今宵

ライター。美術と読書と生について執筆しています。専門は日本の仏教美術。基本毎日更新。 …

今宵

ライター。美術と読書と生について執筆しています。専門は日本の仏教美術。基本毎日更新。 Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。 https://koyoinomori.carrd.co/

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  • エッセイ「Moonstruck Garden」

    夢の端で生きる今宵のエッセイです。

  • 書評集「Read, watch n sleep well.」

    本・映画・ドラマ・アニメのレビュー。書評中心に週2~3ペースで更新中

  • 今宵のひとくち日記

    1000文字未満の軽く読める記事です

  • AI日記「GPT-koyoi」

    画像生成AIやLLMで遊んでいます

  • 「hashicco.」 美術展レビューマガジン

    美術展・美術館・博物館・建築のレビューです。不定期更新

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  • 固定された記事

性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

この歳になって、ようやく自分の性的指向をはっきり自覚することができた。 私とつきあいがあるほとんどの人は、私のことを異性愛者として認識していたと思う。 何より私自身がそう思い、そう振る舞い、自分の存在をクローゼットに押し込んでいた。 自分のことを男好きな人間だと思っていたし、それはべつにヘテロノーマティヴィティに強制されたものではない、内的感覚によるものだと思っていた。 ただ、その自認に対して苦しまなかった、というのは嘘になる。 「恋愛」というものを知ってから、だれと付き

    • 今日の記事はおやすみです。コペン・純喫茶・モーニング。

      • 目に激痛が走ったと思ったら……。(アクセシビリティと生成AIのはなし)※追記あり

        先日のつぶやきの通り、ここ数日左目を針で刺されたような激痛がずっと続いていまして、眼科で治療してきました。 病名としては「再発性角膜上皮びらん」。 傷がついたことのある目の角膜が不定期に剥がれては激痛を催す病気らしいです。刺すような痛み、涙、異物感……うう、まさに。 以前引っ越しの時に段ボールで目を突いてしまい、左目を怪我してしまったのですが、これがしばらく経って再発したようです。以前も似たような症状があったので、軽症・後遺症の心配はあまりないとはいえかなり怖い。 何回か

        • 『ブータンの瘋狂聖 ドゥクパ・クンレー伝』―愛され続ける僧侶の官能と仏法の世界

          ブータンの偉大な遊行僧に光を当てる 地元の本屋で見つけた掘り出し物の岩波文庫。 ブータンの「瘋狂聖」ドゥクパ・クンレーを、現地に伝わる逸話を通じて紹介する日本語圏ではほぼ唯一の一般書である。 ドゥクパ・クンレーは15~16世紀に活躍したチベット・ツァン地方出身の僧侶で、酒と女性を好んだ破天荒な生き方で知られている。 ブータンの古都・プナカにあるチミ・ラカン寺院は、もともとこの地にドゥクパ・クンレーがチョルテン(仏塔)を建てたと伝わる場所だ。この地で祈りをささげると子宝を

        • 固定された記事

        性的指向、あるいはアセクシュアルであることについて

        • 今日の記事はおやすみです。コペン・純喫茶・モーニング。

        • 目に激痛が走ったと思ったら……。(アクセシビリティと生成AIのはなし)※追記あり

        • 『ブータンの瘋狂聖 ドゥクパ・クンレー伝』―愛され続ける僧侶の官能と仏法の世界

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        記事

          チェレン、ネオチャンピオン実装おめでとう!4年分のスキを語る

          普段このnoteでオタクっぽい話はあまりしないことにしているが、大好きなポケットモンスターの最推しキャラであるチェレンについに(ポケモンマスターズEXで)ネオチャンピオン衣装が実装されるということで、あわてて記事を書いている。 ポケモンマスターズEXをプレイしたことがない読者のかたがたには、これがわたしにとってどれほどのことなのか若干わかりづらいと思うが、実はチェレンはイッシュ地方のメインキャラにも関わらずガチャ実装が初めてのキャラクターだ。 同時期に実装されるベルは恒常ガ

          チェレン、ネオチャンピオン実装おめでとう!4年分のスキを語る

          角膜が剥がれる怪我をしてしまいちょっと日常生活がままならないので、予約投稿以外の長めの記事は数日お休みします。。。

          角膜が剥がれる怪我をしてしまいちょっと日常生活がままならないので、予約投稿以外の長めの記事は数日お休みします。。。

          今日の読書『文明交錯』

          こんなに興奮する読書は久しぶりだった。 読むのをやめられない。ページを繰る手が止まらない。 そういう中毒にも似た面白さを持った本に出会えるのは、私にとっては年に一回あるかないかである。 『文明交錯』はインカ帝国の君主であるアタワルパが「逆に」欧州を侵略する架空の歴史物語だ。 この小説はもともとローラン・ビネがジャレド・ダイヤモンド『銃・病原菌・鉄』に衝撃を受けた体験から構想が始まっている。 まさしくインカ帝国が滅んだ原因であるこの三つをアタワルパがどう克服したかというと

          今日の読書『文明交錯』

          ChatGPT4o/DALLE-3でnoteのアイキャッチ画像をかんたん生成

          画像生成AIでnoteの見出し画像を作ろう ここ最近noteの毎日更新を心がけているが、そのたびに記事に合ったアイキャッチ写真やイラストを用意するのはそこそこ大変だ。 ということで、半年ほど前からアイキャッチ画像にDALLE-3(ChatGPT Plus版)を使うことで省エネ化をはかってきた。 DALLE-3はStable DiffusionやMidjournyと異なり自然言語での入力が可能だが、とりあえず人物を出力させると異様にフォトリアルかつ油絵っぽい感触(いかにもA

          ChatGPT4o/DALLE-3でnoteのアイキャッチ画像をかんたん生成

          Cookie ClickerがSteamでセール中!1300時間以上プレイした筆者が(いまさら)楽しさを語る

          クッキークリッカー、買いませんか? 6/3(月)までの一週間限定で、Steam版Cookie Clickerがセール中だ。なんと65%offの182円。 言わずと知れたクッキーをクリックする「だけ」の名作ブラウザゲーだが、Steamでリマスター版がリリースされている いやいや、高いでしょう。なぜクッキークリッカーに金を出そうと思うんだ、と思うあなたは少し待ってほしい。 もしかして艦これが流行ったあのときにクッキーを一瞬触って、それから10年間忘れ去っていただけでは? わ

          Cookie ClickerがSteamでセール中!1300時間以上プレイした筆者が(いまさら)楽しさを語る

          『休養学―あなたを疲れから救う』を読んで実際に休養してみた

          『休養学』を読んで わたしは体質としてとにかく疲れやすい。 感覚過敏をはじめとする発達障害特有のストレス、メンタルのもろもろの不調などで、ふつうの人よりはあきらかに人生を「休養」に費やす必要があった。 SSRIや抗不安薬、睡眠薬にお世話にならないと長年「休養」という概念を体が感じ取ることすらできないほどの状態だったが、ちょうどこの本に書いてあるようなことを1年ほど実践することでかなり体調がよくなってきた(別の記事でも書くが今は断薬のフェーズに入っている)。 この本がほか

          『休養学―あなたを疲れから救う』を読んで実際に休養してみた

          夏の食卓🌻

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          映画「関心領域」――誰が目を逸らしているのか?

          2023年のカンヌ国際映画賞でグランプリを獲得した「関心領域(原題:"The Zone of Interest")」が24日(金)に公開された。 カンヌ国際映画祭は今年、政治的発信を徹底的に禁止している。 監督はジャミロクワイの「ヴァーチャル・インサニティ」MVなどを手掛けたジョナサン・グレイザー。 映画は全編静的なカメラで展開され、固定された視点を人物がうごいていく「絵画的」と形容してよい画面が続く。 三年間かけて築いた美しい庭園と自然のなかで、多くの子供たちに囲ま

          映画「関心領域」――誰が目を逸らしているのか?

          ひとりぼっちふたりへ捧ぐ――「エイリアンズ」と郊外の宇宙

          わたしの家族はよく「うた」を贈りあう。 実家に帰ると、父は必ず毎回違うレコードを聴いている。 母は雑談の合間に、必ず「これ聴いてよ」とYouTubeやApple Musicの画面を差し出してきて、わたしにうたを聴かせてくれる。 弟とわたしが音楽談議をすることはまれだが、家族でもっとも音楽にくわしいかれの音楽の影響を、両親ともに濃厚に受けている。 何しろ、バブルの時代に「スティーリー・ダンを知っているのがお互いだけだったから」という理由で、恋に落ちて結婚した両親だ。 この家

          ひとりぼっちふたりへ捧ぐ――「エイリアンズ」と郊外の宇宙

          おうちカフェを楽しみつつ読書を…🫖

          おうちカフェを楽しみつつ読書を…🫖

          マックスコーヒー、千葉から見るか?水戸から見るか?

          マックスコーヒーが好きだ。 マッ缶が好きだ。マックスが好きだ。 マックスコーヒーの全てを愛している。 理由はひとつ。 わたしが茨城にルーツを持つ人間だからである。 マックスコーヒーは地元の誇り? 茨城といえばマックスコーヒー。マックスコーヒーといえば茨城。 マックスコーヒーになじみのない地域の読者に軽く説明すると、これは乳成分がすべて加糖練乳……知る人ぞ知る激甘缶コーヒーである。 以前は茨城・千葉・栃木限定で販売されていた「北関東の名物」だったが、今はかなり広い地

          マックスコーヒー、千葉から見るか?水戸から見るか?

          今日の読書『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』

          先日友人と通話していた際に――なんの話をしていたかは完全に忘れてしまったが――ふいに福井県の話題が出た。 私自身は足を運んだことはない。 というか、名物らしい名物は、はっきり言って蟹しか知らない。 あまりに福井県についての情報に乏しく話題に窮した私は「福井県といえば『福井県鯖江市』じゃない?」とぽつりと呟き、discordに『福井県鯖江市』のリンクを貼った。 眼鏡、近松門左衛門、Vidro、幽霊話、クソくだらないお役所仕事、etcetc……。 書籍版が発売されて7年も経

          今日の読書『ザ・ビデオ・ゲーム・ウィズ・ノーネーム』