詰将棋解答選手権チャンピオン戦参加記(事前準備編)

最初に

2024年3月31日に4年ぶりに開催された
「詰将棋解答選手権チャンピオン戦」に参加した。
今回は4回に分けて参加記を書こうと思う。
内容は、下記を予定している。
1.事前準備編
2.前半
3.後半
4.振り返りと今後
内容に触れるので、作品をこれから解こうという方などは
ネタばれしますのでご注意を!

出場にいたるまで

解答選手権チャンピオン戦の開催が決まったのは昨夏だったと思う。
研究会仲間に出ようと声を掛けたけど反応はイマイチ。
だが、成り行きで研究会メンバーで団体戦をやることに!
チーム構成は下記。
小山怜央四段・小林智晴アマ準名人チーム
鈴木環那女流三段・竹中健一チーム
小山四段は実戦での詰みを読むスピードが速い印象があり、
また早指しでも強い早見えの棋士。
鈴木女流はここ最近詰将棋をかなり解いているので期待大。
小林アマも出場することに決まってからすぐに
詰将棋の古書をアカシヤ書店で数万円分仕入れてくるなど気合十分。
かなりの接戦になると予想した。
ちなみに、2月にこのメンバーで詰工房に参加した際に、
団体戦に1チーム加わった。
なんと看寿賞作家チーム(井上徹也さん・久保紀貴さん)で、
どうみてもこのチームがダントツの優勝候補!
3チーム対抗となったが、
勝利チームへのご褒美も敗者チームへの罰ゲームも設けていない、
プライド?をかけた勝負となった。

2月まで

将棋大会にも出続けているため、
詰将棋ばかりやっているわけにはいかないので、
2月末までは限られた時間で詰将棋を解いていた。
FBで佐藤和義さんが自作詰将棋を投稿していたので、
全部図面用紙に書き写して持ち歩いて解いたり、
毎月の詰パラのほかにからくり箱、小さな絵、
赤城図式・榛名図式・妙義図式、酔鯨、など
普通の詰将棋とは違って読みの力が試されるような作品や
きれいに捌ける作品が載っている作品集など
少しテーマを絞って解図を進めた。
それでも2月までであまり数はこなせなかった。

過去問は全て図面用紙に書き写し、
2010-1など年度と何問目に出た作品かだけをメモ。
作者名や手数などは分からないようにしておいた。
2月末まではあっという間に時間が過ぎていった。

3月

幸か不幸か3月にあるはずの朝日アマ名人戦は代表になれず、
4月にあるはずの支部名人戦も代表にはなれなかったので、
3月は詰将棋月間として、将棋の大会や研究会はいれないようにした。
団体戦で足を引っ張らないようにという目標のほかにも、
個人の目標を設定していたが、かなり厳しいだろうという予想だった。
今回の目標は下記にしていた
・団体戦で最下位にならないこと
・個人では10位以内
 (前回2分差で11位になったのでその方に勝つことが大前提)

3月の最初の週末は兄弟子が開催している教室に娘を連れていくという
タスクが急遽入った。三軒茶屋の宮田利男先生の教室だ。
私は見ているだけで、娘にたくさん指導していただき有難かったが、
私は殆ど詰将棋を解かずに2日間が過ぎた。
その後、発熱して病院に行くと、インフルエンザに感染が発覚。
仕事を休んで約一週間の自宅隔離だった。
数日で熱が下がって元気になったので、
若島さんの盤上のフロンティアを熟読。
解くよりも解説を読むことを重視した。
インフルエンザから回復して数日後、娘が喉の痛みを訴え、
私も同様の症状があったので二人で病院へ。
私は検査してもちゃんと出ないだろうと言われていたが、
娘がコロナというので急遽検査したら私も同様だった。
なんと3月になって私はインフル+コロナのダブルパンチを食らったのだ。
またしても自宅療養で、しかも途中から熱が下がって元気になる。
時間を有効に使うために今度は若島さんの盤上のファンタジアを熟読。
そして、過去問の解説も読んだ。
過去問は普通作・普通難解作・打診中合・不利合駒/不利交換・高木手筋…
などと分類しておいた。
作家陣が変わって途中から傾向ががらっと変わっているのも印象的だった。
仕事に復帰してからも夜は詰将棋の時間。
詰将棋年鑑(2020~2021)を見て最近の作品の傾向を調べたりした。
その結果、下記のような作品が出るだろうと予想。
普通作数問、双玉、打診(攻方・玉方)、高木手筋、不利交換、中合/捨合、
複合型の構想作。
選手権前日に研究会メンバー4人と、直前に参加を決めた娘と5人で
勉強会をやることになっていたので、
その時に解説しようと準備をしていた。

前日

朝から5人で集まった。
詰将棋を解くのと、過去問をやりたいという要望からだ。
過去問はみんなが解いていない2015年のものを準備。
本番さながらの解答用紙も作成し、当日を迎える。
構想作の説明などもやるかなぁと思い、下記の本などを持参した。
・盤上のフロンティア
・盤上のファンタジア
・極光21
・詰将棋年鑑(2020~2021)
・酔鯨
・流星雨
・毎年の解答選手権の本
・詳解詰将棋解答選手権(チャンピオン戦)
・看寿賞作品集
・中編名作選
・詰将棋ファン4号
・詰パラ4月号
・過去問(図面、印刷)
・からくり箱

しばらくは簡単な問題を解いて、
その後2015年の前半の問題を配布。90分考え続ける練習を実施。
終わった後は答え合わせと簡単な解説。
近場でランチを取ってから後半戦。
またしても90分かけて解く。
この180分は前日練習には厳しいかもしれないが、
どれだけ体力が必要かを体感する貴重な機会だったのではないかと思う。

その日は早めに(午後6時頃)解散の予定だったので、
構想作の解説は少しだけにとどまった。
みんなが過去問を解いた感じで、
構想作までたどり着けないだろうというのが共通の見解だった。
明日の集合場所や時間、持参するべきものなどを確認して解散した。

丸一日詰将棋に触れ合う貴重な日だったと思う。
ちなみに、私は過去問は解いていたので、
前半の時間で詰パラ傑作選を解いていた。
100問で73分だったがこれは早いのか遅いのか…

準備編終わり。
次は当日前半戦を書こうと思います。


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