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今日の言の葉

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その日、降りてきた言の葉を綴っています。あなたの良き日々に繋がれば幸いです。
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記事一覧

透明なる序章

透明なる序章

昨日、あなたの心を濡らした雨は
悲しみのヴェールを被っていたけれど
本当の姿は慈しみだったようです。
あなたはまだ気づかないけれど
乾いて固まった過去の傷が
たっぷりと水気を含んで
流れ落ちていったようです。
今日、あなたの心は静寂に包まれ
あきらめが霧のように漂っているけれど
それはすべてを受け入れ肯定する
透明な序章なのです。
風が吹き
雲は流れ
鳥たちが再び歌い始める。
それは新しい物語への

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音を観る

音を観る

自然の中に身を置いて
静けさを観じてみましょう。
「静けさ」とは無音ではありません。
そこには命の音があります。
鳥が歌っています。
花が語らいかけてきます。
風の声、おしゃべりな川の流れ
木漏れ日はクスクス笑っているし
石は時の流れを伝えます。
こういう音が聞こえるようになった時
神さまのメッセージを
的確に掴むことができるようになります。
龍神が現れることも多くなります。
この観じ方は、都会に

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美しい決断

美しい決断

「美しい決断と夢中が私を支配していた」
中西悟堂の『槍ヶ岳』という詩の一節です。
美しい決断と夢中
この言葉が強く胸を貫いてくる。
しかもそれに支配されていた。
そこに幸福のひとつのかたちが
あるように感じられます。
美しい決断とは
必ずしも安らかではないかもしれない。
根底には挑戦していく静かな覚悟が
流れている。
いつの間にか私は「ほどほど」である方を
選ぶのが癖になっていたのかも知れない。

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歳を重ねた美しさとは

歳を重ねた美しさとは

「佇まい」とは単に立っている様子ではなく
その人のあり方までもが表されています。
佇まいには
その人が過ごしてきた
「時」が見えているのです。
どのような心持ちでいるかによって
表情も、言葉も、姿勢も、
立ち居振る舞いも変わってくるものです。
不安を抱え憂鬱に過ごす時間が多かったのか
不満が渦巻いて荒い言葉になりがちだったのか
あるいは
ささやかなことにも感謝して
小さな喜びを積み重ねていたのか

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あなたが主人公の舞台

あなたが主人公の舞台

誰もが自分の物語を生きています。
この世界は舞台のようなもので
あなたという主人公がいて
物語が展開していくのです。
時に舞台装置が大きく変わり
あなたをとりまく風景も人も入れ替わり
物語は新しい段階へと進んでいきます。
現実の世界では
舞台セットがあるわけではなく
人や風景があとかたもなく
入れ替わることはないでしょう。
けれど、そのエネルギーを観じてみれば
昨日と同じ風景、同じ人でも
まるで違

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人もものも自分を映す鏡

人もものも自分を映す鏡

「ものを大事にしないのは
神さまに感謝する心がないからですよ。
それは自分を大事にしていないのも同然なんですよ」
神社のお社には鏡が祀られています。
鏡に向かえば、そこに自分の姿を見出します。
このことは私達の中にも
神さまがおわすこということ、
また、この世のすべては
我が鏡であるということを
教えてはいないでしょうか。
人はもちろんものも鏡なのです。
相手に対して微笑めば
微笑みがかえってくる

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静けさが失われた世界

静けさが失われた世界

宮本常一の「地の声」によれば
府中の大國霊神社で太鼓が鳴ると
新宿まで聞こえたという。
昭和十年代までの話で、日本中が静かだった。
山仕事をする男が歌えば
どこかで働く女が声を重ねる。
姿は見えなくても
男女が掛け合いをしながら親しくなり
恋仲になるのが普通だったという。
自然の音もよくきこえたから
津波を事前に察知し助かった人も多い。
今や世の中に騒音があふれるようになった。
騒音に慣れるという

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本質が問われている

本質が問われている

仏教の本質は「慈悲」です。
人を慈しみ、その悲しみに寄り添うこと。
人生にはさまざまな悲しみがつきものですし、
人間存在そのものも悲しいものです。
なぜなら、必ず最期は死を迎えるからです。
滅びゆく宿命に対して
なすすべもないことを理解し、
人間存在そのものを心から慈しみ、
共に悲しんでくれる。
これが慈悲だと私は理解しています。
慈悲は儒教における「仁」であり、
「仁」は「慈愛」という言葉に

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アセンションが進んでいる

アセンションが進んでいる

花々がバトンを渡すように次々と咲いて
初々しい緑は
日を追うごとにその色を深めています。
もう夏がすぐそこまで
近づいて来ました。
歳明けのことが
まるで遥か昔のよう。
ここまでの月日を振り返れば
わずか数ヶ月のうちに
ずいぶん遠くまで来たことがわかります。
今、時間の感覚は明らかに変わりました。
たとえば5年前と比べても
速いような永いような
かつてない感じが抱かれます。
時間は伸び縮みするよう

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神さまから賜りしもの

神さまから賜りしもの

これまでの人生で
あなたが受けてきた傷
奈落の底を見るような悲しみ
胸の奥が空洞になるような淋しさは
神さまから賜ったものなのです。
人が与えたのではなく
天が下賜されました。
そこには祈りがあったのです。
願いがあったのです。
どうかこの世界をやさしくしてください。
どうか慈しみと愛を拡げてください。
どうかこの光をもたらしてください。
神さまの願いであり祈りです。
痛みを知らない者は他者の痛み

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世界が呼吸している

世界が呼吸している

一晩中守られて
今日という日をすこやかに迎えました。
この呼吸に感謝します。
際限なく与えられた空気に感謝します。
この空気を浄化してくれた雨があり
雨を降らせてくれる雲があり
地に落ちた水を含む土があり
土は水を浄化し
川の流れとなり海へと還ってゆく。
この世界も呼吸しているのです。
呼吸とは、なんという壮大な循環でしょう。
どこかが何らかの理由で滞れば
この循環はゆがんでいくのでしょう。
喉や

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あなたの居場所

あなたの居場所

誰もが居場所を探して
さまよいながら
日を過ごしています。
天地すべてが居場所である、
そんな境地に辿り着くことは
極めて稀にちがいありません。
けれど、だからこそ
ささやかな心の動きに
目を向けてみたいのです。
さまざまな関係性の中で
いちばん安らいでいられるのは
どんな場所で
どんな時なのか
あるいは
どんな場所でどんな時でも
安らいでいられるのは
誰と、なのか。
必ず心が教えてくれます。

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この一瞬が永遠である

この一瞬が永遠である

老師の言葉に突き動かされ
「今」にありったけの心を向けるうち
私の人生の時間は極めて濃厚になりました。
永遠を掴みかけているようです。

ミクロのジャングル

ミクロのジャングル

やわらかな苔に近づいてみると
まるでミクロのジャングルです。
なんという深々とした森
そこに暮らす生き物は
顕微鏡でなければ見えないかも知れない。
そこでも、やはり
仲良くしてみたりケンカをしたり
ややこしく生きているのでしょうか。
それともうまいこと譲り合いながら
平和に暮らしているのでしょうか。
宇宙から見てみたら
私たち人間はこんなふうに
見えているのかも知れません。
もっとも、こんなに豊か

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