瀬田なつき『違国日記』大人になるということ、自分だけの孤独に向き合うということ
大傑作。瀬田なつき長編五作目。原作未読。なので、笠町、森本、三森など絶対に面白そうなエピソードがありそうなのに匂わせ程度で終わっていた人たちも、原作では映画におけるえみりくらい補足されているんだろうし、他にも面白い人が未登場なんだろうなとは思うが、他者の"絶対的に理解できない何かを肯定"しながら寄り添い合う人間を描く本作品において(『ドライブ・マイ・カー』でも似たようなことを書いたことを思い出した)、これらの人物が映画内で遠くに感じることもそれなりに意味があることだと思えた。