詰将棋解答選手権チャンピオン戦参加記(前半)

開始まで

選手権当日、いつも通り6時前には目覚める。
会場の大井町までは1時間程度の距離だが、
電車遅延などのリスクを考慮して早めに家を出る。
受付開始は10時30分からだが、会場には10時前についた。
スタッフの方々は早くから集合していたようで
既に準備万端という感じだった。
部屋で参加者名簿を確認(東京のみ)、有力解答者がどこにいるのかも確認。
宮田先生は見えやすいところにいたけど、
岩村・齋藤光・山城といった三段陣は私のところからは見えにくい場所に。
結構早く来る方もいて、ご挨拶したりしながらリラックスして待っていた。
会場が早くから入れるのは有難いですね。

さて、開始時間が近づいてきて緊張が高まるかと思ったけど、
全くそんなことはなく完全にリラックスしていた。
今回は団体戦もあるので盤駒を使うか迷っていた。
基本は使わないけど、
合駒の数とかが需要になるパズルのような作品がでたときに
駒を出しておくと便利だなぁと思ったりして、
念の為盤駒を用意し、駒を種類ごとに並べておいた。
結局、邪魔になっただけで前後半いずれも全く使わなかったが。。

ダイバーズウォッチで開始時間に合わせて準備完了。
そしてすぐに開始の合図。

前半開始！

まずは5問全てさらっと見る。
あれ、1問目は持駒が多いし、3問目が一番解きやすそうだな。
でも、3番ということは少し長いだろうから、やはり1番からかな。
ということで1番から解き始める。
初手は63飛の決めうち。
84玉には95銀～62馬として龍を取れるからまぁ詰むな。
74玉の一手か。
なんだか両王手か空き王手がかかりそうなバッテリーができた。
さて、どうするか。
85玉型にして空き王手したときに
下段と上段にどちらも逃げられるとなかなか詰まない。
86桂は筋が悪そうだし、65銀も取られて続かないな。
あ、83銀捨てておくと下段が狭くなるかな。
同龍だろうけど、さてどうするか。
65銀は同金、83飛成でも上に逃げられてダメかな。
85銀は…同龍でも詰まないかも。
86桂は同金かな。あ、同金は65金から龍を取って66飛がピッタリか。
それなら作意っぽいから86桂に絞って、同龍だよね。
65銀、同金、73飛成とかで詰めばよいけど下に抜けるし、おかしいなこれ。
イモ筋だけど73金とかあるか？85玉には65飛成で詰みそうだから84玉か。
83金と寄ったら74玉と戻るのか、それで65銀か！
85玉に84金と捨てて飛をなれば詰みそうだ。
93飛成には74金引かれて、同馬、同角、76金、同龍、95龍までか。
結構長いな。もう一度確かめよう(変化を軽くつぶしていく)。
あ、76金って同桂で取られるじゃん。
それ詰まないから、83飛成か。
74金なら同龍があるし、移動合以外なら94龍で詰むな。
ということは最後は馬を取って94龍までかな。
(解答を書き終える)
1問目でワナありの17手はエグイな。
みんな大丈夫かな…
(ここまで約15分、かなり焦っていた)

次は3問目かな。
取り敢えず初手は33角でしょ。
52玉の一手に85角として、逃げたら簡単だから中合か。
歩合とかだと42飛から最後76角と引けて詰むから香合かな。
同角、53玉に、52角成かなぁ。。
同玉だと、62飛、53玉、42角成、44玉、64飛成、54合、45香、34玉、
54龍として23玉の一手だから、
54合が歩なら24龍以下、桂なら15桂以下詰みそうだ。
ということは52角成に64玉か。
これ、67香打ったら簡単に見える…(しばし固まる)
たしかに詰んでるか。
だとしたら74に他の合駒？あ、銀合か。
同角、53玉に、今度は52角成じゃ詰まないな。
55飛か？54歩合、同飛、同玉、55銀、53玉で打歩か。
これ打開しようがないかも。
64玉には65銀で詰みそうだから、45桂跳ねてみるか。同香で54銀。
これなら64玉には65銀と引いて詰むし、同玉なら34飛から危ないな。
以下、53玉、44角成、64玉、66馬として合駒できないから53玉と戻って、
75馬、43玉、52角成、同玉、32飛成、63玉であと一押しが足りないか…
(一度戻って読み直し)
最後詰みそうなのになぁ……、あ、最後53龍引けるんじゃね？
ということで、62龍～53龍に気づいた！
解答を書いてここまで約25分。

次は2番かなぁ。
初手はまぁ普通に43馬で、中合でしょ。
歩合は25銀で27玉も38金で詰みそうだから、同玉だろうな。
以下、35飛、16玉、34馬、27玉、38金、18玉、19歩以下詰みそうだな。
46馬といけるから詰むね。
ということは46に利かせる桂合か。
これは同馬の一手で27玉にどうするのだろう。
桂を使う方法は…
あ、29飛で合駒して39桂があるか。29飛には銀合とかか。
これだと39桂を決めてから飛を切って、37銀？
同玉なら38銀と打って詰みそうだから、
37銀には18玉が普通か。それで27銀と打って、19玉に…
29金から56馬引とすればきれいに詰むからこれが正解かな。
解答を書く。
ここまでで約45分。
(香合を完全に読み飛ばしてしまいました…)

次は4番。
初手は18桂か27金だけど、27金だろうね。
35玉と逃げるのは36銀から簡単に見えるから、基本は25玉だよね。
47馬かな？筋はこの一手なんだけど、どうだろうか。
取り敢えず読んでみよう。
同と右は後で55飛成が生じるから詰みそうだ。
取り敢えず同と直かな。それで17桂には14玉か。41馬でしょ、32中合かな？
同馬、24玉で、33馬と引いたら…馬を切って26銀と打てば詰んでるなぁ…
中合はダメか。単に24玉で、15馬切れば詰むんだから42馬だよね。
それで35玉で36金、44玉、56桂、同歩、45歩、34玉…あれ足りないや。
馬が邪魔だから、42馬が違うのか、あ、51馬と寄ったらこれ詰んでるな。
捨合する？例えば桂合してたらさっきの42馬の局面は詰むかな？
26桂、同銀、24馬、同玉、22飛成、34玉…惜しいな。
あ、順番逆じゃん、
先に24馬だと同銀は32飛成だし、同玉、22飛成、34玉は反対から
桂を捨てれば詰みだ。
あ、これきれいに詰むから作意かな。
解答書いておこう。
(ここまでで65分ほど)

最後か。
残り時間も少ないな…
まずは37銀でしょ？、19玉に28銀、同玉として、
ここまではこれしかなさそう。
37銀を取るのも詰むかな？詰みそうだけど…
38金として大駒4枚の物量でだいたい詰みかな
(ある程度読んでしまって時間を消費…)
で、4手目までは良いとしてそこからだな。
38金として取ったらまぁ詰むよね。
(ここで脳内にはまだ19香がいたので18玉を完全に見落としていましたが…)
19玉にどっちの龍を引くんだろう、後で近い方が良いからまずは79龍かな。
29銀合でしょ。同龍、同玉、59飛成には49銀打しかないよね。
これって危ないね。39金引いたらほぼ詰みじゃん？
全部ばらして17角成で銀2枚なら詰みだ。
あれ、どこがおかしいんだろう…
4手進んだ局面に戻る。
残り10分を切っていてかなり焦っている…
38金と捨てて取れば簡単だし、やはり19玉だよね
(最後まで19香の幻影が残ったままでした)
79飛成のときに金合も駄目だよね。銀合も詰むし困ったな…
どこかで受け方を間違えているんだろうけど…
と思っている間に残り1分のコールがあり、
5手目以降は何を書いたか忘れたけど時間になって終了。
あぁ、4問と最後の1点かぁ。。。と思っていたのだけど、
あけてみたら2問目が不正解で31点でした。

前半終了してしまった。。

昼食を娘とさっさと食べて戻ってきて、みんなの感想聞いたりしていたら、
山城三段が2問目で同じような手順を書いていたことが判明。
同じ読みをしていたので自信になりましたみたいなことを言われたけど、
それ間違ってるねん…
ちなみに彼も研究会仲間で、詰パラの解答も出しているので
今回勝ちたいなぁと思っていた。

2番の桂合の変化を岩村三段に聞いたら28銀合は同飛、同玉、39銀だって。
それ聞いて飛び上がりそうだった。めっちゃいい手やん！
前半ボロボロだったなぁという印象のまま昼休みが終わる。
岩村三段が44点で首位だったと聞いたが、
もう後半全部解いても優勝は難しい、せめてトップ10に…と思ったが、
この前半の点数では相当厳しいと思っていた。

次は後半戦に続きます。