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生成AIの使い道は三つに集約できる

三つとは?

AIに関してはさまざまな使い方が提案されていますが、その性格をよく吟味してみれば、それは次の三つのいずれかにカテゴライズできます。

  • 探索

  • 要約

  • 創造

一つづつ考えてみましょう。

探索とは

「○○について説明してください」や「おすすめの旅行プランを出してください」のような使い方です。これまでは検索エンジンで調べていた課題の一部をAIに行わせることができるようになりました。実際に、Googleなどがそのようなインターフェースを採用し始めたのには皆さんも気づいていることでしょう。

要約とは

まず考えられるのがPDFやjpgデータをアップロードし、「何が書いてあるか説明してください」と要求する使い方です。

レポートやブログ記事を作成する際に、まず初稿をChatGPTなどに出力させることがあります。
これは文章の「創造」だろうと言いたい人もいるでしょうが、私は「要約」に分類すべきステップだと考えます。このステップで作成するのは、完成品として人に見せるものではなく、収集した情報から重要な点を抽出し、整理して並べ替え、さらなる検討の下敷きにされる文章。その本質はまさしく要約です。

プログラムコードの作成も要約の一種と捉えることができます。ChatGPTが出してくるコードはちゃんと動作する。これは一つの「完成品」であり、紛れもなく創造ではないかと言いたい人がいるかもしれません。しかし、これも文章の初稿と同じく、そのまま完成品となるものではなく、あくまでも開発のスタートポイントとなるもの。使い物になるシステムに仕上げるには、UIのデザインを考え、異常な入力に対する対策を考え、長い道のりを歩まなければなりません。その段階を終えるに至って初めて「創造」です。

創造とは

多くの人が最初に思い浮かべるのが、この「創造」でしょう。AIに「○○の絵を描いてください」と指示し、キャラクターやイラスト、風景画などを生成させるなどはは確かに創造的な使い方と言えるでしょう。画像生成AIが登場するまでは現実的に難しかった機能ですが、新しい可能性を切り開いたと言え、注目に値する分野です。

AIに任せられる実務の大半は要約である

ChatGPTの登場により、もうgoogleは時代遅れになるなどという人もいましたが、現時点では賛成できません。今のところ、検索ツールとしての確実性でgoogleやbingに勝てている代替手段はほぼ皆無です。googleがダメだと言っている人は使いこなせていないだけです。

AIが創造の可能性を広げているのは確かでしょう。しかし、あくまでもAIは支援者・補助者にとどまるものであり、基本的には人間が手綱を握るべき領域です。いわゆるAIイラストをみると、高く評価される作品は実際は利用者が自身の絵心を活かしてかなりの加筆修正をしているようです。文章作成に関しても言わずもがなです。

結局のところ、2024年5月時点において、もっとも着実にAIを利用して成果を挙げているのは、AIを要約作業にうまく活用している人達だと思います。そこをずらしてしまって、AIは結局使えないとの結論に至っている人が少なくないように見えます。もったいないことです。

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