言語聴覚士・木山幸子|ことばのトビラ

言語聴覚士×アナウンサーとして、日々ことばの問題を解決しています。小児の言語発達や吃音…

言語聴覚士・木山幸子|ことばのトビラ

言語聴覚士×アナウンサーとして、日々ことばの問題を解決しています。小児の言語発達や吃音(リッカムプログラム)、発音や滑舌のオンライン指導の先生。大人の滑舌や面接・プレゼン指導も。元CATV局アナウンサー。https://kotobatonou-soudan.com

マガジン

  • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。

    子どもとどうやって遊んだらいいの? 意外と多いお悩みに、言語聴覚士がことばの発達の観点を交えてお答えするマガジン。高価な知育おもちゃでなくても、お金や手間をかけなくてもいいんです。身近にあるものでことばのセカイに飛び出しましょう。

  • 声の魔法!言語聴覚士×アナウンサーによる「いい声」のマガジン

    アナウンサーとしての経験と、言語聴覚士としてのアカデミックな視点で、「声」を感覚と理論の側面から紐解くマガジン。あなたの声や話し方、声の魔法をかけてよりよくしてみせます。

  • 幼児の吃音の話

    子どもの吃音指導に関するガイドラインが2021年に策定されました。それを受けて、6歳以下の幼児の吃音の事情についてまとめています。言語聴覚士が提案する、子どものための吃音マガジンです。

  • 漢字の書字苦手さんへ「みみかん」のご紹介

    読み書き困難(学習障害)で、漢字の書字が苦手の方向けに開発した「耳からおぼえる感じ」=通称みみかんを無料公開しています。共同通信やyahooニュース等、メディア50社以上で紹介された漢字教材をぜひご利用ください。

  • 0−2歳オススメ:ことばの発達を促す子どもとの遊び方

    小児の療育に携わる言語聴覚士が、こどものことばの発達を促す関わり方を紹介しています。

最近の記事

こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑯2語文・3語文を促す、お魚つりとピザ屋さん〜

ことばのシャワーは間違いだらけ?前回投稿はこちら。 キャンドゥ「木製お魚つりセット」と「木製おままごとセット・ピザ具材」の紹介 ことばのシャワーという考え方があります。まだことばが出始めた頃のお子さんに、シャワーを浴びるようにたくさんのことばがけをしてあげましょうという考え方です。 このことばのシャワー、近年いたるところで「間違いである」と指摘されています。理解力が十分でない子どもに、立板に水のごとくことばを浴びせても、子どもの耳には届かず、ことばも育たないという解釈の

    • 声の魔法!🪄 閑話休題・ピラティスとヨガと呼吸の関係

      ピラティスとヨガは何が違う?前回記事はこちら。 前回は発声時に重要な胸式呼吸と腹式呼吸の話をしましたが、ここで呼吸に関する追加ネタを少しだけ。 習い事としてもよく知られるピラティスとヨガですが、この2つの違い、みなさんはご存知でしょうか。 ピラティスはインナーマッスルや体幹を鍛え、主に身体やバランスの強化を目指します。 ヨガは同じく筋力へのアプローチもありますが、身体だけでなく心のバランスもとりながら、リラックス効果を得られるというもの。 このように効果の程や目的が少

      • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑮お手伝いが発達を助ける〜

        愛情と勤労は子どもの発達に不可欠前回投稿はこちら。 お手伝いのススメ 遊びの紹介をずっとしてきましたが、今回のテーマは「お手伝い」。みなさんのおうちでも子どもにお手伝いを頼むことありますよね。このお手伝い、実は子どもの発達を促す要素が詰まっていることが研究でもわかっています。発達障害の子どもたちの療育でもお手伝いを取り入れることは多いです。 ただし、無理矢理させるのは厳禁。勤労精神だけを振り翳しては意味がなく、そこに愛情が必要。突然精神論の話が始まった!?と思われるかも

        • 声の魔法!🪄vol.4 声の 「大きさ」について深掘りしてみる

          声の大きさを鍛えるには前回記事はこちら。 前回「大きさ」と「速さ」について考えてみましたが、せっかくですのでそれぞれもう少し詳しくお話ししたいと思います。 まずは「大きさ」について。 ただ大きな声を出すだけだと説明しましたが、ではどうやって大きな声を出せばいいのかということを、身体の仕組みについて解説しながらみていきましょう。今回の記事はちょっと面倒な内容ですが、一緒に頑張りましょう。 空気をたくさん蓄えるために胸郭と胸式呼吸 前の記事でも、声の大きさは呼気量で決ま

        こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑯2語文・3語文を促す、お魚つりとピザ屋さん〜

        マガジン

        • こどもとあそぶ。ことばであそぶ。
          16本
        • 声の魔法!言語聴覚士×アナウンサーによる「いい声」のマガジン
          6本
        • 幼児の吃音の話
          5本
        • 漢字の書字苦手さんへ「みみかん」のご紹介
          3本
        • 0−2歳オススメ:ことばの発達を促す子どもとの遊び方
          7本

        記事

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑭積み木遊びがオススメの理由〜

          遊びの定番「積み木」が発達を支える前回投稿はこちら。 「積み木」の紹介 子どものおもちゃの定番、積み木。長く使えるおもちゃであり、素材や色にこだわって選ぶ方も多いですね。 この積み木遊び。子どもの発達を支える様々な要素が詰まっていることはなんとなく広まっていますが、今回は年齢別にわけて紹介してみます。なお積み木はサイズも様々ですが、誤飲の事故が報告されているおもちゃでもあります。子どもの口の大きさは約4センチ。そのため未就学のお子さんが使用する場合は、口に入らないであろ

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          声の魔法!🪄vol.3 声の「大きさ」「速さ」を考える

          前回記事はこちら。 聞き返される原因は滑舌じゃない!?「私、聞き返されることが多いんです」 声や話し方のお悩みでは定番のお悩み。そして、このお悩みを持っている方のほとんどが、自分の滑舌が悪いと思い込んでいます。 確かに滑舌の問題も含まれているかもしれませんが、発声や滑舌を教えている私からすれば、聞き返される最大の原因は、滑舌ではないことがほとんどです。 では何が原因か。 それは「大きさ」と「速さ」。 個人の感想としては、この2つに要因がある場合が7割程度。残りの3

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑬おりがみは退屈で時代遅れ?〜

          伝統的な遊びには、発達支援の視点がいっぱい前回投稿はこちらです。 「おりがみ」の紹介 日本人なら誰もが一度はやったことがある遊び「おりがみ」。最近では海外でも人気だそうですが、発祥の地・日本では廃れてきた遊びのひとつかもしれません。 幼稚園や保育園でも、制作の一環として子どもにさせることはあっても、自由遊びの中でおりがみを選択する子は少なくなっていると、幼稚園・保育園の訪問支援(園の中で支援が必要な子どものために、先生方へ助言等を行なったり、保護者の相談にのったりする仕

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑬おりがみは退屈で時代遅れ?〜

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑫負けずぎらいさんも楽しめる工夫〜

          負けるとかんしゃく!?兄弟ゲンカ!?どうする??前回記事はこちらです。 勝ち負けのないゲームやルールの紹介 「すごろくを兄弟でやってみたけど、負けた方がかんしゃくを起こして大泣き」「結局いつも兄弟ゲンカがはじまっちゃう」などなど、兄弟がいるおうちでは、競争が絡むゲームをするのもときに大変。「ケンカするんだったらもうやりません!」とママが激怒して終わる、なんてことも。 そんなときは、勝ち負けにこだわらないゲームやルールを導入してみましょう。 たとえばすごろくで遊ぶとき。

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑫負けずぎらいさんも楽しめる工夫〜

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑪0歳児と何して遊ぶ?〜

          0歳からことばの練習!?前回投稿はこちらです。 模倣の大切さ 今までいろんなおもちゃや道具を使った遊び方を紹介してきましたが、もっと小さい子、たとえば0歳の赤ちゃんと遊ぶなら、どんな遊びがいいでしょう。ラトルをふる? ぬいぐるみを与える? それらも楽しい遊びですからもちろん取り入れていただいていいのですが、もっと簡単な遊び方を紹介します。 それが模倣です。赤ちゃんが出す声を、大人がそのまま真似るのです。 赤ちゃんが「あー」と言ったら、大人も「あー」。 赤ちゃんが「うー

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          声の魔法!🪄vol.2 「声の硬さ」を変えてみる

          高さの次は硬さの調節ひとつ前はこちら。 https://note.com/kotobanohattatsu/n/nd744857539ac 声の硬さを変えてみよう 声の印象を変えるのに「高さ」の調節をしてみました。次にチャレンジしたいのが「硬さ」の調節。 声は「硬い声」と「軟らかい声」の2種類にわけることができます。 硬い声で話すことを「硬起声発声」(こうきせい・はっせい)、軟らかい声で話すことを「軟起声発声」(なんきせい・はっせい)と言います。 「起声」とは声の立

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑩仲間を集めると語彙が増える!〜

          語彙を増やすための、上位概念のお話前回投稿はこちらです。 三度登場、ダイソー「あいうえおカード」の紹介 また絵カードのススメ?と思われるかもしれませんが、小児言語聴覚士である私が無人島に持っていきたいおもちゃですから、遊び方は1つや2つではありません。文字すごろく、なぞなぞかるたに続く、もうひとつ別の遊び。それが「仲間あつめ」です。 「仲間あつめ」遊びの紹介 カードをばらまいて、その中から「仲間」になるカードを集めていく遊びです。ダイソーのあいうえおカードでなくても、

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          声の魔法!🪄 vol.1 声の「高さ」を変えてみる

          手っ取り早く声を変えたいなら「高さ」の調節ひとつ前はこちら。 声の高さを変えてみよう 人の声の種類は千差万別。なぜそんなに十人十色なのかは、また別の記事で述べますが、とにかく、いろんな声があります。私たちはその声を聞き分け、「この声は○○さんの声」と判断しているわけです。何千何万の種類の声の中からその人の声がわかる、というのはある意味すごい能力です。 あなたの声も私の声も、大好きな推しの声も、一種類ではありません。その日の調子によって微妙に変わることだってあります。もっ

          声の魔法!🪄 vol.1 声の「高さ」を変えてみる

          声の魔法! あなたの話し方、言語聴覚士✖️アナウンサーが変えてみせます🪄

          声の先生と言えば誰?言語聴覚士という仕事 「声」の先生と言えば、誰を思い浮かべますか? 歌手、歌の先生、ボイストレーナー、アナウンサー、ナレーターetc…。どれも「声」を仕事にしているプロフェッショナルな方々ですから、間違ってはいません。 そこにもうひとつ、ぜひ「言語聴覚士」を加えてほしい!というのが私の願いです。最近少しずつ名の知れてきた「言語聴覚士」。なぜ「声」のプロフェッショナルの仲間入りが果たせるのかーーというその前に。 そもそも言語聴覚士とはなんぞや、という

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑨絵本がきらいな子だっている〜

          子どもは絵本が大好き!とはかぎらない前回投稿はこちらです。 仕掛け絵本の紹介 絵本が子どもの発達にお役立ちというのは誰もが知るところ。子どもたちを寝かしつけるときの絵本の読み聞かせを頑張っているというご家庭も多いことでしょう。 けれど一方で、絵本にまったく興味がないという子もいます。「子どもをおひざに載せて読み聞かせをするのが夢だったのに……」と嘆くママも。 そんな絵本苦手のお子さんにオススメしたいのは仕掛け絵本です。「ぼうしとったら」や「かぜビューン」などは、展開が

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          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑧奥が深いおままごとの世界〜

          子どもの年齢によって変わる遊びのかたち前回投稿はこちらです。 セリア「プレイシート」と「おままごとセット」の紹介 子どもはおままごとが大好き。「いや、うちは男の子だから、おままごとはあんまり……」とおっしゃるパパママもおいでですが、おままごとの道具を見せて「先生とママはお話があるから、これで遊んでて」とお願いすると、男女関係なくほとんどのお子さんが嬉々として遊びはじめます。 立派なキッチンセットもたくさん販売されていますが、セリアの「プレイシート」も負けてはいません。シ

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑧奥が深いおままごとの世界〜

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑦フェルトボールでゴールを狙え!〜

          手先の器用さと発音の改善グッズ前回投稿はこちらです。 デコレーションボール(フェルトボール)の紹介 100円ショップの手芸コーナーやラッピングコーナーにあるフェルトでできたボール。手芸やラッピングに使うだけでなく、子どもの発達を助けてくれるお役立ちグッズでもあります。 手先の器用さアップの遊び お箸やトングを使って、フェルトボールを運ぶレースはどうでしょう。床やテーブルの上にフェルトボールをばら撒き、拾いながらお皿や容器に集めていきます。誰が一番多くフェルトボールを集

          こどもとあそぶ。ことばであそぶ。〜⑦フェルトボールでゴールを狙え!〜