書き遺したい。命の時計が止まる前に。 ●障害者家庭 毒親育ちの半世紀●
レントゲン画像を見ている医師の表情がみるみるこわばっていった。
「ウチの診察が済んだらすぐ この病院に行って!すぐだよ?」
いつも冷静なかかりつけ医が一心不乱にキーボードを叩き始める。彼が打っているのは紹介状。宛先は国立の総合病院だ。
「貸し出し用のコルセットある?背中の高さまである大きいヤツ。え?高いのはない?じゃあ腰痛用のでいい!しないよりマシ。すぐ持ってきて!」
キーボードを打つ手を止めることなく、看護師にビシビシと指示を出し続ける。私が質問する隙もない緊張感が診