感情は言葉にすると冷めて固まる

感情の熱量を保持したい時はあえて言葉にしない方が良いかもしれません。

 私は恋人として交際を開始する時に自分の中で「いつ別れるか」を決めて交際していました。
その理由は「自分は生涯結婚すべきでないと思っているから」というのが最も端的な表現ですが、ここには何でも言語化してしまうという私の癖が影響しています。

嬉しかった時も悲しかった時も、即座にその感情を言語化して「何がどう嬉しかったのか(悲しかったのか)」を説明できるように成形してしまいます。
そのおかげで食レポなんかは上手い自信がありますが、個人的な感情から伝達可能な文章へと置き換わってしまうので感情の熱は下がります。
その結果、執着心・依存心を継続することが難しくなるんですね。

「もう触るな、それが薔薇だ」と云ったのは誰だっただろう。どうやら「好き」という気持ちを検算してはいけないらしいのだ。

『異性』角田光代・穂村弘(2012)

これを読んだ時はあまりに図星を突かれてしまい笑うしかなかったことを覚えています。
認知的不協和の解消には有効なのですが、恋愛においては悪手のようです。

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