【イラスト】世界 - 暖房の中にて（2018年）

【詩】散歩

明るい散歩道を 軽いステップが 楽しげに跳ねた 日差しは 優しく照りつけ 風は ヒューッと吹き抜ける さあ、どこへ行こうか？ 靴音はコツコツと 耳に心地よく、 前へと、前へと 繰り出して行った

【詩】始まりの朝

指で弾いた 独りだけの空気 パッと放つ 華麗な手つき それはまるで 魔法使いのようだ 朝は染まる 君色の舞台 おはようを 振りまいて 一日が始まるよ

【詩】誰？

大きな木の下で 彼は風に吹かれていた 心地良さそうに 座る姿は まるで風と 会話をしているよう 光が差し込めば キラキラと 乙女はきっと 心が見えないかと、 草陰から見つめている 彼は誰だろう？

【詩】たそがれるぼくは

ぼくはたそがれていた 夕方の風に吹かれて 世界ってなんだろう？ ぼくってなんだろう？ ため息をつくと そよ風がささやいた そうだね… いつしかぼくは 虹を描いていた 青空の下で キレイだね というイメージが 心を軽やかにした

【詩】希望

さあ、あの青空に 駆け出していこう 一歩、前へ 必ず手が届く そう信じて ぼくらの翼は 希望に向かって 誇らしげに広げるんだ どこまでも高く そして溶け込んでいく 心が そう心が 青さに満たされていく

【詩】迷い込んだ聖域

淡い光たちが 霊魂のように ひしめいて漂っていた 昇っていけよと 祈る言葉が ぶっきらぼうに 放たれ ぼくは立ち去った 迷い込んだ聖域で 彼らは ぼくを待っていたとでも いうのだろうか？

【詩】カーテンが揺れる

レースのカーテンを 揺らしたのは誰だい？ 小さく揺らめいた あの子のように 風じゃない きっと吐息 ぼくは思うよ ため息を 透けた光が 君を見つけた そのことは 胸にしまっておくよ

【詩】どんより

窓の外は ジメジメした空気に 覆われている 顔を突っ込めば きっとべちゃべちゃ するんだろうな と、どんよりと 今朝の薄暗さは なんて薄汚れているのだろう 朝日は 昇らないのかなあ シャワーでジャージャー 洗い流せば 明るい君が見れるかな？

【詩】夜空

ぼくの部屋の天井に 夜空が貼りついていたのなら なにが起きるんだろう？ きっと真っ暗で 星も見えないかもしれない そんな夜空に なにを期待するんだい？ でも、それでいいと思う あの暗さがね、 居眠るぼくを 優しく覆ってくれるだろうから

【詩】氷

水が入ったコップ 氷がほのかに キラリと浮いて カチンと おっちょこちょいにも 頭をぶつけた その音の響きは 心を和ませ、 じっと見つめたい あの子に似ている ああ、君の照れ笑いは 溶け込んでいった 差し込む光へと…

【詩】あの鳥

あの鳥の鳴き声は メロディーに乗って ぼくをかすめた 見上げれば 木々のさざめきの中に 青空を見つけ、 明るさにすり抜ける 清々しさがあった 素敵なメロディーだね いつの間にか浴びた 日の温かさが 一日の始まりを告げる