理科より軽い。それを反映して文系は英語の比重がやや重く、理系ほどではないにせよ、数学の比重は見た目よりも重くなっている。理系は理数系の特化した人材が求められるのに対し、文系はバランスのとれた学力が好まれるとも言える。

  ただし、これはあくまで東京一工クラスの話だ。それ以外になってくると文系の方が科目が少ないことが多い。理系の多くが英数理理なのに対し、文系は英数社とか英数国とか、私大の場合は英社だけだったりする。世間で言う「ガチ文系」のイメージはこちらかもしれない。


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